今日もお疲れさま パンとスープとネコ日和

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758413466

感想・レビュー・書評

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  • 「パンとスープとネコ日和」第5弾。
    小説にも、ハレとケがあると思う。
    この作品は、紛れもなくケ。日常のお話だ。
    日常は誰にでもあるけれど、まったく平坦…ということはない。
    ささやかながら悩みがあり、喉に魚の小骨が刺さったような心配事の一つや二つは抱えて生きているものなのだ。

    それにしても、アキコの生活範囲は狭い。
    ほとんどが店と自室。
    お店でのしまちゃんとの会話と、部屋での二匹のどすこいな雄猫たちとの場面が繰り返されるばかりである。
    時々、向かいの喫茶店のママさんが乱入する。

    しかし、時は流れていく。
    ずっとサンドイッチ用のパンを仕入れていたパン屋さんが、続けられなくなった。
    新しい出会いもあるのだけれど、ご縁が切れる方は寂しいものだ。
    今回はちょっと、消費税率変更詐欺みたいな奴が来て、こんな時に女だけの店では心細いなあ〜と思っていたら、喫茶店のママさんである!
    ママさん、頼りになる。
    人生色々だったらしい。
    いろいろ口うるさい事言ってくるなあと思ったこともあったけれど、ママさんの言うことは聞いておくべきだ、と今回思った。

    よく分からないのが、しまちゃんとシオちゃんのカップルで。
    同居はするけど籍入れない、とか、籍は入れるけど週末婚である、というのなら少しは聞いたことがあるけれど…
    籍も入れないし、一緒に住まない、彼が部屋に来るのも嫌って…
    それは結婚なのか?
    単なるお付き合いじゃないのか。
    他人が部屋にいるのは嫌、というのは分かる。
    超ド級のツンデレ?
    アキコはそんな二人が心配で、あれこれ気を回してしまう。
    読み終わるとちょっと寂しい。

    一つ、大切なこと。
    「無理をしない」

  • シリーズ第5弾。前作を読んでから少し間が空いていたので、読みながら思い出した。本作は、しまちゃんとシオちゃんの事実婚式が終わった後のお店のいろいろ。

    特に大きなことは起きないけど、私にとっては癒されたい時の定番の作者さん。今回もねこたちや美味しそうなパンの描写、しまちゃんのツンツンぶりが良かった。

  • アキコさん、しまちゃん、ママ、シオちゃん、みんな生きてたね、時は進んで行くんだね…という感じ。アキコさんの心情、よくわかる。
    今もみんな、何だかんだ生活しながら生きてるんだろうな~と思うと、ホッとする。
    また続き読みたい。

  • パンとスープとネコ日和シリーズ。

    しまちゃんはあいも変わらずシオちゃんには塩対応。
    アキコさんは、二匹のネコたちに癒されながらお店をやっています。

    が、今回は仕入れ先のパン屋さんがお仕事を続けられなくなり…しまちゃんが鬼の撹乱?で風邪をひいてお店に出られなくなった時には、アキコさん一人ではお店を続けるには体力的に無理だと痛感し…縁のある住職が鬼籍に入ったりと、普段と変わらない日常でも変わらざるを得ない時の流れを感じました。

    人生をがむしゃらにがんばるのも大事だけど、少し適当にゆったりするのも大事で、細く長くって悪くない。

  • パンとスープとネコ日和シリーズ第五弾。前作ではしまちゃんのシオちゃんへの対応があまりにも塩対応過ぎて心配になりましたが、どうしてしまちゃんがシオちゃんにそんなに厳しくするのか理由が今回書いてあって、なるほど、これが割れ鍋に閉じ蓋という良い例なのか…!と納得するところがあって、それからはハラハラしないで2人を見守る気持ちになれました。アキコとどすこい兄弟のたいちゃんとろんちゃんの触れ合いの場面は描写が細かくてユーモアたっぷり。群ようこさんの猫への愛情とか観察力とかを改めて感じました。ものすごい事件や進展があるわけではないけれど、少しずつ周りも変わる中で、身近な人達との心の触れ合いを大切にして日々を「今日もお疲れさま」という気持ちで生きていく様子がとても暖かくて元気が出ました。

  • 時間が経っている感じがいいな。近所にいるように感じてしまう物語。

  • ほっと、ひと息つきませんか?滋味深いスープと美味しいサンドイッチと優しいもてなしで。アキコとしまちゃんは、いろいろありながらも、お店を元気に営業中!(時々お休みしています)。

    しまちゃんとシオちゃん夫妻の夫婦漫才っぷりが面白い。邪険に扱われるシオちゃんが可哀想に思えるけど、これも夫婦のちょうどいいバランスなのかもなー。
    ほっとひと息つけるお話でした。

  • シリーズ第5弾。
    大きな出来事はないけれど
    日常を大切に暮らしているのが感じられる。
    しまちゃんとシオちゃんは
    きっといい組合せなんだろうけど
    なぜ彼にだけそこまで頑ななのか。
    作者の理想像なのか。
    ママさんの付かず離れずのおせっかいが好き。
    [図書館.初読.4月2日読了]

  • 何気ない日々の中でも、アキコさんにも小さな変化が。
    仕入れ先のパン屋さんの休業、血が繋がっていたかもしれない住職の死などの出来事が起こりながらも、日常は過ぎていく。
    これらの話の箸休め的にどすこい兄弟が出てくるが、ちょっと描写が単調になっている気も。
    自分がネコを飼ったことがないので、あまりイメージもつかないが、いつも鳴いてご飯とマッサージをねだるだけというのも…あまりネコの描写が差し込まれてる意味がない気もする。まぁ、何気ない日常の幸せとはこんな感じなのかもしれないけれど。

  • 第5弾だよな。。。
    パン屋の仕入れ先を検討したり、お店を持つとは大変なこと。どれくらいの儲けになっているのだろう。
    アサコさんもお店もしまちゃんも大好きなんだけれど、しまちゃんのシオちゃんへの対応だけは胸が痛む(T-T)

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著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2023年 『老いとお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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