トップリーグ

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 252
レビュー : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758413091

感想・レビュー・書評

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  • 相場英雄『トップリーグ』ハルキ文庫。

    大和新聞の松岡直樹と週刊新時代の酒井祐治の二人の記者を主人公にした政界ミステリー小説。タイトルの『トップリーグ』とは、総理大臣や官房長官、与党幹部に食い込んだごく一部の記者を指すらしい。

    池井戸潤の半沢直樹シリーズのような出来る男が主人公の一種のお仕事小説といった内容で、主人公の一人である松岡がいきなりトップリーグに登り詰める過程が面白い。また、あのロッキード事件を題材に、政界の闇を巧く描いており、終盤の畳み掛けるような展開は非常に読み応えがある。政治ミステリー小説というよりも、政治ホラー小説と言って良いくらいの怖さがあった。

    都内の埋立地で発見された1億5千万円の謎を追い掛ける酒井祐治は、次第に政界の闇へと足を踏み入れる。一方、酒井の同期の松岡直樹は政治部へ異動した直後に官房長官番となり、またたく間にトップリーグへと登り詰めるが……

    今月にはシリーズ第2弾が文庫化されるようだ。

    本体価格760円
    ★★★★★

  • 終盤にきての大展開。最後の最後は....そういうことになるんじゃないかと、思ってたw

  • この間 菅義偉が、安倍首相の長期政権を維持できたのか?
    「官邸主導」という 政治スタイル。
    そして、人事権を掌握して、官僚まで掌握する。
    記者会見のふてぶてしさ。
    嫌いな記者には、情報を与えない。
    その内実と内情が、よくわかったのがよかった。

    この物語は、実に 菅義偉とマスコミのコントロールの手法が、
    実に 明確に描写される。
    松岡という新聞記者と酒井という週刊誌記者が競い合う。
    二人は、新聞社の元同僚だった。

    松岡は、経済部から政治部へ。
    総理番から、ピンチヒッターで官房長官の懇談会に参加。
    松岡が質問することで、官房長官に気に入れられる。
    官房長官番となり、さらに 裏懇のメンバーにもなる。
    政府の首脳に直接 話ができるようになることを
    トップリーグという。

    酒井は、埋められていた金庫の中に札束があり、
    1億5千万円 入っていたことで、大きな事件にぶつかって行く。
    結構、スリリングな展開。

    普通の記者として 進むのか?
    トップリーグの記者として、かがやくのか?
    終わり方が、読者に どちらを選んだかを 想像させる。
    実に、巧みな 問題提起のある 作品である。

  • 経済部から政治部へと異動となった新聞記者の松岡は、瞬く間に「トップリーグ」と呼ばれる官房長官に食い込んだごく一握りの記者となる。一方、元同期で現在は週刊誌記者の酒井は、昭和史に残る一大疑獄事件の真相に迫るも、発表を前にして妨害工作に遭い瀕死の重症を負う。後を松岡に託すが・・・
    ロッキード事件をモチーフにしており、登場人物のネーミングは面白い。現在の政権トップや与党幹部など、すぐに思い浮ぶ顔もあり楽しめた。
    結局・・・気になるところだが。

  • トップリーグとは何ぞや?ロッキード事件をモチーフにした事件を中心に物語が進んでいき事件の真相が明らかになるなかで政府首脳と特別な立場になった番記者との魑魅魍魎なやり取りを描いている。題材が大きすぎてページが足りないように思う。政府首脳の攻撃を結果としてしか描いておらず、もっと過程を描いて欲しかった。最後の松岡の決断がすごく気になる!

  • 経済部から政治部に異動となった新聞記者・松岡はひょんなことから官房長官の阪の番記者となる。「トップリーグ」と呼ばれる官房長官に食い込んだごく一部の記者となった松岡だが、元同期の週刊誌記者酒井が掴んだ昭和の一大疑獄事件の真相に巻き込まれていく。
    登場する政治家が明らかに現政権の人物を彷彿させる中、「トップリーグ」という名の元での情報操作、情報統制が行われているとしたら恐ろしいなと感じさせられた。
    ラストは結末を明確にせず、読者の想像に委ねる形になっているのは少しもやっとしたが、決断を迫られた松岡がどちらの判断をしたのか?人それぞれ捉え方が変わってくると思った。

  • 新聞記者・報道記者のなかでも政権中枢に食い込み特ダネを掴む記者、それをトップリーグというらしい。
    本作ではまんまと官房長官の手のひらで踊らされるトップリーグの記者と、地道な取材で政権の暗部を暴こうとする在野の記者の2人を描く。

    内容はシンプルだが現在の政治状況とシンクロしている(と思われる)のが興味深い。

  • 書名からラグビーのトップリーグをテーマにしたものかな?と思っていたが、そうではなくて、政界のドロドロとしたお話。
    時の首相や官房長官に気に入られた数人の報道関係者のことを「誰それのトップリーグ」と言うらしい。
    内容もさることながら、登場人物のネーミングが現政権トップや現与党幹部をすぐに思い浮かべさせて面白い。

  • 相変わらず期待以上の物を出してくれる
    マスコミは、この作品をどう評価するのかな?

  • ロッキード事件をモチーフとしたミステリー小説。

    先に読んだ「罪の声」のグリコ・森永事件とは異なり、事件自体は司法の判断もされたロッキード事件ですが、謎が多く残っている点もあり、作者はそこに着目して物語を膨らませた点が面白いです。
    自分もタイムリーにニュースなどでロッキード事件は見ていたのですが、大人になって改めて俯瞰してみると、確かに怪しい点が謎のまま残っていると感じます。
    ただ、P3Cに関しては、この作品ほど裏があるようには思えませんでしたが、この作品のようなストーリーもありだと思います。
    構成も、二人の記者視点から真相に迫っていくなど、ロッキード事件を知らない読者も理解しやすいようになっていると思います。
    ただ、ラストの問いかけに対しては、物語としての解を出してほしかったと思います。

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著者プロフィール

相場 英雄(あいば ひでお)
1967年新潟県生まれ。89年に時事通信社に入社。2005年『デフォルト 債務不履行』で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞しデビュー。
12年『震える牛』が話題となりベストセラーに。13年『血の轍』で第26回山本周五郎賞候補、および第16回大藪春彦賞候補。16年『ガラパゴス』が、17年『不発弾』が山本周五郎賞候補となる。

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