旨いものはうまい (グルメ文庫 よ 1-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758431385

感想・レビュー・書評

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  • 20151011 読み終わるのにかなり時間がかかったのは一度読み疲れて止めてしまったからだ。何となく美味いものに対する考え方が合わなく感じたのが原因。時間を置いて又読み始めた時には前の時より共感できるようになっていた。自分の食べ物に対する考え方が変わったからかもしれない。

  • 今日はこれから飲みに行くので、酒の話を読んでも心穏やかでいられる。いいことだw

  • 昔は情報が少なかった上、移動にもカネと時間がかかった。だから、ボンボンでなければ発信できないネタというのがあった。

    海外の食や酒はその代表格だろう。

    外交官だった父親(吉田茂!)について、少年期に欧州に住んだ著者はボンボン中のボンボンだ。本書に登場するネタからは、国内の事情にも精通していた様子がうかがえる。

    だいぶ昔のエッセイながら、「今もそう!」と共感できるエピソードが多数ある。さすがは食・酒のエッセイの名手だ(本業は文芸評論家、英文学翻訳家、小説家だったようだけれど)。

    例えば、マグロのくだり。

    「これを関東のものと言つてよさそうなのは他所で殆ど鮪のことを聞かず、どうかして鮪に出会っても関東のもの程の味がしないからである」

    関西以西、とくに九州は現代でもおいしいマグロに出会うことはマレだ。興味がない→マグロに高い金を払わない→いいものが入らない、の流れなのかも。ソバと同様に東高西低の印象がある。。。


    外来語に音引き(ー)を使わず、「マアマレエド」「バタ」「ベエコン」…などと書く人はめっきり減ってしまったが(先日亡くなった鴨下信一さんくらいまでか)、文章にというか視覚的にポテっとした風合いが出て何とも良い感じだ。使いこなせないけど。

  • すごく楽しみで、読むのをとっていた吉田健一の本でしたが、読んだタイミングが悪かった。
    細かな雑事に追われてゆっくり文章を楽しむ余裕が私の方になくって、もったいないことをしました。
    再読の時はもっと落ち着いて、ゆったり構えて読もうと思います。
    吉田健一の隠し玉もまだあるし。

    本人は人から”偉い人”と目されるのが嫌で、ごくごく一般的な庶民を装っているけれど、幼い頃から好きなものをふんだんに食べることができた彼は、空腹であることが嫌いだし、酒が飲めないなんてえのはもっと嫌い。
    アメリカに行ってくれと依頼されたときも、日当が一日三食が十分賄える金額と聞いて断る。
    誰がシラフで日々を過ごせるか!存分に酒が飲める金額じゃないなら断る、と。

    日々忙しく外で働く男性陣のために、たまに家にいるときは一日六食主義を採用すべきである。
    なんておっしゃる健一氏は、今の世ならば即離婚ですな。
    朝食を早めに食べて、10時に食べて、昼食を食べて、三時のおやつ(鱒鮨とかローストビーフを食わせろと言っているが)を食べて、晩ご飯を食べて、夜食を食べる。
    なぜ太らん、吉田健一。

    ”お上品はいいことだというのが疑問で、古今東西、現在から未来に掛けてまで、お上品が他人に愉快な印象を与へるといふことはあり得ない。これは自分に対する気どりにすぎない”
    お坊ちゃん育ちのくせに、さらっとこういうことを言うところが好きさ。
    だからたくさん食わせろと言っているのだが。

    あと、初出の年が書いていないので、いつの文章かわからないけれど、マグロが美味しいと褒めている。
    江戸時代は下魚だった。
    今でもそれほどのごちそうになってはいないらしいが、上等な牛肉に近いくらいうまいと絶賛。
    もしかして、今のマグロ礼賛の風潮は、吉田健一が作ったのか?と思ったり。

    大多数に迎合しない。
    自分に素直。
    だけど下品でないところが、実に愉快。
    いつもいつも酒を飲んでいるけれど、文章が明晰なところを尊敬。

  • 長期海外出張では必ず持っていく。
    何回も読んだな。こういう食べ物エッセイってくどい人が書くと嫌みなもんだけどこれはあっさりしていて読んでいて楽しい。

  • 酒をあまり呑まないので、酒の辺りは流し読みしたが、日本と外国の差は面白かった。戦中戦後の頃が書かれているが、現在の食を見たらどんなふうに書かれただろうか。

  • 大輔に貸出中

  • 旅のお供に欠かせない本であります。
    機内でまたは、列車内でこの本を読みつつ、さて今夜は何を食って、何を飲んでやろうか、思わせる本であります。

  • 食べものと、食べることへの愛に満ち満ちた文章だらけのエッセイ集。何処の何がどうのこうのというよりも、その背景や、食べる時の情景など、読んでいてとにかく実際にその場の空気や匂いまで想像できる、そんな文章です。美味いものを、いざ口にする直前の心持ちまで妄想できるので、空腹時に読むのは厳禁です。

  • うまいものはうまい!という題名通りの著者の熱い思いが伝わってくる一冊です。高級なお店、庶民的なお店に線をひかず、フラットな目線で考えたまさに題名通りのグルメ本だと思いました。自分もどちらかというと、高級なお店よりも、B級グルメのような庶民的な味が好きなので、なんか親近感がわきました。自分はまだ未成年でお酒が飲めないのですが、この本にはお酒の肴の話も出てくるので、ちょっと大人の本だなと思いました。

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著者プロフィール

1950年生まれ
出生地 和歌山県東牟婁郡串本町大島
大阪芸術大学卒業
投稿詩誌等:大学同人誌「尖峰」「詩芸術」「PANDORA」
      わかやま詩人会議「青い風」

「2022年 『砂宇宙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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