カラミティナイト 3 (ハルキ文庫 た 11-3 ヌーヴェルSFシリーズ)
- 角川春樹事務所 (2004年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758430678
感想・レビュー・書評
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この巻で未完という先入観込みの感想
この話はヒロイン男に対してヒーローが2人
ヒロイン女に対してヒーローが2人いる構造を基本に
「黒騎士物語」という
敵しかおらず対等の友達も仲間もいない主人公を書きたい場面だけ描いた物語が
話の筋になるヒロイックファンタジーだが
作中現実に半端ファンタジーが通用しないため
半リアルヒロイックファンタジーとして働き
ヒーロー達(当然美由紀と優子に明瞭)はヒーローとして機能せず
ゆえに両ヒロインもまたしかるべくして現実的にぐずぐずへたれる
という話を作者は書きたいと思うのだが
と読んだだけで作者がどういうつもりで書いているか
本当のところは読者に関係ないのだが
その中途半端さが中途半端である
現実という敵側「も」中途半端なので
ファンタジー的キャラクターを与えられた主人公側が引き立たない
そして両陣営がぐずぐずする間にカラミティナイトは来り得ない
そして夜も騎士も来り得ないなら黒騎士物語も終わらない詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「慟哭の三十人衆」がこれからも忍に近しい美由紀への襲撃をしかけてくるのではないかと考えた智美たちは、美由紀を守る作戦を考えます。美由紀に事情を説明し、彼女を「騎士」にしてしまえばよいと主張する優子に対して、彼女を危険にさらすことはできないと考える智美は、自分が美由紀を護衛すると主張します。
ところが美由紀は、毎日のように自分をストーキングしている智美を不審に思い、友人の御堂凛とともに智美を問いただします。どうにか美由紀たちの追求をかわした智美は、今度はランスロットに変身し、忍のふりをして美由紀を護衛することに決めます。
美由紀は忍とのよりを戻すことができるのではないかと期待を抱く一方、彼の恋人だという優子の存在にプレッシャーを感じていました。そしてついに忍は、美由紀にすべてを話すことを決断します。ところがその日、美由紀に想いを寄せる真島光太郎が、本物の忍が毎日優子と会っていることを知って、美由紀を迎えにきたランスロットの姿の智美にくってかかります。そんな光太郎に美由紀は怒りを爆発させ、動転したランスロットは智美の姿にもどってしまいます。そこへ「慟哭の三十人衆」の3人が現われ、智美は美由紀を守りながら彼らと戦うことになります。
分量のわりにストーリーがなかなか動かないことにイライラさせられてしまいました。キャラクターの設定は悪くないし、智美の執筆する『黒騎士物語』という作中作が本編のストーリーと密接に絡み合うというのもおもしろいのですが、ストーリーに停滞感を覚えてしまいます。