銀のなえし―鎌倉河岸捕物控 (ハルキ文庫 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 150
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758431613

作品紹介・あらすじ

"銀のなえし"-ある事件の解決と、政次の金座裏との養子縁組を祝って贈られた捕物用の武器だ。宗五郎の金流しの十手とともに江戸の新名物となる、と周囲が騒ぐのをよそに冷静に自分の行く先を見つめる政次。そう、町にはびこる悪はあとを絶つことはないのだ。亮吉・常丸、そして船頭の彦四郎らとともに、ここかしこに頻発する犯罪を今日も追い続ける政次たちの活躍を描く大好評シリーズ第八弾。

感想・レビュー・書評

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  • 政次が跡継ぎとして存在感を増していく。

  • 鎌倉河岸シリーズ8巻

    金ながしの十手に並ぶ名物になるか?
    いつの間にか(笑)10代目の披露もして
    若親分となった政次が大きな事件を解決
    なんと、正月の商いの荷が船ごと取られ
    大店が売る品がない事態に陥る
    面目をなくしては店をたたむことに!

    短期間で解決したお礼に山科屋が
    先祖が江戸に出る際に持参した由緒ある
    「銀のなえし」
    ※鍵手のない十手のような護身武器


    金の十手と並ぶ金座裏の新名物登場!

  • 同じ長屋で生まれ育った3人の若者、呉服屋の手代・政次、船頭の彦四郎、金座裏の下っぴき亮吉と、彼らがほのかに慕っている豊島屋に働くしほの、ほのぼのとした仲のよさが捕物帳にはめずらしく、かわいらしくて、読み始めたシリーズだが、2巻の「政次奔る」から、完全に虜になってしまった。

    知恵も腕っぷしもきく政次が、金座裏の宗五郎とおみつの養子になったときは、先輩格の亮吉との関係が複雑だなあと気になっていたが、亮吉の欲のない人の良さに救われて、8巻目も気持ちよく、江戸の人情を楽しんだ。
    今回は5話の組み立てだが、第5話目の八山勝負が好きだ。
    その中で、政次が通う剣術道場の若い門弟たちが、鎌倉河岸を訪れる話があるが、門弟たちはみんな武士の子弟。嫡男もいるが、まだ家督がゆずられたわけではないので、町人たちよりいっそ質素だし、格式ばった中で育っているので、町人街にくるのが楽しみで楽しみでならない。町人たちの自由な雰囲気の中で1日を過ごす門弟たちの無邪気さがかわいい。
    この若い門弟たちは、しほが働く酒問屋豊島屋の居酒屋に足をふみいれたものの中で飲み食いする界隈の職人や駕篭かき、中間小物たちの活気に気圧され黙り込んでしまうほど、初々しい。

    そういえば、ひとつおもしろい情報をいただいた。
    しほが働く鎌倉河岸の酒問屋豊島屋は、場所は違うが現存するらしい。「山なれば富士、白酒なれば豊島屋」といわれて「江戸の草分け白酒」で有名な、豊島屋本店さんの始まりが鎌倉河岸の豊島屋とのこと。
    物語により近づけるうれしいうんちく。

  • 第8作・後先になった~浅草で仏壇屋の荷船が古着の荷船に化けていて,小間物屋の山科屋も同様の手口で初売りの荷を奪われ,浪速の悪たれが犯人と突き止め,荒れ狂う海には逃げられないと風が止むのを待って捕縛すると,初代が京から下ってくるのに持ってきた銀のなえしと金銀びらびら簪を跡取りに贈った。簪は,しほの髪を飾り,政次は将軍のお目通りも叶い,絶好調だが,家を出た悪たれどもの捕縛には苦労する~次を読んでしまって,その先が詰まっているから急いで読んだ。なえしとは相手を萎えさせる武器のこと

  • 気が付くともう8弾。
    政次に銀のなえしが事件の解決のお礼にと贈られ、そのなえしの使い方と共に成長しています。
    政次が金座裏に来てからはすっかり政次中心のお話のような??
    幼なじみの2人も活躍中です。

  • 初版本

  • 同じく鎌倉河岸シリーズ。

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著者プロフィール

佐伯 泰英(さえき やすひで)
1942年福岡県北九州市八幡西区生まれの小説家、写真家。日本大学藝術学部映画学科卒。当初は冒険小説や国際謀略小説を中心としたミステリー小説を執筆していたがヒットに恵まれず、編集者からの勧告に従って時代小説家に転身。初の書き下ろし時代小説『瑠璃の寺』がヒットし、以後作家活動は軌道に乗っていった。
代表作として、『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』のタイトルでドラマ化された『居眠り磐音 江戸双紙』シリーズ、『吉原裏同心』シリーズなど。

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