白い標的 南アルプス山岳救助隊K-9

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758413046

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第6弾。
    今作も前作に続き、長編サスペンス。
    甲府で起きた宝石店強盗殺人の犯人が南アルプス署管内に逃げ込み、パトロール中に犯人に遭遇した夏実を庇おうとして、相方の警官が撃たれてしまう。しかも、その犯人たちは冬の北岳に逃げ込み、それを追う山梨県警の捜査員に付き添い、山岳救助隊の夏美たち3人も北岳に入ることに…
    しかし、山では他の遭難も発生しており、犯人捜索のために北岳に入った夏実たちだったが、二手に分かれる。そこにはそれぞれに危険が迫っていた…
    前作のレビューでも書いたように、この作品でサスペンス物はそんなに読みたくないのだけど、今作のハラハラドキドキにはページをめくる手が止まらなくなってしまった。
    山岳救助隊になって5年が経ったのに、目の前で相棒が撃たれたことにより、シリーズ序盤の時の夏実の弱さが戻って来てしまったところも、ちょっと…と思ったけど、それ以上に山での危険との勝負に挑む静奈や深町がかっこよかった。
    てことは、このシリーズは山岳小説として読まずに、サスペンス小説として楽しみにしていくものなのかぁ。

  • 火山との対決の次は、雪山が相手。
    冬の北岳に向かった宝石店強盗グループを追って、山岳救助隊の星野夏実と神崎静奈が、二人の相棒(バディ)メイとバロンとともに。
    拳銃を所持する凶悪犯によって、次々に犠牲者が。
    北岳には、大学生二人組の山岳部員、単独行の登山者、それに犯人グループ。
    彼らに夏実や静奈が遭遇し、事態はより深刻な局面に。
    山岳部員たちのバットレスでの登攀と必死の撤退。冷酷な犯人たちとの対決、そして迫りくる雪崩の恐怖。
    夏実たちに次々と襲いかかる試練。
    手に汗握る展開は、K-9ファンにとっては応えられない。

  • 面白かったよ。
    女性が主人公だとよけいに面白いね。

    夏実が強くてすごいんじゃなく、かなり弱い。
    静奈は射撃の腕もよく、空手もできるので、もっと登場させて欲しかった様にも思うけれど、そうじゃないところがいいのかもしれないね。

    普通の山岳小説に刑事物の要素がプラスされて、小説だから色々な偶然が重なるけれども細かい描写で不自然さをなるべくださないようにされていて。

    中盤からは一気読みでした。

    この山岳+警察ジャンル面白いかも。また読もう。

  • 最低だと思った『ブロッケンの悪魔』よりは良かったです。ちゃんと山と人間ドラマで押し切って。

  • 2023.1 笹本稜平さんの山岳小説や警察小説と比べていいのかわからないけれど乱暴というか荒れ狂う描写の多い小説でした。読み物としてはまずまず面白かったけれど作りこみすぎの感もちょっとあったかな。

  • 宝石強盗の3人組。主犯格の1人は奥さんの手術費のために計画するがお金に換金する前に亡くなってしまう。警備員を殺した罪悪感も含めて宝石を持って思い出の北岳に登り自殺をはかる。北岳に登っていると知った共犯者2人は奪い返すために登っていく。夏実、静奈、深町は県警と協力して犯人逮捕のために北岳に行くがスムーズにいかない手に汗握る展開に引き込まれていく。山の専門用語はスルーしてしまうので知識はゼロのまま。ルートも詳しく書いてくれているのに登った事ないから流し読み。それでも内容が濃いからどっぷり浸かってしまう。

    静奈が自衛官と付き合って破局していたとは知らなかった。永友と付き合ってそこからドラマが生まれてほしいなぁ。

  • 南アルプス山岳救助隊Kー9 シリーズ。ちょっと自信ないけど、おそらく6作目
    山岳救助隊員も警察官である。山が冬季閉鎖中の間は、お巡りさんの仕事がある。
    そんな冬季にある事件が起きて…。いつものパターンとは少し違う側面から物語は進んで行きます。
    このシリーズはほんと、ノンストップで読ませるエンタメ性の高い作品ですね。
    夏実さんもいつの間にか30歳過ぎ。泣き虫はそろそろ卒業しないとね。

  • 邦画になりそうだが、
    大変すぎてならんやつだ!
    シーズンなので寒さを感じつつ読めた。
    まあ、どうせハッピーエンドだけど…
    多分共感覚関連で読むリストに入れたけど
    シリーズの途中からになったった。
    共感覚はあんまり関係なかった。
    まあ実際そんなもんだけど…

  • 外見は子供っぽいようだが、中身は違う。警察官として危険を顧みず、人を悪党から守り抜こうとする。いくつかの人間模様が山を舞台に繰り広げられた。結構なスリルをたくさん味会わせてくれたストーリー展開だった。

  • 南アルプス山岳救助隊K-9シリーズ。宝石店を襲った強盗犯達が冬の北岳に逃げ込んだ。崇高な自然、仲間や救助犬たちとの心の通い合い、そしてアクション…。真保裕一『ホワイトアウト』、笹本稜平の山岳シリーズのいいとこを合わせたような仕上がりにいつもながら感服。

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著者プロフィール

1960年山口県生まれ。明治学院大学卒業。雑誌記者を経て、87年に小説家デビュー。2008年『約束の地』で、第27回日本冒険小説協会大賞、第12回大藪春彦賞をダブル受賞。2013年刊行には『ミッドナイト・ラン!』で第2回エキナカ大賞を受賞。山岳救助犬の活躍を描く「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズの他、『狼は瞑らない』『光の山脈』『酔いどれ犬』『還らざる聖地』、エッセイ『北岳山小屋物語』『田舎暮らし毒本』などの著作がある。有害鳥獣対策犬ハンドラー資格取得。山梨県自然監視員。

「2022年 『南アルプス山岳救助隊K-9 それぞれの山』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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