地果て海尽きるまで―小説チンギス汗〈上〉 (時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 43
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758431811

感想・レビュー・書評

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  • 成吉思汗から第5代クビライ汗までのモンゴル帝国の歴史を詳述する。
    成吉思汗は少年時代、できるだけ遠方へ行きたいと思った。そして遠方へ行った。金や宋、またタイチウトやメルキトの圧迫を受け、祖霊や父の受けた屈辱と無念を晴らそうとして、強敵を討ち平らげながら、成吉思汗は自分の野望を伸ばした。
    そして、その野望が神意に添うと信じて、神の与えたもうた地上の大帝国を築くために世界制覇を目指すようになった。
    だが、元はおのれの家族に豊かなものをもたらし、モンゴル部族を強化することから発していた。家族とモンゴル部族を他部族や他国の奴隷にされぬために戦ってきた。その結果、夥しい奴隷を得たが、成吉思汗の晩年、自分の国は人種の坩堝とかし、モンゴル、契丹、女真、宋、西夏、ウィグル、トルコ、アラビア、ペルシャ、グルジア、キプチャク、ルーシ等、多種多様の民族がモンゴルと一体となった。
    自分が戦って得たものは、全ての異部族、異種族、異人種に敵対し続け、時には同族をも粛清しながらたどり着いたところが、全ての民族の融和であったとすれば、まことに皮肉な成果であった。
    元はといえば、わが家族と部族とモンゴルの平穏と幸福のために発したことであるが、世界制覇によって成吉思汗のもと、全ての人間、全民族が幸福になればそれにこしたことはない。
    考えてみれば、モンゴルは敵性の血を導入して巨大化してきた。成吉思汗自身がその出生にメルキトの血を疑い、その子ジュチも同じ疑いをもたれて死んだ。オゴディ、トルイの妃も敵性の出身であり、敵性の血が導入されている。灰の狼の末裔は、敵性と結婚してその群れを増やし、その版図を拡大してきた。モンゴルにとって敵性の導入や同化は恥ずべきものではなく、巨大化するための必然の道程であった。
    本書を読み進めると、たまに、横文字が出てくる。マクロとかニュースとかブレーンとかデモンストレーションとか、、、。やはり、歴史小説を読むに、その時代に使われていなかったような文字が突然現れると違和感を感じるし、興ざめになる。これはあまりいただけなかった。成吉思汗が亡くなってから、小説が間延びしたこともあって、星2.
    全2巻

  • チンギス・ハンの物語。
    父を殺され部族に見捨てられたテムジンが、苦難を乗り越え成長し、チンギス・ハンになるまでは面白いんだけど、覇道を進む人生だったので仕方がないとはいえ、戦い続きに飽きてくる。
    これだけ戦ってまだ半分。スケールの違いに圧倒されます。

  • チンギス汗、生まれてから後継者の決定まで。テムジン/チンギスの人格の変遷が面白い。脇役当たりの描写が乏しいのは残念。まあ、登場人物が多いので仕方ないけど。ジャムカの最後は、なんとも残念な末路だ。

  • 伝記好きの私には、大変読み応えのあるオススメ通りの本でした♪

    チンギスハーンって、やんわりとしか知りませんでしたが、凄い人なんですね。
    色々な民族を受け入れながら、勢力を拡大する所なんかは、アレキサンダー大王に似ている気がしました。

    流石歌になった事だけ有りますねw

    ただ、猫千匹に火をつけて西夏に放したり、征服した金の子供千人を砂漠で惨殺するところは、ちと残酷で、読んでいてゾッ{{( ▽|||)}}

    ここまでの征服が必要かはさておき、大変壮大な内容でした。

  • ユーラシア大陸をほぼ統べる大帝国であるモンゴル帝国の基礎を気づいた男、チンギス・ハンとその子孫の半生を描いた作品。確か日経新聞に連載?されていた気がする。なんか文章が重厚で格調高くて好きです。南宋や金の時代に前後した騎馬民族の歴史や文化が細かく描かれていてよい復習になりました!!

  • チンギス=ハンはいかにしてモンゴル帝国を作り上げたのか。本書を読めばそれが分かる。

    これを読めば、君もモンゴル帝国に詳しくなれるぞ☆


    いや、普通に歴史小説としておもしろい。チンギス=ハンの子供の名前が空で言えるようになったらモンゴル厨確定。

  • 副題に「小説チンギス汗」とあって、チンギス汗の出生にまつわる波乱から始まって幾多の危機を、どうやって、どう考えて乗り越えてきたかというお話。ちょっと前に読んだ、陳 舜臣 さんの作品(チンギス・ハーンの一族)に比べると、こちらはいかにも小説(人間物語)になっており、感情移入させられる面が多々ありました。

    ただ感情移入できたのも、モンゴルを統一するまでくらいかしらん。
    結局、彼が大虐殺をしたという史実は動かしように無い。特に人質の子供を何千人と殺したあたりから、これをどう解釈するかということになるようです。

    森村さんは、そこんところを「大指導者として私情を抑える鉄の意志」で解釈しようとしているみたいで、覇者の道とシンプルライフの選択(父を殺され、部族からも置き去りにされた時は家族9人。貧しくはあったが飢えることはなかった。。。。いまや全モンゴルを統一しても、一家が生きていく上に必要なものは大差ない。)で立ち止まらせたり、拡大再生産(戦いに勝つつど傘下に加わる人間が増え、増えた人間を養うのにさらに領土を拡張しなければならない)の限界を思い起こさせたりと、共産党シンパの森村節か。当の本人は、そんなこたぁ全然考えていなかったんじゃないかと思います。どうなんでしょう?

    なお、チンギス汗の記憶力が明細であった点は、後半に唯一箇所あったきりで、「陳 舜臣」版を読んでいなければ、何ともなく読み過ごしてしまっていたでしょうね。
    (2007/5/29)

  • モンゴル建国800年ということで、大々的に映画化された作品の原作です。
    登場人物の多さにとまどう場面もありますが、そのすべてを理解・調査した上でこの大作があることを思うと、作家の森村誠一さんに感謝です。
    チンギスハーンが開いたモンゴル帝国は、まさに史上最大の帝国だったんですね。
    西洋でもなく、中国でもない、遊牧民族モンゴルの歴史を知る楽しさを実感できます。
    チンギスハーンが帝国の礎を築き、3代、フビライ!が中国を支配、
    そして元寇で知られるように、日本へもその力を及ぼす。
    …そんな歴史の一連の流れを、「地果て海尽きるまで」は示してくれています。

  • モンゴル建国800年ということで、大々的に映画化された作品の原作です。
    登場人物の多さにとまどう場面もありますが、そのすべてを理解・調査した上でこの大作があることを思うと、作家の森村誠一さんに感謝です。
    チンギスハーンが開いたモンゴル帝国は、まさに史上最大の帝国だったんですね。
    西洋でもなく、中国でもない、遊牧民族モンゴルの歴史を知る楽しさを実感できます。
    チンギスハーンが帝国の礎を築き、3代、フビライ!が中国を支配、
    そして元寇で知られるように、日本へもその力を及ぼす。
    …そんな歴史の一連の流れを、「地果て海尽きるまで」は示してくれています。

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著者プロフィール

一九三三年、埼玉県熊谷市に生まれる。五八年、青山学院大学英米文学科卒業。ホテル・ニューオータニに勤務し、六七年退社。六九年『高層の死角』で江戸川乱歩賞、七三年『腐蝕の構造』で日本推理作家協会賞、七六年『人間の証明』で角川小説賞、二〇〇三年に日本ミステリー文学大賞、〇八年『小説道場』で加藤郁乎賞、一一年『悪道』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『運命の花びら』『棟居刑事のガラスの密室』『棟居刑事の黙示録』『戦友たちの祭典』など多数。公式ホームページのアドレスは、http://www.morimuraseiichi.com/

「2018年 『棟居刑事の追跡 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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