点をつなぐ

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.46
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本棚登録 : 464
レビュー : 69
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758412537

作品紹介・あらすじ

28歳の滝口みのりはスイーツの商品開発に携わっている。ヒットはまだ、出したことがない。進路、恋人、仕事、服、デートコース…これまでに選んできた「点」は、正解だったのだろうか…。リアルな心情描写が胸を打つ長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公はコンビニスイーツの商品開発の仕事をしているみのり28歳

    テレビで食品の開発担当者の特集を見ることがあるけれど、
    本当に大変なお仕事だな~と…
    そしてどんな味か気になって買ってしまう(まんまとね・笑)

    この年齢の頃を振り返ってみると、
    みのりと同じように悩んで揺れてたなぁって思います。
    人生ってほんとに選択の連続ですよね~

    「点つなぎ」って名称は知らなかったけど子供のころよく遊びました。
    線がまっすぐに引けなくて、できた絵がいびつなのが嫌で消したら他の線も消えちゃったりしてね。

    生きていくなかで選び続けた点をつないだら、
    いつか自分の信じた形になってくれたらいい。
    選んだものが間違ってなかったと信じたい。
    すごくよくわかります。

    こうして物語の世界に入り込むと、すぐその頃の自分に戻れるのが楽しい。
    選ばなかった、選べなかった道に立つ自分を想像することもできる。
    だから読書はやめられない。

    そして本を閉じ”現実”を精一杯生きるのです♪

  • カトチエさんの長編初読み。長編になることで、カトチエさんの持ち味である小気味よい文章のリズム感が崩れてしまわないかと心配したのだが…瑞々しい世界観はそのままで、夢中で一気読みしてしまいました。
    30歳手前の、「人生、これでいいのか」という焦燥感。誰もが通る道だからこそ、描き方によっては陳腐になってしまいそうなところだが…一つ一つのエピソードがリアルで、「あるある、あるある!」と共感しまくりでした。大学進学を機に上京し、そのまま東京のコンビニチェーンに就職したみのりが、地方に帰省するたび感じる、親や友人との価値観の相違。どう説明したところで伝わらないだろうという諦念。描写が本当にきめ細やかで、個人的には一番の共感ポイントであった。
    物足りなさがないと言えば嘘になるけど、カトチエさんらしいセミスイートさが存分に味わえたかなと思う。彼女の作品でも好きな方かも。コンビニスイーツ開発のお仕事の場面は興味深く読みました。「点をつなぐ」というタイトルの意味に思いを馳せ…今の自分は28歳のみのりより、取捨選択を繰り返して点をつなぎ続けている。どんな形が出来るのか、わかりそうでまだわからない。まだまだ人生途上だな、なんて感じることのできた一冊だった。

  • 28歳の滝口みのり。大学進学と同時に上京、そのまま東京で就職。慌ただしくここまで歩んできたけれど、時々にあった選択は果たして正しかったのか。

    「あの時こうしていれば違う今があったのではないか」人は誰しも自分の選択を思い返す時があるかと思います。過去に戻ることは出来ないけれど、その先にあったかもしれない違う人生を空想する。それは果たして無意味なことでしょうか。
    大きな事件は起こりません。しかし読み終わると、私自身も自分の過去と今を静かに振り替えりたくなりました。今ある自分を丸ごと認める。背中をぽんと押してもらえたような、静かに寄り添ってもらったような、不思議な心地よさが残りました。

  • 君にしか出来ないと任される立場の一方で、私に出来ることなど有るのかと自信喪失する背中がいる。商品開発という重責、都会に揉まれ自分が何を目標としてきたのか見失ったとき、最終的に繋ぎ止めるものは「好き」ただその一点なのだと思います。私が選んだもの、選ばなかったもの、どの選択が正しいかはその先の私だけが知っています。点を線でつないで見えてきたものが、私の一番欲しいものであり、覚めない夢であればいいと願いました。例えそれが最も望んだ絵ではなくとも、何度でも諦めず選び続けてきた人生は一際輝いて映っていると信じたい。

  • 29歳になる年、みのりは焦っていた。
    仕事に夢中になっているが、果たして今の仕事を続けていて満足なのか?
    周りの同級生が結婚、出産する中で、何も変わらない自分に不安を感じている。

    私は結婚、出産もしたけれど、「今のままで満足なのか?」という問いに即答できないみのりの気持ちがよくわかる。

    正解はないけれど、自分の選んだ点をつないで、浮かび上がってくる形が正しいのだと信じて、選び続けていくしかない。
    そう結論付けたみのりは強いと思うし、私も選び続けていきたい、と思う。

  • 結婚とは、人生とは…みたいな本ばっかり最近読んでる気がするw
    いちいち、分かるわーって思いながら読んでた。周りと比べての不安や焦燥感。いやいや主人公は三十路やけど私はまだ…とも言ってられんのですよ!!←
    共感出来るところが多すぎる。って事でこの評価。

  • コンビニスイーツの商品企画の仕事をする28歳独身のみのり。
    やりたかった仕事に就き、やりがいを持って働いて入るものの、仕事に追われる毎日に疑問も感じていた。


    はじめましての作家さん。
    読みやすく、選ばれた言葉の使い方が好きでした。

    みのりの揺れる気持ちは、女性ならきっとみんな心当たりがあるものではないかなと思います。
    だから切実でリアル。
    そんなみのりが、藍田さんとの会話でたどり着いた「自分の選んだものが間違っていなかったと、信じるしかないんだと思っている」と言う気持ちに、共感しました。

    女性の大先輩としては、みのりは、さらに素敵なひとになるでしょうから、もっと自信を持って生きていって欲しいなと思います。

  • 働き始めてから、何度もこの選択でよかったのか…と悩み続けていた私にとって自分を見ているかのような物語でした。
    決してすかっとする話ではないし、劇的な展開があったりするわけではなかった。でも、人生は選択しなければならない場面ばかりで、自分の選んだ道が正解だったかなんて分からないけれど(むしろ他の選択肢の方が想像が膨らみ正解のように思えることの方が多いと思うけれど)、自分の選んだ点をつないでいくと、自分にとって1つの意味のあるものが浮かび上がると信じたいという主人公の考えには励まされました。
    自分の中で意味のあるものにするためにも、1つ1つの選択をしっかり吟味して責任をもって選んでいかなければならないな、とも考える要素があった気がします。

  • すごく素敵なお話でした!
    こういう小説、好き!!
    特に劇的な事件が起こるわけではないのですが。

    人生は選択の連続で、自分が選んだものが正しかったのか?と振り返ることもある。でも、自分が選んだ「点」をつなぎ合わせていったら浮かび上がる、その形を信じて生きていけばいいんだというメッセージが素敵です!!
    そして、選択できる幸せについても読んでハッとしました。
    人生は確かに選択の連続ですね。
    今まで選んだものが間違っていたかもしれないと感じても、生きていってまた点を選び続けられれば、最終的には素敵な形になるかもしれない。そしてそうやって出来ていく形が1人1人違うというところがまた素敵だなと感じました。

  • ananで紹介されてて読んでみようと思った本。すっごいさらっとすぐに読めた。29歳のコンビニの商品開発に携わってるみのり。
    本の中でなされてる会話はすごく身近で。一生懸命働いてることよりも、結婚や子どもや家を買ったことなんかが話題の中心になる世代。親とか親戚の期待めいた質問に戸惑ったり、友達が転職したり海外に行ったり。自分はその期間なにをしてたんやろうって考えたり・・共感できるとこがいろいろあった。
    終わりまでさらっとしてて少し物足りなかったけど、みのりがいい方向に進めるといいな。

    私はあんまり選ばなかった方のことを考えないタイプやけど、本当に人生って選択の連続やなあって。小さいことから大きいことまで、すべては自分の選択次第。

  • 誰にも言えないけど、常に心の奥底でどんより居座るわたしの悩みがぎゅっと詰まっている。

    悩んでるのは自分だけじゃないんだ、みんな同じことを心の底で思ってるんだと、気持ちが楽になれた。

    今まで自分が選んできた点、これから選ぶ点をつないだらどんな形になるかわからないけど、自分らしく生きようと改めて思う。

  • 20代から30代へ突入するとき、自分は何を思い、何を考え、何に悩んでいたのだろうか、と思い出してみる。
    自分が変わるのか、周りが変わるのか。その変化に乗るか、立ち止まるか、別の道を選ぶか。
    そうだそうだ。あのころ、目の前にたくさんの道があったはず。そのひとつひとつをどうやって選んでいたのか、今となってはもうわからないけど、あのとき選ばなかった道はその先にどんな「形」があったのだろう。
    小さな選択も、大きな選択も、どれを選んでいたとしてもそこには今と違う形があるはずで。
    けど、今ここで見えない先の形を思い煩っていても仕方ないんだよね。ここじゃないどこかへ、満足できる何かを探して、目の前の何かを選び、何かを捨て、点をつないでいく。その形が見える時まで。

  • 加藤千恵さんの淡々とした感じが好き。
    初めて長編を読んでみたが、良かった。
    自分自身も現在、将来につながる大事な選択をする時期でこの話の主人公にとても共感できた。
    これからも選択の時間は多くあるのだろう。
    その時にもう一度読み返したい気持ちになるのだろうな。

  • 流れる空気や展開が自然でさらさらと心地好く読めた。開発されるコンビニスイーツや参考にするベーカリーのコンフィチュールもお洒落で楽しかった。

  • アラサー女性のリアルが書かれている。同年代には胸を打つのでは。

  • 主人公と年代が近いので、共感できるところもあり羨ましく感じるところもあり...。
    終わり方は加藤千恵さんらしいな、と思った。

  • 二十九歳になるみのりは、仕事、恋愛、結婚、のまさに第二思春期で揺れていた。周りの友達はみんな結婚して子供がいる。それでも、自分で選択し続ける。
    あの時ああしていれば、あの時こっちにしていたら…。選ばなかった方の道がとても気になることがあるけれど、想像しても無駄。「選ばなかった」んだから。今の道を「選ぶ運命」だったんだから。だって、現にいま、ここにいるんだから。
    …と、私は思う。そう思ってからだいぶ楽になりました。私の周りもほんと既婚者だらけだけど(笑)。
    七の始まり方は冒頭の、「いつのまにか眠っていたらしい」だとかなりこの小説のテーマに合うんじゃないだろうか、と勝手に校閲したくなった。

  • 目の前の仕事に行き詰まった時に雑誌で紹介されていて手に取った一冊。

    【ザッと内容】
    主人公はコンビニのスイーツ商品開発をしている29歳独身のみのり。地方出身で東京で1人暮らし。彼氏なし。地元に帰ると両親や学生時代の友人から結婚はまだか?と急かされ、仕事も行きたい部署で働けているものの、大ヒット商品は出せず悶々とした日々を送っている。
    あっという間に過ぎ去っていく季節の中でみのりはどう変わっていくのか、仕事やプライベートとどう向き合っていくのか。

    【こんな人にオススメ】
    ・20代後半サラリーマン(特に故郷と勤務地が離れている人)
    ・仕事やプライベートで悶々としてる人

    【感想】
    私はみのりとは逆パターンで実家が都会、勤務が地方パターンだが、共感ポイントは多かった。
    学生時代までほとんど同じような人生を歩んできたはずの友人がみのりくらいの年齢になると全く違う人生を歩んでいることに気づく。当たり前のことなんだけど、その時自分がすごく取り残されたような感覚になる。
    特に見栄や均一を求める日本においてはそう感じる人が特に多いような気がする。
    そういう感覚の取り扱いが上手くできず、モヤモヤしてる人にはオススメの一冊。優しい文章でスッと心に入ってくる。もう少しみのりの気持ちや私生活の進展を描いてくれたらよかった。

  • 最後の章が特に面白く、心に響いた。
    人生は選択の連続であるということ
    今までしてきた選択が果たして良かったのか
    不安を感じることもたくさんあるが
    「自分で好きなように点を打って線を引く
    点をつなげて浮かび上がったものが
    わたしの人生なんだ」 と思うと
    これからの人生において
    私もいろんなことを選び続けていきたいと
    思わせてくれる本だった。

  • 今の気分にぴったり。仕事と恋愛。

  • すごく読みやすくて一気に最後まで読めました。
    仕事に追われて他のことを考えるゆとりのない日常。
    同級生は結婚し会話の内容が合わなくなったり。
    共感できるところが沢山あり大好きです。

  • うーん、微妙。仕事は頑張ってる(?)みたいだけど、なにもかも受け身なのに好意を拒否して惜しがる主人公の姿勢読んでて嫌気がした。特に元彼氏との別れ方がクソなんだけど、多分これは主人公からすると、「女の子なんだからそんなに頑張らなくていいだろ」ってのを感じ取っての結果なんだよと言いたいのかな、とも思った。それと、この主人公もしくは作者は、家族を持ちつつある同級生に対して劣等感が強いんじゃないかな、と感じた。取引先の男も舐めてんのかよ、イブの夕食に誘っておいて、他に好きな子がいるっておい。スッキリしない作品。

  • 対談集以外では初読みの作家さん。

    20代後半、
    いわゆるアラサーっていろいろ考えちゃうんだろうなぁと思う。

    どの点をつないで
    どんな絵になるのか人生は選択の連続。

    選び取ったことに、
    選び取った自分に
    誇りを持って生きて行くって結構大変だけど、
    それでも
    明日はやってくる。
    リアルな感情が伝わってきた。

    すべての女性にエールを贈りたい。

  • なんかスルスルと話が進んだという感じ。妹がもう少しストーリーに絡んでくると思ったけれど。エンディングは「こりゃないでしょ」と言いたいが、会った人誰もかれもを恋人候補や結婚相手候補としてジャッジしない方が楽に生きられる気がした。

  • 面白かったです。大きな波もなく淡々と進んでいく日常なのですが、この空気感がとても好きでした。何かを選びながら生きていく、そのことを考えさせられました。点つなぎの例えもストンと腑に落ちました。ぐるぐると考えながら、それでも前を向く主人公が良かったです。主人公の妹がちょっと気になりましたが。どんな人生を歩んでいるのだろう。主人公よりも年齢が高いわたしですが、自分のこれからを悩む事は多々あるので共感しながら読みました。わたしも点をつなぎながら生きます。明日からもがんばろうと思いました。

  • このタイミングで読めてよかった!久々に刺さる本であっという間に読了。主人公の設定がかなり近いからいまの感情を文字で表現したらこれだ!っという感じ。久々に帰省すれば親が年を取っていくことを実感するし、地元は結婚する人がどんどん増えるし、仕事に手は抜いてないけど目標は先だし…年を取ることに実感を持てないけど進んでく感じとかが上手い。"信じるしかないんだと思ってるんです……自分が選んだものが間違ってなかったことを。浮かび上がる形を"が印象的。

  • 目の前にある状況は、1つずつ選択して、まぎれもなく自分で築き上げてきたものなのに、どうしてこんなにも迷ったり揺らいだりしてしまうのだろう。
    なぜ自信を持って言い切ることができずにいるのだろう。


    グサグサくることばかりで。
    みんな同じような悩みを抱えているなんてのは気休めにもならないくらい。
    考えて悩んで不安で不安で何も見えなくて。
    どうしてみんなが当たり前に積み上げていく日々を生活を自分は同じようにできないんだろうって。
    いつか点がつながりますように。

  • 仕事にまっすぐに向き合う姿と、起こりもしないことをふと想像してしまう主人公の姿が自分と重なっているように思えた。どんなことでも単体で存在するのではなく、どこかで繋がっている。読み終わった後、自分のこれからについて考えさせられる一冊。

  • 20160830
    すぐに読めた。
    コンビニの商品開発部で働いている話。
    恋人がいなくて仕事がメインの日々。
    点つなぎで表現してて、なんか良いなぁと思った。

    「自分が選んでいったものを順番につなげていったら、何か形が浮かび上がるんじゃないかなって。それがどんな形なのか、いまだによくわかってないし、いつになったらわかるのかもわからないですけど」
    「選びつづけたいんです。苦しいけど、しんどいけど、でも選びつづけたいんです」

  • あのとき選んだ選択肢は正しかったのか…よく悩んでいた私には、心に刺さる本だった。選択肢は、選んでも、これでいいのか、悪いのかなんて、その時はわからない。信じるしかない。だから、人生は難しい。でも、それが面白いんだろうな、とつくづく感じた。これから、過去を振りかえったとき、この選択肢でよかったな、と思える人生を送りたい。選択肢を目の前にして、怯えたとき「大丈夫。腐らないよ。選び続ければいいんだよ。」という言葉に勇気づけられそうだ。

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著者プロフィール

1983年、旭川市生まれ。2001年、歌集『ハッピーアイスクリーム』で、高校生の時にデビュー。現在、小説・短歌・漫画原作ほか、幅広い分野で活躍。著書に『ハニー ビター ハニー』『あかねさす』など。

「2019年 『ラジオラジオラジオ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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