- Amazon.co.jp ・本
- / ISBN・EAN: 9784758414203
作品紹介・あらすじ
ひとりでも寂しくない。
私はもっと、強くなれる。
「あなたのご先祖様を調査いたします」
風子は、母と生き別れてから20年以上、野良猫のように暮らしてきた。
東京は谷中銀座の路地裏で、探偵事務所をひらいている。
「曾祖父を探してください」「先祖の霊のたたりかもしれないので、調べて」など様々な、先祖の調査依頼が舞い込む。
宮崎、岩手、沖縄……調査に赴いた旅先で美味しい料理を楽しみながら、マイペースで仕事をしている風子。
いつか、自らの母を探したいと思いながら――
大人気作家による「探偵小説」の傑作が、ここに誕生。
感想・レビュー・書評
-
オーディブルにて
今生きている人でなく先祖について調査する探偵・邑楽風子の活躍を描く短編集。
読み終わって、ストーリーよりも調査の旅先での美味しそうな食べ物の印象の方がなぜか頭に残っている。
食いしん坊の探偵さん笑
僕はあまり、自分の先祖には興味ないなぁ
♫涙そうそう/夏川りみ(2001)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
帆立さん、いやはやまた面白いところ見つけてきたな〜ってのが第一印象
『先祖探偵』とな
依頼を受けて依頼人の"戸籍"を調べ、その人のルーツを探っていく
"戸籍"関連のところに弁護士としての知識が活かされていて、非常に興味深い
"戸籍"にまつわる問題提起もされていて勉強にもなりました
郷土料理や土産物などの小技も混ぜ込んできて、むむむ、やるな帆立ちゃんと思ったりw
そうそう、そういえば子供の頃に自分の先祖を調べるっていう課題が出たときがあったのを思い出しましたよ
今考えると人によってはなかなか酷な課題ですよね
変なの出て来ちゃったり、特段なんにも出てこなかったりってすごい悲しいじゃんか
まぁ自分の場合も悲しいじゃんかパターンで、おそらく先祖代々農民だったぽいんですがね
ただ、日本人なんて普通の人が名字を持つようになったのってつい最近で、しかも結構適当に付けていて、なにかにあやかったりしてますから
調べるとだいたいどこかに同じ名字を持った武家がいたりするんですよね
なのでたまたま同じ名字だった縁もゆかりもない地方の武士を勝手に先祖認定してました
やっぱ代々農民より先祖武士のがカッコイイじゃーん
ご先祖様ごめんなさいm(_ _;)m-
2023/04/23
-
2023/04/23
-
2023/04/24
-
-
初めて読む作家さんだが、テンポよく読めて面白かった。
五歳の時に母と生き別れて以来、一人で生きてきた探偵・邑楽風子(名前は置き去りにされた町役場の職員に付けてもらったもの)。
先祖を調査するという、なかなかニッチな探偵業だがここにも風子の狙いがあった。人探しが目的の探偵業には当たらないため登録不要なのだ。
『野良猫みたいに暮らしてきた』風子が『自分の先祖を探す助けになるかもしれない』と始めた先祖探偵、なかなか興味深い。
彼女のキビキビした部分と思いやる部分とのバランスあるキャラクターもなかなか良かった。
一般人にとっては戸籍はあって当然のものだが、この作品を読むと、戸籍の曖昧さ危うさを感じる。
個人的には終戦直後の混乱期を舞台にしたミステリーで、戸籍の危うさを逆手に取ったなりすましなどの設定で戸籍の大切さを感じることはあるが、日常生活ではその存在など気にすることもない。
だが近代の戸籍制度が始まったのは明治時代、それより前を辿るとなるとどうするのか。歴史をたどるフィールドワークのようで面白い。
サブタイトルにもなっている「幽霊戸籍」「棄児戸籍」「焼失戸籍」「無戸籍」「棄民戸籍」というキーワードも勉強になった。
戦争によって起こったことも多いが、現代ではそうでない理由で無戸籍になる方もいる。
戸籍がないということの辛さ虚しさを改めて感じる部分もあった。
探偵業の話ではなるが、ミステリーというよりは人間ドラマのようでテンポよく読めるが深い話もあった。
憑きもののようなホラーめいたものもあれば、それこそ戸籍の危うさを逆手に取ったはなしもある。
逆にご先祖を辿ることで得られる絆もある。
終盤は風子本人の親探しの話になり、彼女自身のドラマが描かれる。
『孤独であることは、どだい無理なのかもしれない。人の縁の中でしか人は生まれないし、生まれた瞬間から人の縁に組み込まれる』
風子のご先祖探しは一応の決着を見せたわけだが、彼女の探偵業はまだ続くらしい。作品も続いて欲しい気もするが、さすがに戸籍の話だけで続編は厳しいか。 -
先祖探偵とは、初であり珍しい探偵じゃないか?と思わずにはいられない。
そして、期待を裏切らずに面白くてサクサク読めた。
1人で探偵事務所を立ち上げて、動き回わるのは邑楽風子。
彼女は、母と生き別れており、5歳のときに邑楽町役場の前に残された。
名前の記憶もないままに…。
それでなのか、自分のルーツを知ることに興味を持つということも相まっての先祖探偵。
キャラの良さも見事だが、全五話のどれも濃くて深い話である。
ルーツを辿るために地方に足を運ぶのだが、その風景も食事もさらりと盛り込んでいるのが、にくいほどで読む楽しみを倍増させる。
最終話では、邑楽風子自身のことがわかるという見事な着地。
戸籍についても丁寧に調べて、こんなにも複雑なのかと感じることをきっちり言及しているのには、さすがに凄いと感じた。
① 幽霊戸籍と町おこし
② 棄児戸籍と夏休みの宿題
③ 焼失戸籍とご先祖様の霊
④ 無戸籍と厄介な依頼者
⑤ 棄民戸籍とバナナの揚げ物
-
新川帆立さん4冊目。今までは弁護士の話だった。今回は探偵。それも戸籍謄本を取り寄せ、先祖をたどっていくという”先祖探偵“だ。
主人公、邑楽オウラ風子。
でも、この名前は本名ではない。それでも風子にはこの名前しかない。あの日
三十年前のまだ5才だった自分に、母はこう言った。「あんた、自分の名前を忘れなさい。お母さんの名前を聞かれても、自分の名前を聞かれても、分からない、と答えなさい」風子は素直に忘れてしまい、しばらくは泣いてばかりいた
母は、娘を役所の前に置き去りにした
何故忘れてしまったんだろう・・・・
風子は今でも思っている。
棄児戸籍という制度がある。
役所の職員に発見されて、風子はこの
戸籍が与えられた。名前はそこの市区町村長に命名権がある。邑楽町だったので
邑楽、風の子ということで、風子になったらしい。何とも安易な・・・・
でも、このような戸籍を赤ん坊の時に
取得している人は、この日本に悲しい話だがいるということを知った。
風子がこの探偵事務所を開いたのは、ただひとつ母を探したかった。
お客の先祖をたどりながら、自分の先祖も知りたいという思いがあった。
この本は、5話から成っている。
最初の話は、自分の先祖は武田信玄の重臣だ、調べて欲しい!という人が来る
武田は人気だからなぁ、と軽い気持ちでいると・・・・何と!
私が一番気に入ったのは、「焼失戸籍と
ご先祖様の霊」少年に変な霊が憑いている。調べてみると・・・・そして話を聞かせてくれたおばあさんの背後に・・・・
どれも良かったが、今までの帆立さんの本とは、大分趣が違っている。
憑依、霊などは面白く読めた。丁度今は夏だし、その手の類も嫌いではない。
帆立さん(^_^)/今度は、弁護士でもなく
公取委でもない、一味違う話を読んで
みたいと、この本を読んで思うように
なりました。
2022、8、26 読了-
アールグレイさん、
この作家さん、自分には合わないようです。
インパクトに欠ける東洋人物、予定調和。
うー--ん、今回で読み納めですな...アールグレイさん、
この作家さん、自分には合わないようです。
インパクトに欠ける東洋人物、予定調和。
うー--ん、今回で読み納めですな・・・2023/01/17 -
こんばんは★ポプラさん
ん~っ・・・・・そうですか(/_・、)
近々、新刊が出るそうです。短編集のようなのですが、令和の架空法律を題材にし...こんばんは★ポプラさん
ん~っ・・・・・そうですか(/_・、)
近々、新刊が出るそうです。短編集のようなのですが、令和の架空法律を題材にしているようです。まだ発売されていませんが、一応図書館にオネガイするつもりです。
流浪の月、何と言い表せばいいのか?・・・切ない?それ以外に言うとしたら?
いろいろ考えてしまいます
(v_v)2023/01/17 -
アールグレイさん、
おはよう!
新川作品、短編か~感想楽しみにしてるね。
流浪の月、自分は合わなかったから感想を控えます。
感想...アールグレイさん、
おはよう!
新川作品、短編か~感想楽しみにしてるね。
流浪の月、自分は合わなかったから感想を控えます。
感想UPされたら言いますね。
ではでは。2023/01/18
-
-
『元彼の遺言状』『競争の番人』に続き、またまたドラマ化されそうな本です。
ファミリーヒストリー、旅、食レポ、怪談、謎解き…。AIがテーマ設定したのかしら?と、思わせるほど、万人受けしそうなエンタメ作品でした。
意地の悪い言い方をしてしまいましたが、面白い作品でした‼️ -
初めての著者の作品です。
物語がサクサク進んでとても読みやすかったです。
実際には職業としてあまり需要はなさそうな戸籍専門の探偵ですが、専門用語も少なくわかりやすかったです。
先祖を追っていく過程で、自身の過去を見つめていった風子。
普段気にすることもない戸籍ですが、こんなに自身を確立させるために必要なものなのだと、改めて感じました。 -
主人公は、自分自身が何者かわからない。
高校を卒業したあと、五年間興信所でアルバイトをして生活していた。母との記憶だけが頼りだった。本名も母の名前も忘却の彼方になってしまった。だから「あなたの先祖を探します」という名目で、東京の谷中銀座から一本入った筋の二階建ての二階に探偵事務所を開業したのだ。
邑楽風子(主人公)は、二十年以上、野良猫みたいに暮らしてきた。本来の探偵業法に抵触しないから、免許は要らない。基本的に依頼があっても、人探しのために尾行や張込みをしない。
ある日、依頼人が舞い込んできた。
相談内容は、「親族を探したい」都内に住む大手商社に勤務する男性だった。「ひいじいさんを探してほしいのです」今年百十一歳になる男性らしい。(但、生存していれば)
勿論、会ったこともない人だ。依頼人は東京生まれで東京育ちだから…。
一枚の名刺を見せられた。「宮崎県日南市役所・地域振興課〇〇〇」も探しているということで、依頼者の元に訪ねてきたという。
通常、役所では直系尊属の戸籍謄本しか取得できません。もし養子がいる場合は、実親の戸籍謄本を取得できる。そこから血縁を辿っていくという地道な仕事。戸籍謄本は、最高で明治十九年の時点まで遡ることが出来る。戸籍を作っていればの話ですが、世の中には、幾多の事情で戸籍がない人もいらっしゃる。
前述の推定百十一歳の男性(甲斐三郎)は死亡届が出されていなかった。
所謂幽霊戸籍だった。それを知っている一人の人物が、謎の行動をとっていたこともわかった。宮崎県まで謎を追いかける旅に出る。
物語は五話の短編で、それぞれの戸籍にまつわる話が興味深くおもしろい。
最大の謎は、風子自身にいたる物語だった。
しかも、身寄りなどいないと思っていたのに風子を探している人物がいるという。
益々分からない。
風子は「遠い街・遠い海 夢はるか 一人旅」と彼女の旅は唄の歌詞の様だった。(「遠くへ行きたい」の歌詞より一部抜粋)
読書はたのしい。
著者プロフィール
新川帆立の作品





