おいしくて泣くとき

著者 :
  • 角川春樹事務所
4.28
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本棚登録 : 1347
感想 : 136
  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758413503

作品紹介・あらすじ

貧困家庭の子どもたちに無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』。
その店のオーナーの息子、中学生の心也は、「こども飯」を食べにくる幼馴染の夕花が気になっていた。
7月のある日、心也と夕花は面倒な学級新聞の編集委員を押し付けられたことから距離が近づき、そして、ある事件に巻き込まれ……。
遠い海辺の町へと逃亡した二人の中学生の恋心と葛藤。無力な子どもたちをとりまく大人たちの深い想い。
“子ども食堂”を舞台に、今年いちばん温かくて幸せな奇跡が起こる! 
決して色褪せることのない人生の「美味しい奇跡」を描いた希望の物語。

感想・レビュー・書評

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  • フォロワーさんの方々のレビューを先に拝見していて、子供に食事を無料で提供する、子供食堂の話だという先入観があって、(他もレビューにあったと思うのですが忘れていました)まさかこんな展開をするとは思ってもみなかったので驚きました。
    よかったです。みんな幸せになれて。

    子供食堂を経営する家の中学生の息子の心也と、子供食堂に食べにくる幼なじみの夕花と隣のクラスの石村。
    <偽善者のムスコ>と呼ばれる心也も嫌だろうけど、多感な中学生の時期にタダでご飯を食べて<ビンボー野郎>と言われる石村もつらいだろうなと思いました。

    夕花が義父に暴力を受けて、逃れるために心也と一日だけの逃避行をして二人で電車で海辺へ行って一晩歩くところが一番せつないところでした。
    心根の優しい心也と、可愛くて勉強のできる夕花。
    二人の永遠の別れののところでは「ええっ!これで終わりなの!」と思ってしまいました。
    夕花の出世払いで、いつか本当に、銀座でお寿司が二人で食べられたらよかったのにと思いました。



    以下ネタバレですが。
    ハッピーエンドです。
    読了して、なんで気が付かなかったのだろうと思いました。
    銀座のお寿司より嬉しかったかもしれません。
    みんな幸せでよかったです。

    • くるたんさん
      まことさん♪おはようございます♪

      これは見事な構成、読後感でしたよね〜(●︎´ω`●︎)
      森沢作品の中でも上位にきます♪
      まことさん♪おはようございます♪

      これは見事な構成、読後感でしたよね〜(●︎´ω`●︎)
      森沢作品の中でも上位にきます♪
      2020/08/19
    • まことさん
      くるたんさん♪おはようございます。

      そうですね。なんでゆり子がでてくるのか最初さっぱりわかりませんでしたが、こういうことだったんだ!!...
      くるたんさん♪おはようございます。

      そうですね。なんでゆり子がでてくるのか最初さっぱりわかりませんでしたが、こういうことだったんだ!!と思いました。
      森沢作品、まだ初心者ですが、これからも読んでいこうと思います(*^^*)
      2020/08/19
  • たっぷりのせた鰹節が踊る焼うどんが食べたくなりました。子供のようで大人の入り口中三の夏、心也と夕花の海辺への逃避行。父の耕平は息子を信じてたところに、深い絆を感じました。
    ほっこり、じんわり、優しいお話。と思えば、現実社会の問題も抱えていて、ラスト、ゆり子さんが結びついた。夕花の心情に添うと、健気で痛々しくてやるせない。今は安心という時間が無くても、心が折れっぱなしでも、ずっと先には、あれを乗り越えたから今が幸せ、と思える日が来る。
    「こども飯」を偽善と呼ばれてしまう葛藤。
    大切なのは自分の意思で判断しながら生きているかどうか。自分を顧み、つくづく染みる言葉でした。耕平さんが格好いい。
    夕花とは、あっけなく引っ越しでそれっきり。現実はそういうものだな。こういう再会もありかなと思う。

    食べてくれた人が美味しいって言ってくれたらもっともっと好きになる。母の夢であった「こども飯」、ここに結び付くとほんと泣ける。

  • 貧困家庭の子どもたちに無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』。
    その店のオーナーの息子、中学生の心也は、
    「こども飯」を食べにくる幼馴染の夕花が気になっていた。
    7月のある日、心也と夕花は面倒な学級新聞の編集委員を押し付けられたことから距離が近づき、
    そして、ある事件に巻き込まれ…。

    一部の人には「偽善」と陰口を叩かれながらも、貧困家庭の子供達に
    無料で食事を提供する「大衆食堂かざま」
    一人息子の心也は「偽善者のムスコ」と言われ悔しく辛い重いをしていた。
    心也の幼馴染でこども飯にご飯を食べに来ている夕花は、学校でいじめられ
    家では働かない義父から虐待を受けていた。
    心也はそんな夕花が気がかりだった。
    そして、もう一つのこども飯をしている「カフェレストラン・ミナミ」のお話が並行して進んでいく。
    「カフェレストラン・ミナミ」は、事故でトラックがお店に突っ込んできて大破。
    途方にくれているマスターとママの元に突然隣県の工務店から電話がかかってくる…。

    15歳の心也と夕花の無力さに胸が痛かった。
    虐待する呑んだくれた夕花の義父が憎くて憎くて仕方なかった。
    心也は無力な自分をとても責めていたが、幸せは学歴や収入で決まるのではなく、
    自分の意志で判断しながら生きているかどうかっていう亡き母親の言葉を、
    しっかり胸に刻んで育ってきたから、優しくて温かくてそして強い。
    素晴らしいよ~♪
    心也のお父さんが、またとっても素晴らしい人だった。良いなぁ。

    途中でもしかして…と思いました。
    こんな風にここまでリンクしているとは………。
    何度もウルウルして読んでいましたが、最後は涙腺崩壊しました。
    貧困家庭に虐めに虐待…。
    とっても重いテーマですが、優しさ溢れる筆力で描いてくれました。
    こども食堂大切ですね!
    やはり、胸がじんわりと温かくなりました。
    ここ最近の森沢さんの作品の中では一番良いなぁって思いました。

    桔梗の花を逆さにしたようなちょっと風変わりな形の風鈴。
    エミリのおじいちゃんの風鈴だ~

    • ひとしさん
      しのさんこんばんは♫
      私も『おいしくて泣くとき』読みました。
      スゴく良かったです!
      自分も中学生の頃に戻って読ませていただきました。
      ...
      しのさんこんばんは♫
      私も『おいしくて泣くとき』読みました。
      スゴく良かったです!
      自分も中学生の頃に戻って読ませていただきました。
      森沢明夫さん最高ですよね!
      これからも読者が幸せになれる物語を描いていってほしいですね(o^^o)
      2020/08/16
    • しのさん
      ひとしさんコメントありがとうございます(〃'▽'〃)
      レビュー拝見させて頂きました。
      凄く良かったですよね~♪
      私も森沢さん大・大・...
      ひとしさんコメントありがとうございます(〃'▽'〃)
      レビュー拝見させて頂きました。
      凄く良かったですよね~♪
      私も森沢さん大・大・大好きです。
      本当にこれからも心が温かくなって癒されて幸せになれる物語を描いていて欲しいって思っています。
      2020/08/23
  • 幼なじみの心也と夕花、そして隣のクラスのワルの石村。
    中学三年生の三人。
    みんな抱えているものがあるけれど、自分の力ではどうにもできない。なぜなら子どもだから。15歳にもなれば頭では色々考えられるけれど、やはりまだ親の庇護下にあってそこから抜け出せない。そしてそんな友だちを助けてあげることもできない。
    でも友だちのために戦ったり勇気を出してその場から逃げたり、今の状況を変えようともがく。
    そんな15歳の少年少女の三人。
    「人の幸せってのは、学歴や収入で決まるんじゃなくて、むしろ『自分の意思で判断しながら生きているかどうか』に左右される」
    ワルの石村の大人になった姿も見たかったな。きっといいヤツになってると思うんだけど。
    優しさにあふれた作品でした。

  • 温かさと涙に包まれた、一冊。

    こども食堂をベースに描かれていく物語。

    森沢作品にはハンカチが必須。

    今回も随所で涙腺はゆるんだけれど終盤は一気に涙腺崩壊だった。

    人って、あの時のあの瞬間があるからがんばれる、つらいことがあっても生きていけるのかもしれない。

    愛情はもちろんあの時のあの味、あの言葉はその人にとってはかけがえのない思い出、宝物。

    無力な子どもだったらなおさらだと思う。

    子供達が安心して食せる場所、増えて欲しいな。

    この物語の全姿を見せてもらった時に包まれた温かさと涙、たまらない。

    森沢マジックを感じた瞬間。

  • 自分の親がやってる食堂に
    無料でご飯を食べにくる同級生。
    色々物思う年代の中学生にとって
    食べるほうも 迎えるほうも
    複雑な気分になるよね。
    努力や忍耐 気遣いという
    人間の美しい部分が
    ちゃんと報われたのは
    とても嬉しい。

  • 恵まれない子供に食事を提供するこども飯を世間の冷ややかな目もある中、手出ししながら続けている「大衆食堂かざま」と「カフェレストラン・ミナミ」の話しが交互に進む♪
    「かざま」の中3 風間心也と幼馴染で家庭の事情により弟と時々食事に来る夕花の2人のちょっと切ない出逢いと突然の音信不通になった別れ。
    「ミナミ」のマスター夫妻の降って湧いたような大交通事故被害と店舗再建の苦労。
    この二つの物語が実に上手い具合いでハートウオーミングなエンディングを迎えるあったか〜い作品です。もちろんハンカチもご用意ください笑

  •  いやぁ、素晴らしい!森沢明夫さん。ホントに素敵な作家さんだなって思う。切なくて愛おしい素敵な物語。

     私は40を超えたオッチャンだけど、中学生の心也と夕花の淡い恋心とひと夏の冒険を、同じ年齢に戻ってドキドキワクワクしながら体験させてもらった。

     小学生の頃に母親を亡くした心也は父親と2人で暮らしている。父親は食堂を経営していて、貧困な家庭の子どもたちを対象に、無料で『こども飯』を提供していた。

     学級新聞の編集委員を押し付けられた心也と夕花。夕花も『こども飯』を食べに来る1人。学級新聞を通して徐々に距離が近づいていく2人。
     夏休み、夕花が義父に殴られているところに出会した心也は、「遠くに逃げたい」と言う夕花と思い出の海に行く・・・。

     この物語は、心也と夕花の章でそれぞれの目線で語られるが、途中から『ゆり子』の章が加わってくる。心也と夕花、それからゆり子の章が絡んだ時、感動が全身を包み込んだ。

     心也と夕花の中学時代を知っているからこそ、残念な気持ちがあったのも事実だが、これで良かったと思える素晴らしいラスト。
     森沢明夫さんにありがとうと言いたい。

     孤独のライオン石村も良かった。キャラクターが良かっただけに、もう少し心也との絡みを見たかったかな。

    • ひとしさん
      うさこさんこんばんは!
      丁寧なお返事ありがとうございます♫
      私のレビューのお邪魔なんて、そんなこと全くありませんよ!
      どうか、気になさ...
      うさこさんこんばんは!
      丁寧なお返事ありがとうございます♫
      私のレビューのお邪魔なんて、そんなこと全くありませんよ!
      どうか、気になさらずに(><)

      それより、闘病って、どうされたんですか??私はそれがスゴく心配です。
      もちろん、入り込ませたら嫌なこともあるでしょうから、言いたくないことはスルーしてくださいね!
      怖いこと言わないで、まだまだうさこさんの素敵なレビューを楽しみにしていますね!

      うさこさんもコロナに気をつけてお過ごしください(^ ^)
      2020/08/21
    • 杜のうさこさん
      ひとしさん、こんにちは♪

      ずっと失礼していたにもかかわらず、
      お優しいお言葉、ありがとうございます!
      かえってご心配おかけしてしま...
      ひとしさん、こんにちは♪

      ずっと失礼していたにもかかわらず、
      お優しいお言葉、ありがとうございます!
      かえってご心配おかけしてしまい、申し訳ありません<(_ _)>
      元々の持病もあるんですが…
      でも大丈夫です!

      それに久しぶりにブクログのお友だちとお話できて元気も出ました。

      はい、ありがとうございます!
      ゆっくり再開したいと思います。
      また仲良くしていただけると嬉しいです♪
      2020/08/22
    • ひとしさん
      うさこさんこんばんは♫

      いやいや、こちらこそよろしくお願いします!
      また仲良くしてください(^_−)−☆
      うさこさんこんばんは♫

      いやいや、こちらこそよろしくお願いします!
      また仲良くしてください(^_−)−☆
      2020/08/22
  • 小学生の時に母を亡くした15歳の心也と、幼なじみで、時々心也の父が開く"子ども食堂"にやってくる夕花、加えて、子ども食堂を提供する"カフェレストラン・ミナミ"のママさんこと、ゆり子がそれぞれ語る形で物語は進んでいく。
    ただ、ゆり子と中学生二人の接点がないまま、どう関係してくるのかと思いながら、読み進めていくと、なんと、ゆり子は、大人になった心也の妻で、カフェレストランのマスターが心也だった。

    心也と夕花は、中3の夏休みに、義父の暴力から逃げようとした夕花に付き合って一晩だけ、海辺の町で過ごす。翌日地元に戻った後、夕花はひっそり引っ越してしまう。
    その遠出のために心也が払ってくれたお金は"出世払い"で返す、と約束した夕花。
    一方、マスターとゆり子の店はトラックが店に突っ込む事故で、店を畳むしかないとまで考えていたが、そこにタカナシ工務店から、声がかかり・・・。

    前半は、子ども食堂を開く店主が"偽善者"などと中傷されるということを知ってショックを受けたり、家庭環境に恵まれない子どもたちの様子に苦しくなったりしたが、最後はすごく救われた気持ちになった。
    よい話だった~。

  • 二つの物語が並行して流れて最後繋がってハッピーエンド

    見事な構成と良い読後感です。
    そして、、、焼うどん作りたくなりました!笑

    ちょっと出来過ぎ感があるのと
    そこなんでそのまま逃避行するのっての
    が気になるので★すこし減らしました。

    人の幸せってのは、学歴や収入で決まるんじゃなくて、
    むしろ「自分の意志で判断しながら生きているかどうか」
    に左右される
    、、、そうですね、そう思います。

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著者プロフィール

◎森沢 明夫(もりさわ・あきお)小説家。1969年、千葉県生まれ。早稲田大学卒業。日韓でベストセラーとなった『虹の岬の喫茶店』が吉永小百合主演「ふしぎな岬の物語」として映画化された他、有村架純主演「夏美のホタル」、高倉健主演「あなたへ」「きらきら眼鏡」など、話題の映画やテレビドラマの原作を多く手がける。近著に『おいしくて泣くとき』(角川春樹事務所2020年)、『青い孤島』(双葉社2021年)などがある。

「2022年 『漫画 じわる哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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