城盗り藤吉郎 (ハルキ文庫 お 10-1 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758431590

感想・レビュー・書評

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  • 永禄六年から十年、小牧に移転した後、美濃攻略の為にあれこれと奔走する藤吉郎と、その周囲の人々の活躍をオリジナルキャラクターをまじえて描いた小説です。

    毎回毎回、岡田さんの書かれる武将たちの魅力には驚かされるばかりなのですが今回もびっくりし通しでした!そして面白い!

    岡田さんの藤吉郎こと秀吉の描かれ方が好きです。
    明るくて快活で、人の心に機敏で、なにより繊細な藤吉郎。
    そんな藤吉郎の破天荒な振る舞いになんだかんだいって付き合ってあげている小六や小一郎も良い感じ!です。
    色々言いつつも結局みんな藤吉郎のこと大好きだよね!みたいな。わかるよわかるよ〜!!
    「内蔵介ボコろーぜ!」といきり立つ小一郎たちを「そんなの関係ないぜ!」と一喝する藤吉郎マジ男前!!
    そして、その後の小一郎と藤吉郎のやりとり、藤吉郎の過去に対しての独白には更に惚れ直しました。

    武将として更なる飛躍を目指すか、今の地位に安寧して静かな半生を過ごすか、揺れ動く藤吉郎の心情も気になるところ。
    天狗岩のエピソードがさりげなく最後のほうに入れ込まれてにやにやしてしまいました。

    あと!竹中半兵衛ファンとしては(いい意味で)性格の悪い岡田半兵衛をご覧あれ!です。
    諸作品に見られるもの静かで穏やかな半兵衛とはまた違った特色というか魅力がありました。

    悪役の美濃斉藤家の長井忠左衛門の狂気を帯びた迫力と、藤吉郎を亡き者にしようとするなりふり構わない行動にはゾクゾク。

    最初から最後まで一気に読み進められる作品だと思います。

  • 信長勢による美濃攻略が膠着し、小牧に首府を移転させた年、足軽頭・木下藤吉郎は、生涯の賭けに出ようとしていた。小兵のため、戦で手柄を挙げることができぬ藤吉郎は、槍をもたぬ戦いを自ら選んだのだ。次々と東美濃の豪族たちを取り込み、手柄を立てる藤吉郎。だが、その活躍ぶりは、敵はおろか味方からの思わぬ陥穽を呼ぶことに…。幾度も信長の怒りを買いつつ、稀代の軍師・竹中半兵衛と出逢った藤吉郎は、ついに城盗りに乗り出す。傑作書き下ろし時代長篇。

    2010.3.12読了

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