おネコさま御一行 れんげ荘物語

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 731
感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758414142

作品紹介・あらすじ

早期退職したキョウコは、相変わらず古いアパート「れんげ荘」で暮らしています。
キョウコが愛してやまない近所の飼いネコ・ぶっちゃん。
キョウコの兄夫婦のところに、突然やって来たおネコさま御一行。
「れんげ荘」の住人・チユキさんの彼が飼いはじめたイヌのえんちゃん……。
無職でひとり身のキョウコは、将来に少々不安を感じながらも、ネコやイヌ、鳥や花や隣人とのお茶の時間、
図書館で借りた図鑑……などに気もちを和げてもらいながら、日常にささやかな喜びを見つけて生きていく――。

感想・レビュー・書評

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  • れんげ荘シリーズ、6作目。
    動物への愛情がたっぷり感じられる一冊。猫だけで無く犬も出てくる。
    猫が家に来ると、生活も自分の性格も一変して、家庭内も潤ったような感じになるの、分かりすぎる。
    兄夫婦やチユキさんとパートナーに起こった良い変化がすごくよく分かるし、犬や猫の描写もお上手で、目の前に光景が広がるようだった。

  • 「れんげ荘物語」第6弾。
    もう、第6弾!
    最初の頃は、有名広告代理店を退職したキョウコと、そういう生き方を許さない母親とのバトルとか、まだ若いのだから働いて税金を納めなさい!としつこく訪問してくる役所の職員とのバトルがあった。
    母親は亡くなり、役所との話も聞かない。
    キョウコの生活は安定してきたようである。
    ここ何年か私が読む、群ようこさんの作品は、「おひとりさま中年女性と猫」が多い。

    キョウコ自身は変わり映えのしない日常だが、周りの人たちに起こるあれこれで、考えさせられる。
    人と人との距離の取り方。
    相手は好意でしている事でも自分はとても迷惑だったり。
    都会と田舎、若者と老人との、人付き合いの距離の違い。

    人間は本当に面倒臭い。
    淡々と生きて死んでいく、生き物は立派。
    人間が一番バタバタして見苦しい、という登場人物の台詞は、自分も常々思っていた事だったから、大いに共感した。
    人間以外の生き物は、食べる分だけ狩りをする。
    けれど人間は、どこまでも利益を追求しようとするのだ。
    他の人の小説でもあった。
    どうしてあんなに目の色を変えて24時間、利益を求めていたのだろうかと。
    そういうことに嫌気が差して、「持たない暮らし」に行き着くわけだが・・・

    それは、「自分で実践してみたが疑問を感じて」という、中高年の悟りでる。
    若い人たちには、やはり、無謀と思われてもやりたいことを追求して欲しいと思う。

  • 気楽に読めて、猫だらけで(犬ととりもちょっと増えてきた)猫好きにはたまりませんね。
    疲れているときは群さんの小説に癒やされます。

  • 冒頭、チユキさんの事実婚パートナーが住む田舎での出来事について、チユキさんととキョウコが長々と「なんなんでしょうね~」「ね~」という感じで話し続けていたのには、「ネタ切れ?もうこのシリーズも終わりなのかな・・・」と思ったほどだった。
    キョウコは都会人なので(キョウコの日々のお散歩風景は非常に都会的である)、都会人の田舎ディスと言うか、田舎に住んだことのない人にとっての田舎の悪いイメージを集約したようなお話に、田舎者の私としては、なんとなくイライラしてしまった。

    後半は実家同居問題が一段落。奇しくもネコに救われたキョウコ。
    母が死んだから、実家に悪い気がなくなって「おネコさまご一行」が実家に現れた・・・というキョウコの妄想に、本当に実母が嫌いだったんだなぁと、キョウコがかわいそうになった。
    キョウコは過去の呪縛から逃れるように「れんげ荘」での暮らしを続けているけど、やはりキョウコにとっての呪縛は「元職場」と「実母」なのだ。
    れんげ荘での暮らしでのんびりしていても、ふとした時に嫌なことを思い出すことから、人間は逃れられないのかなぁ。
    私も、職場を退職してほぼ1年経ったけど、しんどかったときのことはどうしても忘れられない。職場を変えただけで同じ仕事をしているということもあるのだろうか。10年、20年経っても覚えていて「あの職場では~」とか、恨み言を言いたくないよ。

    チユキさんのパートナーのもとにはワンちゃん(えんちゃん)。
    キョウコの実家にはおネコさま御一行。
    急に動物の登場人物が増えたもんだから、次回作が出たときに「これ誰だっけ?」とならないように、備忘録として記しておこう。

    でもキョウコの心の恋人は相変わらずぶっちゃん。
    キョウコが「ぶっちゃんの飼い主が死んだら、飼い主の息子に「ぶっちゃんを引き取らせてほしい」と言いにいったらどうだろう?」と妄想しているのは、やばいなぁと思ったよ笑。
    女子小中学生が、好きな男子の親と私の親が再婚して一つ屋根の下に暮らすことになったらどうしよう?!と妄想するのに似てる(そんな妄想誰もしない?いや、ママレード・ボーイや彼氏彼女の事情で育った世代は一度は妄想したことあるはず・・・爆)。

  • 今回はぶっちゃんの出番がほとんどなくて残念だったなぁ。
    でもその代わり、おネコさま御一行もいるしヤンチャな仔犬も登場するし、みんな可愛くて可愛くてたまらんかった!
    ネコたちの仕草やまるで言葉がわかってるような鳴き声も良い。いや、きっと理解してると思う。
    文字を追ってるだけで、ほわ~んと優しい気分になりました♪

    『本当に動物の存在は、人間に幸せをもたらしてくれる』
    の一文に共感。

    私も早くキョウコさんみたいにのんびり暮らしたい。
    でも、まだまだ働かないといけないし、ストレスもある。
    だからせめて「れんげ荘物語」で心の平穏と癒しをもらおうと思います。

  • れんげ荘物語シリーズの最新刊。
    今回はおネコさま(おイヌさまも)中心に、ネコやイヌが居るといかに生活が潤って楽しいかが盛り沢山。ネコ好きにはたまらないかも。
    キョウコさんもネコをれんげ荘で飼ったりするのかなぁと今後の展開も楽しみ。

  • 『れんげ荘』シリーズ第6弾。
    そもそもこのお話は早期退職した主人公・キョウコが花や近所の猫を愛で、日々心穏やかに暮らすお話。
    それを踏まえると当たり前っちゃ当たり前かもしれないけど、登場人物たちの会話に中身がない。いや、そんな高尚な会話を読ませてくれなんてことは思わない。ただ、冒頭のキョウコとチユキの会話を読みながら、私は一体何を読んでいるんだろう…と途方に暮れた。
    このシリーズのまったりした空気感が好きだったけど、さすがに6冊目ともなるとついに苦痛に感じ始めたか、と自分自身驚き。
    チユキ語りで伝えられる田舎の話もなんか嫌だ。カーチェイス?そんなことある?さすがにこれは田舎の人たちに失礼では…。
    お話の終わりはお猫さまたちによって気持ちが浄化されたけれど、さすがにこのテンポで続けるのもそろそろ無理があるような…。
    シリーズが完結するのが先か、私がギブするのが先か…。そんなことを考えてしまう1冊だった。

  • 久々にれんげ荘物語を読んだら、平和な気持ちになれた。

    前作の5作目を読んだ後
    パンとスープとネコ日和を一気読みしたせいか
    頭の中で話が混ざってしまっていたので、7作目を読んだ後にもう一度1から読み返したい。笑

    群ようこさんの作品を読むとゆったりとした気持ちになれる。

  • なーんにも起らない平和で癒やされる。
    ただひとつ、山の移住者の玄関前に積まれていた石の意味がとても気になります(^^)

  • 今回も癒やされました。ネコやイヌがたくさん出てきてさらにほっこりさせられました。

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著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2023年 『老いとお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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