おいしくて泣くとき

著者 :
  • 角川春樹事務所
4.32
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本棚登録 : 429
レビュー : 50
  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758413503

作品紹介・あらすじ

貧困家庭の子どもたちに無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』。
その店のオーナーの息子、中学生の心也は、「こども飯」を食べにくる幼馴染の夕花が気になっていた。
7月のある日、心也と夕花は面倒な学級新聞の編集委員を押し付けられたことから距離が近づき、そして、ある事件に巻き込まれ……。
遠い海辺の町へと逃亡した二人の中学生の恋心と葛藤。無力な子どもたちをとりまく大人たちの深い想い。
“子ども食堂”を舞台に、今年いちばん温かくて幸せな奇跡が起こる! 
決して色褪せることのない人生の「美味しい奇跡」を描いた希望の物語。

感想・レビュー・書評

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  • フォロワーさんの方々のレビューを先に拝見していて、子供に食事を無料で提供する、子供食堂の話だという先入観があって、(他もレビューにあったと思うのですが忘れていました)まさかこんな展開をするとは思ってもみなかったので驚きました。
    よかったです。みんな幸せになれて。

    子供食堂を経営する家の中学生の息子の心也と、子供食堂に食べにくる幼なじみの夕花と隣のクラスの石村。
    <偽善者のムスコ>と呼ばれる心也も嫌だろうけど、多感な中学生の時期にタダでご飯を食べて<ビンボー野郎>と言われる石村もつらいだろうなと思いました。

    夕花が義父に暴力を受けて、逃れるために心也と一日だけの逃避行をして二人で電車で海辺へ行って一晩歩くところが一番せつないところでした。
    心根の優しい心也と、可愛くて勉強のできる夕花。
    二人の永遠の別れののところでは「ええっ!これで終わりなの!」と思ってしまいました。
    夕花の出世払いで、いつか本当に、銀座でお寿司が二人で食べられたらよかったのにと思いました。



    以下ネタバレですが。
    ハッピーエンドです。
    読了して、なんで気が付かなかったのだろうと思いました。
    銀座のお寿司より嬉しかったかもしれません。
    みんな幸せでよかったです。

    • くるたんさん
      まことさん♪おはようございます♪

      これは見事な構成、読後感でしたよね〜(●︎´ω`●︎)
      森沢作品の中でも上位にきます♪
      まことさん♪おはようございます♪

      これは見事な構成、読後感でしたよね〜(●︎´ω`●︎)
      森沢作品の中でも上位にきます♪
      2020/08/19
    • まことさん
      くるたんさん♪おはようございます。

      そうですね。なんでゆり子がでてくるのか最初さっぱりわかりませんでしたが、こういうことだったんだ!!...
      くるたんさん♪おはようございます。

      そうですね。なんでゆり子がでてくるのか最初さっぱりわかりませんでしたが、こういうことだったんだ!!と思いました。
      森沢作品、まだ初心者ですが、これからも読んでいこうと思います(*^^*)
      2020/08/19
  • 大事に大事にゆっくり読もうと思ったのにドンドン引き込まれてついに読了してしまいました。どうしてこんな素敵な話書けるのでしょうか。二つの同時進行で進む話が最後の最後で、、もうまたしても落涙。切なさと甘酸っぱさと温かさと胸にどうしようもなく来るキューっとする想い。最後の最後までどうやったらこの2つの話が繋がるのかまるで分らなかったため、驚きの結末に思わず感動して涙が止まらなくなってしまいました。森沢さんの本は大好きで沢山読んできていますが、これはたまらないほど胸に込み上げてくる作品です。あぁもう一度読みたい。

  • 貧困家庭の子どもたちに無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』。
    その店のオーナーの息子、中学生の心也は、
    「こども飯」を食べにくる幼馴染の夕花が気になっていた。
    7月のある日、心也と夕花は面倒な学級新聞の編集委員を押し付けられたことから距離が近づき、
    そして、ある事件に巻き込まれ…。

    一部の人には「偽善」と陰口を叩かれながらも、貧困家庭の子供達に
    無料で食事を提供する「大衆食堂かざま」
    一人息子の心也は「偽善者のムスコ」と言われ悔しく辛い重いをしていた。
    心也の幼馴染でこども飯にご飯を食べに来ている夕花は、学校でいじめられ
    家では働かない義父から虐待を受けていた。
    心也はそんな夕花が気がかりだった。
    そして、もう一つのこども飯をしている「カフェレストラン・ミナミ」のお話が並行して進んでいく。
    「カフェレストラン・ミナミ」は、事故でトラックがお店に突っ込んできて大破。
    途方にくれているマスターとママの元に突然隣県の工務店から電話がかかってくる…。

    15歳の心也と夕花の無力さに胸が痛かった。
    虐待する呑んだくれた夕花の義父が憎くて憎くて仕方なかった。
    心也は無力な自分をとても責めていたが、幸せは学歴や収入で決まるのではなく、
    自分の意志で判断しながら生きているかどうかっていう亡き母親の言葉を、
    しっかり胸に刻んで育ってきたから、優しくて温かくてそして強い。
    素晴らしいよ~♪
    心也のお父さんが、またとっても素晴らしい人だった。良いなぁ。

    途中でもしかして…と思いました。
    こんな風にここまでリンクしているとは………。
    何度もウルウルして読んでいましたが、最後は涙腺崩壊しました。
    貧困家庭に虐めに虐待…。
    とっても重いテーマですが、優しさ溢れる筆力で描いてくれました。
    こども食堂大切ですね!
    やはり、胸がじんわりと温かくなりました。
    ここ最近の森沢さんの作品の中では一番良いなぁって思いました。

    桔梗の花を逆さにしたようなちょっと風変わりな形の風鈴。
    エミリのおじいちゃんの風鈴だ~

    • ひとしさん
      しのさんこんばんは♫
      私も『おいしくて泣くとき』読みました。
      スゴく良かったです!
      自分も中学生の頃に戻って読ませていただきました。
      ...
      しのさんこんばんは♫
      私も『おいしくて泣くとき』読みました。
      スゴく良かったです!
      自分も中学生の頃に戻って読ませていただきました。
      森沢明夫さん最高ですよね!
      これからも読者が幸せになれる物語を描いていってほしいですね(o^^o)
      2020/08/16
    • しのさん
      ひとしさんコメントありがとうございます(〃'▽'〃)
      レビュー拝見させて頂きました。
      凄く良かったですよね~♪
      私も森沢さん大・大・...
      ひとしさんコメントありがとうございます(〃'▽'〃)
      レビュー拝見させて頂きました。
      凄く良かったですよね~♪
      私も森沢さん大・大・大好きです。
      本当にこれからも心が温かくなって癒されて幸せになれる物語を描いていて欲しいって思っています。
      2020/08/23
  • 温かさと涙に包まれた、一冊。

    こども食堂をベースに描かれていく物語。

    森沢作品にはハンカチが必須。

    今回も随所で涙腺はゆるんだけれど終盤は一気に涙腺崩壊だった。

    人って、あの時のあの瞬間があるからがんばれる、つらいことがあっても生きていけるのかもしれない。

    愛情はもちろんあの時のあの味、あの言葉はその人にとってはかけがえのない思い出、宝物。

    無力な子どもだったらなおさらだと思う。

    子供達が安心して食せる場所、増えて欲しいな。

    この物語の全姿を見せてもらった時に包まれた温かさと涙、たまらない。

    森沢マジックを感じた瞬間。

  • 幼なじみの心也と夕花、そして隣のクラスのワルの石村。
    中学三年生の三人。
    みんな抱えているものがあるけれど、自分の力ではどうにもできない。なぜなら子どもだから。15歳にもなれば頭では色々考えられるけれど、やはりまだ親の庇護下にあってそこから抜け出せない。そしてそんな友だちを助けてあげることもできない。
    でも友だちのために戦ったり勇気を出してその場から逃げたり、今の状況を変えようともがく。
    そんな15歳の少年少女の三人。
    「人の幸せってのは、学歴や収入で決まるんじゃなくて、むしろ『自分の意思で判断しながら生きているかどうか』に左右される」
    ワルの石村の大人になった姿も見たかったな。きっといいヤツになってると思うんだけど。
    優しさにあふれた作品でした。

  •  いやぁ、素晴らしい!森沢明夫さん。ホントに素敵な作家さんだなって思う。切なくて愛おしい素敵な物語。

     私は40を超えたオッチャンだけど、中学生の心也と夕花の淡い恋心とひと夏の冒険を、同じ年齢に戻ってドキドキワクワクしながら体験させてもらった。

     小学生の頃に母親を亡くした心也は父親と2人で暮らしている。父親は食堂を経営していて、貧困な家庭の子どもたちを対象に、無料で『こども飯』を提供していた。

     学級新聞の編集委員を押し付けられた心也と夕花。夕花も『こども飯』を食べに来る1人。学級新聞を通して徐々に距離が近づいていく2人。
     夏休み、夕花が義父に殴られているところに出会した心也は、「遠くに逃げたい」と言う夕花と思い出の海に行く・・・。

     この物語は、心也と夕花の章でそれぞれの目線で語られるが、途中から『ゆり子』の章が加わってくる。心也と夕花、それからゆり子の章が絡んだ時、感動が全身を包み込んだ。

     心也と夕花の中学時代を知っているからこそ、残念な気持ちがあったのも事実だが、これで良かったと思える素晴らしいラスト。
     森沢明夫さんにありがとうと言いたい。

     孤独のライオン石村も良かった。キャラクターが良かっただけに、もう少し心也との絡みを見たかったかな。

    • ひとしさん
      うさこさんこんばんは!
      丁寧なお返事ありがとうございます♫
      私のレビューのお邪魔なんて、そんなこと全くありませんよ!
      どうか、気になさ...
      うさこさんこんばんは!
      丁寧なお返事ありがとうございます♫
      私のレビューのお邪魔なんて、そんなこと全くありませんよ!
      どうか、気になさらずに(><)

      それより、闘病って、どうされたんですか??私はそれがスゴく心配です。
      もちろん、入り込ませたら嫌なこともあるでしょうから、言いたくないことはスルーしてくださいね!
      怖いこと言わないで、まだまだうさこさんの素敵なレビューを楽しみにしていますね!

      うさこさんもコロナに気をつけてお過ごしください(^ ^)
      2020/08/21
    • 杜のうさこさん
      ひとしさん、こんにちは♪

      ずっと失礼していたにもかかわらず、
      お優しいお言葉、ありがとうございます!
      かえってご心配おかけしてしま...
      ひとしさん、こんにちは♪

      ずっと失礼していたにもかかわらず、
      お優しいお言葉、ありがとうございます!
      かえってご心配おかけしてしまい、申し訳ありません<(_ _)>
      元々の持病もあるんですが…
      でも大丈夫です!

      それに久しぶりにブクログのお友だちとお話できて元気も出ました。

      はい、ありがとうございます!
      ゆっくり再開したいと思います。
      また仲良くしていただけると嬉しいです♪
      2020/08/22
    • ひとしさん
      うさこさんこんばんは♫

      いやいや、こちらこそよろしくお願いします!
      また仲良くしてください(^_−)−☆
      うさこさんこんばんは♫

      いやいや、こちらこそよろしくお願いします!
      また仲良くしてください(^_−)−☆
      2020/08/22
  • 「大衆食堂かざま」と「カフェレストラン・ミナミ」の2つの子ども食堂を軸に物語は展開していく。2つの子ども食堂がどんな関係で物語は終わるのか?気になりながら我慢して読んでいくと、最後の最後に奇跡の展開が待ち受けていた。
    思わず涙が出る感動の物語でした。森沢さんの小説って心が洗われる。
    印象に残った文章
    ⒈ 人の幸せってのは、学歴や収入で決まるんじゃなくて、むしろ「自分の意思で判断しながら生きているかどうか」に左右されるんだって
    ⒉ あまりにも心が苦しくなったときは、深呼吸をするの
    ⒊ だって、主役は、最後に登場するものでしょ?

  • 小学生の時に母を亡くした15歳の心也と、幼なじみで、時々心也の父が開く"子ども食堂"にやってくる夕花、加えて、子ども食堂を提供する"カフェレストラン・ミナミ"のママさんこと、ゆり子がそれぞれ語る形で物語は進んでいく。
    ただ、ゆり子と中学生二人の接点がないまま、どう関係してくるのかと思いながら、読み進めていくと、なんと、ゆり子は、大人になった心也の妻で、カフェレストランのマスターが心也だった。

    心也と夕花は、中3の夏休みに、義父の暴力から逃げようとした夕花に付き合って一晩だけ、海辺の町で過ごす。翌日地元に戻った後、夕花はひっそり引っ越してしまう。
    その遠出のために心也が払ってくれたお金は"出世払い"で返す、と約束した夕花。
    一方、マスターとゆり子の店はトラックが店に突っ込む事故で、店を畳むしかないとまで考えていたが、そこにタカナシ工務店から、声がかかり・・・。

    前半は、子ども食堂を開く店主が"偽善者"などと中傷されるということを知ってショックを受けたり、家庭環境に恵まれない子どもたちの様子に苦しくなったりしたが、最後はすごく救われた気持ちになった。
    よい話だった~。

  • 自分が苦しんでいるとき、必ず誰か周りの人が支えてくれるということを教えられました。

    こども食堂を舞台にほっこりとした作品かなと思っていましたが、それとは裏腹に、読み進めていくと重い話が次々とやってきて、正直暗い気持ちになりました。しかしそれと同時に周りの人たちが支えていく希望のある方向へと進むので、応援したくなる気持ちにもなりました。一つ一つの文が的確に次の行動へと進むので、頭の中で想像しやすく読みやすかったです。気が付いたら、あっという間の量を読んでいたことに驚きでした。

    基本的には、3人(心也・夕花・ゆり子)の視点で物語は進みます。2人(心也と夕花)は同じ場面を交互に進行するのですが、もう1人は違う場所、違う場面で物語は進行していきます。後半まで2つの物語は、平行線を辿ったままなのですが、それが合わさった瞬間、大きな感動を生みます。なるほど、そうゆうことだったんだと思わず思ってしまいました。

    丁寧にデリケートに登場人物の心理描写が描かれていて、優しい空気感が漂っていました。
    読み終わった後に題名の「おいしくて泣くとき」という言葉を見直すと、ジーンと深く胸に突き刺さりました。

    ぜひ、最後には驚きの展開、感動が待ち受けているので、最後まで読んでみてください。

    焼うどん食べてみたくなりました。

  •  森沢明夫の作品はどれも温かい。そして、どれを読んでも涙腺を刺激する瞬間がいくつもある。本作もまさにそんな作品だ。子供の貧困や虐待・いじめなどの話は、正直、きついし、怒りや悲しみを覚えることが多い。森沢明夫の子供たちを見つめる視線はどこまでも温かい。そして、人間というものを信じている気持ちが伝わってくる。普通の幸せは誰にでも訪れる、生きていたら「いいこと」は必ずある。強い信念を持って、そういうメッセージを伝えているのだと感じる。もしかしたら「偽善」ととらえる人がいるかもしれないが、人がどう思うかは関係ない。まさに「自分の意志と判断」が重要ということだろう。大人は、大人としての責務を果たすべきであり、そのことに負い目も躊躇もない。物語を楽しむとともに、大人としての覚悟を問われるような素晴らしい作品だった。

    #おいしくて泣くとき #NetGalleyJP

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著者プロフィール

一九六九年千葉県生まれ。早稲田大学卒業。吉永小百合主演で話題となった『虹の岬の喫茶店』、高倉健主演の『あなたへ』、有村架純主演の『夏美のホタル』など多くの作品が映画化され、ベストセラーに。近著に『ぷくぷく』(小学館)、『おいしくて泣くとき』(角川春樹事務所)などがある。

「2020年 『雨上がりの川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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