流れる砂 (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 144
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (642ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758430135

感想・レビュー・書評

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  • 何度読み返したことか、素晴らしい。同僚=戦友を失ったソベジマの悲しみがすごく切実でよい。嘆き、怒り、一矢報いるシーン。初登場の赤ら顔のデブという個性を生かしきっている。著者の筆が冴え渡る。コミカルだからこそ、嘆きは悲しく、怒りは純粋で、一矢報いるシーンは感涙。
    シリーズ通して格闘シーンがヘタクソなのは仕方ない、やってる人ではないから。そこももはや愛おしいと思えるまでの熱心なファンである。
    市政の歪みに切り込む構図は敵が大きくてロマンチックかつダイナミック。そして玉木や横山といったうねはらコミュニティーが各々の反目しあいながらも機能する気持ち良さ。戦隊ヒーローものみたいな爽快感がある。
    さえかちゃんが少しずつ生意気になり、大人になりつつあるのも愛おしい。



  • 私立探偵畝原シリーズ第二弾。
    本書の単行本が発行されたのが99年。
    オウム真理教、パナウェーブ研究所、林真須美のヒ素カレー事件が思い出される。
    出版された年に読んでいたら、さぞ不気味だったことだろう。

    最初の依頼のマンションの一室で、良からぬことが起こっているようなので、その調査から物語は始まる。
    その後、新興宗教から保険金殺人へと。

    悪の根源はなく、悪の臭いを持つ者同士が互いに弱みを握り合いながら、より悪事に麻痺し溺れて行く様が実に人間臭い。
    毎度、長編にもかかわらず、場面運びは秀逸だ。
    しかし、最後のオチの仄暗さは何度も言い表し難い。タイトルの通り。

  • 近野が…
    彼と引き換えにしただけの価値ある傑作と思えます。
    一気に読ませたなあ。
    ハードボイルドの主人公は、スーパーマンであるよりも、畝原みたいに弱味がいっぱいあってズタボロになっても、立ち上がる様がいいと思う。

  • ご当地モノにはついつい手が出てしまいますよね(笑)。
    東氏作品は札幌が舞台。なもんで、私には外せない作家の一人なのであります。
    だけど、なかなか(古本では・・)手に入らないんですよね・・・東氏作品。
    なので東氏作品はまだ2冊目です。
    読み始めた頃は内容的に薄いかも・・・と懸念しました。
    序章がちょっと長く、イマイチかなぁ~って。
    ちょっと我慢して読んでいたら、いろいろな要素が絡み合い、事件も大きくなり面白くなってきます。
    でも、謎の新興宗教を結びつけるまではしなくてよかったのでは?とも思いました。
    そこの部分が浅く感じるからです。
    それはそれで、違う物語ができるんじゃないかなぁ~と思うのですが。
    私立探偵の畝原はいい味をだしていますね~。
    畝原モノでは本書が2作目のようです。
    やっぱりちゃんと1作目から読まないとなぁ。
    もっと登場人物たちの関係がわかり、もっともっと面白くなるから。
    時々でてくる北海道弁。なんか微笑ましく思えます(笑)

  • 2014.5.30ー38
    女子高生を部屋へ連れ込む市の職員に対する苦情から始まり、親子心中、生活保護の不正請求、保険金詐欺、公益法人の無駄遣い・天下り、新興宗教に至るまで問題が複雑に絡む。探偵畝原シリーズ。

  • 畝原シリーズ第二作。

    長いけれど、一気に読めてしまった。
    生活保護の問題って、この本みたいにもっと昔からあったのだろうか。

    著者の作品を読んできて思うのは、
    嫌な奴や、いわゆる世間一般の枠からはみ出た人を
    書くのが非常にうまいということ。
    決して巨悪ではないのだが。

    どの事件もばらばらで関連が無い。
    真相もばらばらな事件がちょっとずつ重なり合って、
    一つの大きな事件に見えてしまう。そんな感じの内容。

    一つの不正を隠すためにまた別の不正をし、
    一つの殺しを隠すためにまた別の殺しをする。

  • 区役所の不良職員の事件が根が深いというか、ねじれきっているというか、関係者がろくでもない人間ばかりというよりも、今の人間がろくでもない人間が多いということなんでしょうね。畝原と姉川の距離が徐々に縮んでいくのが良いですね

  • 探偵畝原氏、第2弾。
    盛り沢山な内容で、
    最初のどうしようもない公務員のことを忘れそうになったよ。
    新興宗教に保険金詐欺、
    リアルで、リアルすぎてもう・・・怖っ。

    犯人が誰なのか、真相はどうなのか
    読みながら、もう後これだけしかページがないのに
    どうやって終わらせるよ、って感じ。

    飽きさせないのはお見事。

    人って怖いけれど、
    人に助けられていることも事実。
    生活するって大変だ。

  • 畝原シリーズ二作目。
    久々に読む手を止められない作品でした。
    事件の発端は女子高生相手の卑猥な商売をしている奴がいる、
    だったのに、話がグルリと展開していきます。

    生活保護の不正受給とかも出てくるので
    あまりに現在のニュースで話題になってることと
    タイミングが良過ぎて笑えました。

  • 探偵畝原#2。
    おかしな表現だけど、安心できるハードボイルド。

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プロフィール

一九五六年札幌生まれ。本郷幼稚園中退、本郷小学校卒、東白石中学校卒、札幌東高等学校卒、小樽商科大学中退、北海道大学文学部哲学科中退。
現場作業員、ポスター貼り、調査員、ガードマン、トラック助手、編集者、広告営業、コピーライター、受刑者など諸職を転々。
一九九二年『探偵はバーにいる』(早川書房)で小説家としてデビュー。同作は、一九九三年『怪の会』激賞新人賞受賞。
二〇〇一年『残光』(角川春樹事務所)で日本推理作家協会賞受賞。

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