遺書 (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 49
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758431064

作品紹介・あらすじ

"僕は、身体とそれに伴う精神の死について、いちばん好きな言葉があります。高村光太郎の詩の中の「死ねば死にきり 自然は水際立っている」という言葉です。(中略)僕は、人間の身心の死はこれでいいのではないかと思います"と語る著者が、「死」「国家」「教育」「家族」「文学」について、そして自らの人生を回想して根源的に考察する魂の一書。

感想・レビュー・書評

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  • 2012.04.04 文章のいたるところから、知識の豊富さと洞察の深さ、そして経験の豊かさがひしひしと感じとれる。圧巻だ。本当に安定感がある。吉本隆明様。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

  • 評価は、私の読解力によるところも含む。
    細かいけれど、序盤の反粒子や前世・来世のところは「ん?」となってしまった。私の読解力の無さから「向こう側からみる」というのはよくわからない。総中流社会でいまの国家や社会が終わるというのは、そうなったと思う。
    「自分が進んでやろうと思ったことしか身につかない」は同意。それ以外は根拠がなく読まなくてよいと感じた。

    家族の項は、筆者に課題の認識がなく、それゆえ解決案もない。

    自分のいる場所に大衆の課題を繰り入れるというのは、震災の際に芸術家の果たした役割を頭に浮かべながら読んだ。

  • 先日五つ星をつけた対談選とはまた違った良さで五つ星.吉本隆明の良さを一言で言うと,「そういう風に考えたんじゃ事態は打開できないんだぜ,こういう風な物事の考え方が必要なんだぜ」ということをすぱーんと指摘してくれる心地よさ,なのだ.で,1960年代から80年代にかけては,それがちょっと「そこまでいう必要あるの??」というところまでいってしまって,読んでいてちょっと倦怠感が生じてしまうのだけれど,90年代の著書は肩から力が抜けた感じで,気楽に読める.そして彼の本のおもしろさの核は失われていない.この本は特に誰にでも興味があるテーマを扱っているという点においてかなり良いと思う.オススメ.

  • 難しい感想はおいといて。
    こんなおじさんが身近にいたらいいなーと吉本さんの文章を読むといつも思うのであった。
    二人の村上を軸に据えて現代文学を語れるというのは常々思っていたことだけに納得。
    遺書だけに、様々なことに触れられているが故に散漫な印象もなくはなく。その分気軽に読めるので、逆に良いのかも。

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著者プロフィール

1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。2012年3月16日逝去。

「2018年 『吉本隆明全集 第16巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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