神様のパズル (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.38
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本棚登録 : 1823
レビュー : 254
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758432337

作品紹介・あらすじ

留年寸前の僕が担当教授から命じられたのは、不登校の女子学生・穂瑞沙羅華をゼミに参加させるようにとの無理難題だった。天才さゆえに大学側も持て余し気味という穂瑞。だが、究極の疑問「宇宙を作ることはできるのか?」をぶつけてみたところ、なんと彼女は、ゼミに現れたのだ。僕は穂瑞と同じチームで、宇宙が作れることを立証しなければならないことになるのだが…。第三回小松左京賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • なんかどこかで聞いたことあるタイトルだなと思い手にとってみた。人に宇宙は作れるのか、というテーマにすごく惹かれた。ここに登録するときに映画化してたことを知ったが、無理がありすぎる気がして見てみたいとも思わない。途中のゼミとかの議論の内容は、詳しいことがわからない素人だからつっこんだりせずに楽しめて、わくわくしながら読み進めたけど、終盤からありきたりな感じになって面白くなくなってしまったのが残念。
    名前の由来はダジャレだけどおもしろい。

  • ウエッという印象から始まったが、我慢して読んでいるとなかなか楽しめた。
    あきらめないで良かった。


    途中何度も



    となるのだが、本質的な話の流れは理解できる。


    映画化もされているようなので、機会があれば、といった所だろうか。

    食わず嫌いしないスタンスは、いい本とバッチャリ出くわすのだ。

  • 「宇宙は無から作られたと言われている。じゃあ、人間にも宇宙は作れるの?だって無なら、そこら中にある」

    『宇宙を作る』ってことを骨子に抱えたSF小説。キャラ立て自体は悪くないのに、心理描写はイマイチ。特に終盤のヒロインの心変わりは急すぎて、読者の脳内補完に頼る部分が大過ぎるのではないかと感じます。稲作りの並行物語も、活きてない気が。

    宇宙レベルで人類に幻滅し、宇宙レベルでそれを糺そうと暴走するヒロインの痛々しい心持ちなんかはとても面白いし、考えさせられるところも多いんですけどね。

    もしこの宇宙が、ひとりの天才の絶望の果てに産まれたのだとしたら……その想像(創造)はそら恐ろしく、肝が冷えました。

    SF部分に関しては。

    ワシは、高校までで習う物理(=初歩の初歩)と、小さい頃「アインシュタインロマン」というNHKスペシャルを見た、って程度の物理知識です。その程度の知識で、やっと科学表現部分の7割はついて行けるかな、という感じ。たぶん、たまーに「Newton」を読んでるとかでもいいから、多少の物理&宇宙知識がないと厳しいと思います。

    そして、物語の確信となる「宇宙を作る」科学については、正直ちんぷんかんぷんでした。作中で「そんな高校物理程度で説明できることで作れるのか!?」と驚いてましたが、いやあんた、フィクションとはいえ高校物理のレベルを遙かに超えた理論展開でしたがな。

    嘘っぱちの科学でも、それを読者に理解させて面白がらせるのがSFの良さだと考えるワシにとって(山本弘なんかは、この辺の執筆技術が非常に高い)、本作は分かりにくいって点で、評価をひとつ下げてます。

    テーマは面白いし、キャラの基本設定もそこそこだし、途中までの物理(科学)の話は分かりやすいんですけどねー。展開を急ぎ始めた後半以降が残念でなりません。

    (2007年読了)

  • だめだーーー!!
    超ワケワカメ。物理は無理。
    雰囲気はつかめたけど、理解には程遠いよー

    留年寸前大学生、僕。
    卒業がかかってる難関ゼミで天才少女、穂瑞沙羅華の“お守り”をお願いされる。もちろんポイント稼ぎのために!と思ったら、なんか気に入られてるし。
    で、彼女が提案したゼミテーマが「宇宙の創造は可能か」。
    無から作られたんなら、人間にも出来るんじゃ、と。

    話は僕の日記形態で語られて、超難しいディベートが続くと日と、僕が大学四年生生活で葛藤する日と、恋に稲刈りに悩む日と、交互に続くので頭はパンクしません。ほー。

    基本的にはキャラ絡み中心のラノベ調です。
    で、宇宙は作れるのか、から始まり、そもそも宇宙とは?とか無とは?とか基本中の基本、定義が曖昧ってことが判明します。
    中ほどのプロセスはよくわかってないのですっ飛ばして、結局、「宇宙を理解せずとも幸せはつかめる!」と言う結論に。

    ええ、わかってますよ。

    私は絶対に水田ばあちゃん派ですもん。

    それにしても多いな、天才少女と馬鹿(と言う設定の)青年。
    なんとなく「クビキリサイクル」とイメージがかぶったわー

  • 宇宙好きの男の子なら(もちろん女の子も)人生一度はぶち当たる疑問に、作者なりの回答を用意しました、といった作品。
    その問いで少なからず悩んだことがあって、かつ、その回答に共感できるのであれば良作。

  • 物理学ゼミのおちこぼれ大学生綿貫が、飛び級入学の天才少女穂瑞沙羅華と共に「人類に宇宙は作れるのか?」という難問の答えを探してゆく“青春SF小説”

    この物語には、「自分は一体何者で、どこから来て、何をするために生まれてきて、そして死んでゆくのか」という哲学的な疑問を抱く人物が二人登場します。
    一見すると思春期にありがちな青い問いかけにも感じられますが、その疑問の保有者の一人は、人生の晩期にも差し掛かった一人の老人。

    何の疑問もなく平凡かつ幸せな人生を歩んできたこの老人が、仕事を定年退職し、連れ添った妻に先立たれ、第二の人生を歩む途中で行き会ったこの問い。理系の大学に聴講生として入りなおしてまで見つけたいと願うこの老人の悲痛な叫び「何も知らずに死んでゆくのが怖い」を聞いた綿貫は、“あいつなら見つけられるかも知れない”と、鼻持ちならない一人のゼミ仲間を訪ねて行きます…。

    疑問を持つもう一人の人物は…大体分かりますよね?

    難解な物理学用語も登場しますが、はっきり言って分からなければ読み飛ばしてもOK。

    読了後に「自分を見つめなおしたくなる」、そんな力のある物語です。

    あらゆる年代の方が楽しめると思いますが、特に10代の若い方に読んでもらいたい本だと思います。お勧めです。

  • 日本らしい作品なのだろうな。
    宗教も哲学もない日本人が、ふと陥る、闇だ。
    たぶんこんな事に悩む日本人は滑稽に世界に写るだろう。

    「神様のパズル」をレビューするのは、正直難しい。
    僕はレビューに関して、物語の根幹を伏せた上で、
    作者の言いたい事の根幹について自分なりに、
    書きたいと思うのだが、作者の言いたい事を齧れば、
    それはもう、物語の根幹をほとんど言ってしまう。
    だから、ひどく回りくどい書き方をしなくてはならない。

    人は目の前にしなければならない事があると、
    考えることをしなくなる生き物のようである。
    また、知識というのは身に着けるほどに、
    柔軟で無垢な疑問や発想が、阻害されやすい。
    誰もが、自分が知識を得るための努力を、
    無意味だとは思いたくない。
    自分が、生きてきた経験が無意味だとは、
    思いたくないからではないだろうか。
    自分が持つ知識の根底にある原理、前提。
    それらに対する疑問など、
    当たり前だとか、常識だとか、そんな言葉で、
    片付けられるなら、そうしておきたいのだ。
    だって、そうしなければ、自分が経験したり、
    考えたり、勉強してきたことが無意味になってしまう。
    そんな不安が渦巻くだろう、たいていの人は。

    けれど、人は何かがきっかけで不安になる。
    その不安はえてして、自分がこれまで、
    生きていた事自体への不安に波及することがある。
    自分は、本当に正しかったのかだとか、
    自分は、ここに居ても良いのかだとか、
    自分は、何のためにここに居るのかだとか、
    自分は、何のために生まれて死んでいくのかだとか。
    自分が築いてきた自分という城が、実は、
    あやふやな砂の上に建っていた事を自覚するのである。

    人はそれをどうにか理解しようと考えるだろう。
    日本に限らず全世界で大昔から行われてきたと思う。
    それに主に答えを与えてきたのが、
    哲学であったり宗教であったりする。又は、
    稲作かもしれない。家族かもしれない。物理かもしれない。

    考え方次第では、世界も自分も変わる。
    自分の考えなんてものは、自分の世界観の中でしか語れない。
    それは物理の中では、物理しか語れない、
    数学の中では、数学しか語れないのと同じように。
    自分が世界観をどう描くかによって、
    世界の見え方は変わるし、自分の価値観も変わる。
    それは、「ド」が何ヘルツであるかと同じようなもの。

    「神様のパズル」は、
    不安を抱えて育った少女が、物理で答えを得ようとし、
    やがて、新たな世界観に、目覚めるまでの物語。


    稲作について
    「日本書紀」では、皇室の祖神である天照大神が光臨し、
    天皇に対して、わが子に稲穂を与えなさいと命じたのが、
    稲作の始まりとされている。つまりは、
    天皇信仰と稲作は綿密な関係にあり、心の拠り所として、
    それが日本国民に機能してきた歴史があると言えるだろう。
    天照大神も昭和天皇も稲作をしていた。
    稲作とは労働を美徳とする日本人の精神の源と考えられる。
    昨今日本で、それが失われているのは言うまでもない。
    本作に稲作が登場するのもまた、必然なのかもしれない。

  • 人間に宇宙はつくれるか…

    私自身思いっきり文系で、しかも理数系は超がつくほど出来ないです汗
    しかし、この小説は物理が中心!!

    主題はとっても興味あるし、おもしろそう!
    でも、最後まで読めるかな…と若干不安だったけど、

    これが!!
    物理の知識がこれっぽっちもない私でも
    この世界に引き込まれてしまい、
    佳境にかけては、ノンストップで一気に読み終わってしまいました。

    主人公の言う「保障論」、これはなるほどと思いました。

    んで、読み終わった後にちょっとだけ理系分野も面白い?と
    思ったとか思わなかったとか…笑

  • この気持ちが
    何ビットの情報量に相当するのかは
    知らない



    答えを探す為に
    彼女はそこにいた。
    何かを見つける為に
    彼はそこにいた。

    答えを捜した人たちのおはなし。



    あ た り き た ・・ !

    物理の理論はこれっぽっちも分からないのに
    なんだろうこの面白さ。
    すごいよ宇宙作れるよ。


    宇宙とたんぼは
    きっとニアリーイコール!

    • ひとこさん
      田んぼって結構キーアイテムですよね!
      なんだか宇宙作れそうな気がする…
      田んぼって結構キーアイテムですよね!
      なんだか宇宙作れそうな気がする…
      2011/03/09
  • 留年寸前の大学生・綿貫基一は担当教授から、飛び入学で16歳の天才不登校生・穂瑞沙羅華をゼミに参加させるよう命じられる。
     綿貫はゼミに参加するよう穂瑞に誘いをかけるが、他の凡庸な学生と一緒に勉強することなど何もない、と穂瑞はそれを断る。
    それなら、「宇宙が無からできたと言われているが、そうであるならば宇宙を作ることができるのではないか?」と半ば自棄気味に綿貫が疑問をぶつけると、驚いたことに穂瑞はゼミに姿を見せる。
    そうして、綿貫は穂瑞とともに、ゼミの単位をかけて宇宙の作り方という難題を立証しなければならなくなったのだが……。



    彼らの話していることの半分も理解できませんでした。
    綿さんも沙羅華の話のほとんどを理解できていないようでしたが……たぶん、僕はそれ以上にちんぷんかんぷんでした。
    ただ、それだからと言って物語の面白さを理解できないわけではないというところが、この作品の魅力でしょう。
    たとえるなら、碁のルールなんてちっともわからなくても「ヒカルの碁」の面白さは万人に伝わる……みたいなもの?
    なんだそりゃ(笑)

    物語のテーマは「宇宙を作ることはできるのか?」です。
    これを読んで「出来るわけねーだろ」と言う人。
    ならばどうして宇宙を作ることができないのか。
    それを証明してみせてください。
    それこそが科学的なモノの考え方というものです。
    この小説は、沙羅華と綿さんの「宇宙は作れる」派とその他のゼミ生たち「宇宙は作れない」チームの論争やディベートの様子がメインとなっています。
    ある意味、論理と推理の応酬だけで描かれたミステリのようなものです。

    作者の遊び心もミステリファンの僕には楽しかったです。
    穂瑞沙羅華(ホミズ・サラカ)という少女の名前は当然、シャーロック・ロームズのもじりだし、彼の頼りなきパートナーである綿貫は沙羅華に「綿さん」と呼ばれていますが、これは当然、「ワトソン」医師に掛けてあるのでしょう。
    沙羅華と綿さんの出逢いのシーンでは、綿さんのジーンズの染みから沙羅華が彼のアルバイトの職種を推理してみせたりもします。
    (まあ、これは実際に推理したわけじゃないというオチはつきますが)
    また、沙羅華のPCにハッキングを仕掛けたりした相手が森矢教授なのも、モリアーティ教授と掛かっているのだろうし、沙羅華が川に流されて一時、生死不明となるあたりはもはやあまりにもあからさまなパロディと言えるでしょう。

    結果、人間に宇宙を作ることが出来るのかどうかという物語を通じてのテーマは明らかにされません。
    沙羅華の単なる人騒がせな嘘だったのかもしれないし、彼女の天才的な頭脳はもしかしたら本当にその方法を見つけ出したのかもしれません。
    それはわかりません。
    わかりませんが――それはどうでもいいような気がします。
    後半はどちらかと言えば人間ドラマのほうに重きがおかれ、宇宙が出来るかどうかよりも、沙羅華の気持ちの揺れのほうが気になってしまいます。
    ラスト近くは青春小説としての側面が強調され、爽やかな読後感があります。
    そんなことが出来るかどうかなんてどうでもいいことです。

    だって沙羅華は。
    神に比肩することを放棄し、「それしか知らないのは可哀相だ」とまで言い放った田畑を耕す行為に参加することを選んだのだから。

    ただ、この言葉を僕は胸に留めておきたいと思います。
    「人が想像できることはすべて人が実現できる」――ジュール・ヴェルヌ。

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