団地メシ!

  • 角川春樹事務所 (2025年4月15日発売)
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本棚登録 : 317
感想 : 4
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  • 本 ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758414807

作品紹介・あらすじ

ベストセラー『じい散歩』『団地のふたり』(ドラマでも評判!)の著者による、人生が愛おしくなる団地と散歩の物語!
「ゆっくりでいいよ、わたしはいつも花の味方だよ」
16歳の花は高校になじめず、ずっと休んでいる。
そんなある日、母方のおばあちゃんのゆり(70歳)から、むかし住んでいた「つつじが丘の団地に行ってみたい」と言われ――
そこからふたり(たまにいとこも参戦)は、つつじヶ丘、狛江、豊洲……といろいろな団地をのんびりめぐって、お寿司、蕎麦、カレー、ケーキ、ラムネなどおいしい御飯やスイーツを楽しむことに。
花&ゆりの年の差コンビが、お互いを思いやりながら、ちいさな幸せをみつけていく。

感想・レビュー・書評

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  • ほっこりの一言に尽きるような作品。
    『団地のふたり』の藤野千夜さんによる、都内の団地に入居、または、団地周辺にある飲食店やカフェを巡る話。おばあちゃんと高校不登校の孫の花で、月1回のペースを目安に行ってみたい場所を一緒に訪れる。実在の団地とお店なのだと思うが、都内にも色々な団地があって穴場的なお店がこんなにたくさんあるのかとわくわくした。出てくる食べ物の描写も美味しそう。平日の散歩番組を見ているような、本当に日常の何気ない一部を切り取ったお話。それでもおばあちゃんの懐の大きい優しさ、花のおばあちゃんへの思いやりやこの先についてちょっとだけ不安に思う気持ちなどに心を動かされた。不登校であることを特別視することなく、自然体で花に接する周囲の人たちも素敵だった。あるがままで日常の幸せを慈しむことが充実した人生につながる気がした。

  • 月に一度行く大型書店平積みになっていて、ポップを見ると自宅近くの団地がいくつか登場するようなので、何も考えずに購入。

    ストーリーは、高校に馴染めず不登校(後に退学)の女の子「花」と、花の母方の祖母「ゆりちゃん」が、あちこちの団地を散歩しておいしいものを食べる、それだけ(^ ^; 実に何も起こらない。もちろん、登場するのは二人だけではなく、花の両親や従兄妹、ゆりちゃんのお友達なども絡んではくるが、基本的には団地を散歩しておいしいもの食べる。それだけ(^ ^;

    何の事件も起きないし、劇的な変化や成長も無い、実にのんびりした平和な話。読み終わった後「面白いか」と問われると、正直どうだか良く分からない(^ ^; が、読んでる間中不思議な心地良さに包まれて、ページを繰る手を止められない。団地や食べたものの描写がゆったりと丁寧で、自分も一緒に散歩しているような気持ちになる。

    何とも「不思議な魅力」のある一冊である(^^

  • 高校になじめず休んでいる16歳の花は、おばあちゃんと、
    いろいろな団地をのんびりめぐって、お寿司、蕎麦、
    カレー、ケーキ、ラムネなど、おいしい御飯や
    スイーツを楽しむことに…。

  • ご飯と家族の温かさを感じられる物語。
    どの話も魅力的なご飯がでてきてホッとしました。
    近隣の地名がたくさんでてきて読んでいてとても楽しかったです。
    特に神代団地の手紙舎さんは、個人的に訪れたこともあるのであそこね!と思い出しながら読んでいました。逆に行ったことのないお店は気になって行ってみたくなっているところです。

    そして団地巡りはもちろん、花とおばあちゃんと、家族との関係性にも暖かさを感じました。
    花の決めたことを真っ向から否定するのではなく、つかず離れずな距離感で見守ってくれる両親。おばあちゃんと花は、のんびり素直な雰囲気が伝わってきてほっこりしました。
    個人的は従兄弟も兄弟もいないので、花と従兄弟たちの仲の良さが素敵だなと憧れもしました。
    そんな花とおばあちゃんと従兄弟たちでカフェを開くのか…?!もう続きが楽しみな作品でした!

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著者プロフィール

1962年福岡県生まれ。千葉大学教育学部卒。95年「午後の時間割」で第14回海燕新人文学賞、98年『おしゃべり怪談』で第20回野間文芸新人賞、2000年『夏の約束』で第122回芥川賞を受賞。その他の著書に『ルート225』『中等部超能力戦争』『D菩薩峠漫研夏合宿』『編集ども集まれ!』などがある。『じい散歩』シリーズは続巻含めた累計20万部を超えるヒットとなった。本書の第一弾『団地のふたり』はテレビドラマ化し話題に。

「2024年 『また団地のふたり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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