茜唄 (上)

  • 角川春樹事務所 (2023年3月15日発売)
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本棚登録 : 1062
感想 : 115
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  • 本 ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758414395

作品紹介・あらすじ

これは、生命(いのち)の唄。
これは、家族の唄。
これは、愛の唄。
直木賞作家・今村翔吾が魂をこめて描く、熱き血潮の流れる真「平家物語」!

歴史とは、勝者が紡ぐもの――
では、何故『平家物語』は「敗者」の名が題されているのか?
『平家物語』が如何にして生まれ、何を託されたか、
平清盛最愛の子・知盛の生涯を通じて、その謎を感動的に描き切る。
平家全盛から滅亡まで、その最前線で戦い続けた知将が望んだ未来とは。
平清盛、木曽義仲、源頼朝、源義経……時代を創った綺羅星の如き者たち、
善きも悪きもそのままに――そのすべて。

生きるとは何か、今、平家物語に問う――著者

感想・レビュー・書評

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  • 正直、この作品を読むまで、源平の戦いは然程興味がなく、歴史の授業で学んだくらいの知識だったが、さすがの今村翔吾さん。魅力的な登場人物が次々と登場し、引き込まれるように上巻を読み終えた。
    清盛の頼朝を生かしておいた解釈も、後白河法皇のキャラがグッと際立つもので、とても面白かった。
    今のところの推しは教経だが、平家滅亡に抗うような奮闘ぶりに期待して、読み進めたい。 ★4.0

  • 武士、貴族、天皇、上皇。それらの勢力が複雑に入り乱れた時代。
    驕れる平家は久しからず。
    覇を独占していた平家が、清盛死後、衰退していく。
    福原遷都、京都還都、そして、平氏の都落ち、木曽義仲の入京。
    上巻では、
    相国最愛の子『平知盛』を中心に、木曾軍を完敗させた「水島の戦い」までを描く。

    聞き覚えの無い人も、沢山登場するので、名前が覚えられず、相関図を書いたメモを片手に読むので、時間がかかる。

    狡猾な後白河法皇が、どうしても、西田敏行氏と被るのは、2年前の大河の影響か?

  • 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。 奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。

    『平家物語』か!!
    今度そこ来たか!!

    うーん、それにしても今村翔吾さんのエンタメ技量の高さよ
    歴史小説の一番の弱点は言わずもがな誰もが結末を知っているってところにあると思うんです
    しかも歴史に詳しい読者を相手にすると、かなり細部まで調べて提示したところで「うん、知ってる」で終わりです
    そこをまぁ表現であったり、新たな解釈であったりというところで驚きを提供するわけですよね

    しかし、さすが今村翔吾さん、それらに加えて
    本筋のところから近からず遠からずのところに「謎」を置いているんですよね
    誰もが知ってる歴史なのに「謎解き」が用意されてるんですなぁ
    これはもうワクワクしちゃうよね〜
    ドキドキしちゃうよね〜

    そんなワクドキを抱えて
    いよいよ頼朝、義経登場の下巻へ!

    • みんみんさん
      あ〜あれだ!お市と娘達?
      メロマサも大変だな(°▽°)
      あ〜あれだ!お市と娘達?
      メロマサも大変だな(°▽°)
      2023/05/10
    • おびのりさん
      クローゼットに隠しているのは、私です。
      ひまわりめーろんさんは、良いお父さんだねえ。
      良い夫でもあるんだね。
      なんだかねえ。
      クローゼットに隠しているのは、私です。
      ひまわりめーろんさんは、良いお父さんだねえ。
      良い夫でもあるんだね。
      なんだかねえ。
      2023/05/10
    • みんみんさん
      おびさんが朝からやさぐれてる( ̄▽ ̄)
      おびさんが朝からやさぐれてる( ̄▽ ̄)
      2023/05/10
  • 昨年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を観ていたお陰でとても読みやすかった。あのドラマの裏側で、平家もこんな苦難に陥っていたのか。

    平家一門の最高権力者・平清盛が平家にとっていかに光り輝く存在であったか、その偉大さを改めて思い知る。あまりの存在の大きさ故に、後に残された者たちの苦悩は計り知れない。
    その平清盛が最も愛した息子、とされる平知盛目線の、シン『平家物語』。
    平知盛の人としての器の大きさや強さ優しさといった、漢としての魅力が十二分に書き綴られた渾身の作品。今作も今村節が冴えわたる。

    「平家にあらずんば人にあらず」
    有名なこのセリフに称される通り、当時の平家は公家をも蹴散らすほどやりたい放題で、日ノ本中の人々から忌み嫌われているものと思っていた。
    けれど、やはり当然ながら平家一門も"人の子"。人としての温かみや優しさも兼ね備えていた。

    歴史上の結末を知っている者の一人としては、やりきれない想いが…。特に安徳天皇が出てくる度に切なくなる。今のうちに早く逃げてー!と何度も叫びたくなった。

    「公家というものは、世が大きく変わるのを妨げる生き物」
    武家を意のままに翻弄する公家。その公家の頂点に鎮座する後白河法皇。
    平家の真の敵は源氏なのか、それとも。

    いよいよ下巻。そろそろ源氏のあの漢が出てきて大暴れするんだろうな。下巻の顛末を思うと胸が苦しくなる。
    漢たちが激しくアツくぶつかり合い、そして華々しく散り行く様はいかに…。
    激動の時代を一心に突き進む平家の生き様、しかと見届けたい。

  • 新解釈平家物語といった趣き
    平知盛主役の物語
    色白長身イケメン知盛とゴリマッチョ教経がいい感じのコンビである
    西仏に伝授する語り部は誰なのか?

    まだ戦闘怪物義経は出てこない!
    刮目して待て下巻

  • 今まで平家物語に馴染みがなかったけど、それぞれのキャラクターが魅力的で面白かった。
    下巻が楽しみです。

  • 源平合戦を平氏の側から見たストーリー。
    話は2つの時間軸に分かれて進みます。一つ目は源氏の世になってから平家物語が生まれる瞬間。平氏の語り部から琵琶法師が話を受け継ぎます。二つ目は源平合戦の只中。平家の公達、知盛を主人公に話は進みます。

    歴史は好きなのですが、源氏の側から見ることがほとんどだったので、平氏の側から見るのが新鮮でした。歴史では平氏は敗者にあたるわけですが、こうして平家物語が語り継がれたり落武者伝説など各地に残っていることから単純に驕って嫌われて源氏に滅ぼされたというものでもないのだと思い直しました。ただの嫌われ者ならこうして後世に名を残さないでしょうから。つくづく歴史は勝者のものなのだと思い知らされます。

    上巻は屋島の戦いの前くらいで終わってますが、この先の暗い結末を思うと下巻を手に取るのに少々ためらいがありますが、平氏の語り部は誰なのか?誰かわからない感じで書かれているので、この辺りに何かしら伏線があるのかと思うと読みたくもあり。

  • 今一度の一冊。

    平家物語を今一度、今村さんが鮮やかに目の前に差し出してくれた気がする。

    行く末を知っているだけに、平家が改めてどんな路を辿って行ったのか、侘しさを感じながらゆっくり紐解く感覚で読めた。

    物語を背負っているのは平清盛の最愛の息子、平知盛。

    宗盛までしか大河ドラマでは印象にないだけに知盛を知りたい気にさせられるのがたまらない。

    源氏、水面下で渦巻く後白河法皇の思惑、それらに対する知盛の胸の内が父から汲み取った想いが手に取るように伝わってくる。

    木曾義仲、源義経、連なる名前が鎌倉殿ロスにもうれしい。下巻へ。

  • きれいな作品です。戦を扱っているはずなのに…。

  • 直木賞作家の今村さんが描く平家物語とあれば読まないわけにはいかない。西仏という僧が平家物語作成に関わっていたとする説に基づいていて、平家側生き残りの誰かが西仏に平家の盛衰を語り(唄い)伝えるという形で物語は進む。上巻は清盛が没する少し前から水島の戦いまで。清盛四男・知盛の視点というのが目新しく、口伝しているのが誰かという興味とともに下巻へ。

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著者プロフィール

1984年京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。’18年『童の神』が第160回直木賞候補に。’20年『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞。同年『じんかん』が第163回直木賞候補に。’21年「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第六回吉川英治文庫賞を受賞。22年『塞王の楯』で第166回直木賞を受賞。他の著書に、「イクサガミ」シリーズ、「くらまし屋稼業」シリーズ、『ひゃっか! 全国高校生花いけバトル』『てらこや青義堂 師匠、走る』『幸村を討て』『蹴れ、彦五郎』『湖上の空』『茜唄』(上・下)などがある。

「2023年 『イクサガミ 地』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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