菊葉荘の幽霊たち (ハルキ文庫 か 8-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 277
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758430401

感想・レビュー・書評

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  • 知らない人の後をついていって、その人の生活に入り込むという設定が面白く、引き込まれる作品でした。最後はなんとなく物足りなかったかな。

  • どうでもいいけど「ハルキ文庫」ってすごいネーミングだなあ。ものすごい自己顕示欲な気がする。

    それはともかく。行き場の無い若者の「居場所」を求める話。物理的な「部屋」「場所」を求める吉元・蓼科たちと、精神的な「居場所」を求める主人公との対比が印象的だった。しかし物理的な場所を求めるのは吉元の場合の菊葉荘であったり、蓼科の場合の「布団」であったり、たくさんの人間が所属する大学であったりと、比較的見つかり易い。

    ところが「わたし」が求める精神的な居場所は結局は見つからないまま。恋愛・友人・過去・未来・宗教・・・さまざまな精神的な「居場所」の可能性を持った人々が「わたし」のまわりに現れるが、ひとつとして「わたし」の「居場所」にはならない。最後に空き部屋に帰属してしまうのは、「居場所」は見つからない、ということを示唆しているのではないかと感じた。

    そういう意味で考えると、おそらく今の若者の不安を切り取ろうとした作品といえるのかもしれない。でもその不安は結局どこから来るのか。失業?景気の悪さ?それとも若者特有のものなのか?そのへんがいまいち印象に残らなかったのは、ちょっとすっきりしなかった。

  • 軽く読めば良い。

  • 住みたいアパートの住人を追い出す!?そんなこと考え付くのがおもしろい。

  • 人生なんてどうでもいいって、思ってしまうこの本はすごく恐い本。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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