天草御所浦殺人事件 (ハルキノベルス こ 2-6)

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  • 角川春樹事務所
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758420266

感想・レビュー・書評

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  • 当時はぶっきん(トラフグ)の消毒にホルマリンが実際に使用されており、海洋汚染も含め問題視されていた時期でした。主人公の刑事の名前がイマイチだが、三角港から御所浦港に向かう描写は地元出身にとっては里ごころが付く一冊です。

  • 木谷恭介の第124作。<BR>
    <BR>
    今囘の作品は「木谷工房」によるものではなく、木谷恭介100%の作品。<BR>
    もともと一昨年に刊行豫告をされてゐた作品なのだが、作者の調子が惡かつたのか、刊行が2年も遲れた。<BR>
    ご高齡な作者であるだけに心配である。<BR>
    <BR>
    さて、内容について。<BR>
    トラフグの養殖にホルマリンが使用されてゐるといふことは「美味しんぼ」で讀んで知つてゐたが、そのお蔭で眞珠の養殖が潰滅的な打撃を受けてゐるとは知らなかつた。<BR>
    眞珠貝が軒竝み死んでしまふのだが、死んだ貝が腐らないのだといふ。<BR>
    そんな海で育てられたトラフグを人間が食べて大丈夫だとはとうてい思へないのだが・・・<BR>
    それでも農林水産省はホルマリンの使用を禁止してゐないといふのだから、驚きである。<BR>
    <BR>
    主人公はお馴染の宮之原警部と、今囘は懷かしい「鬼平」こと大鷹鬼平が登場する。<BR>
    事件の背景には上記のやうな事情があるのだが、最後まで眞相はわからない。<BR>
    正直に云つて、今囘の作品は「推理小説」ではない。<BR>
    材料をすべて讀者に提供して事件の全容を讀者に推理させてくれるといふ醍醐味はない。<BR>
    むしろ、社會問題を考へさせてくれるといふ、實用的な側面が印象に殘つた。<BR>
    あとは宮之原警部の活躍をわくわくしながら讀む、それがこの作品の樂しみ方である。<BR>
    <BR>
    2004年10月18日讀了

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著者プロフィール

1927年、大阪生まれ。私立甲陽学園卒。浅草の劇団「新風俗」、「三木トリロー文芸部」などを経て、ルポライターとして活躍。1977年頃より風俗営業の女性を題材とした小説で一躍注目を浴び、その後『赤い霧の殺人行』で旅情ミステリーの分野に進出。近年は宮之原警部が活躍するシリーズが人気を得ている。2012年に逝去。(2013年7月18日現在)

「2013年 『京都呪い寺殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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