二枚目: 並木拍子郎種取帳 (ハルキ文庫 ま 9-3 時代小説文庫)
- 角川春樹事務所 (2006年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758432412
感想・レビュー・書評
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時代物『並木拍子郎』シリーズの2巻目。
事件の謎解きにそれぞれの登場人物の「人となり」が絡み合い、とても情感豊かな短編5作を読みました。
身分や生まれ、運や縁に阻まれ思うに任せぬ「今の自分」を忌み嫌い、儚み、その先に他人への恨みつらみ、私利私欲、羨望、怒り、諦め等々、人の心模様の複雑さがモザイクのように言葉で紡がれます。
松井さんによる時代背景の説明もあらすじの中で無理なく施されています。
当時の職業観、社会観、四季折々の街の様子から人々が日常生活の中で見出していた季節の移ろいへの味わいまで、豊かに描かれとても心地よく感じます。
季節や場面に応じた着物を替える描写も興味深く、当時の日本人は変わりゆく季節を日常生活の中で愉しんでいたのだなと想像します。
着物の色も素材の種類や区別も現代よりもはるかに多く、当時の日本人の美学への機微を想像します。
例えば、日本の伝統色である路考茶や利休茶の色分けのネーミングセンスと渋さの奥行にワクワク。
和模様もそれぞれに込められる意味や祈願の意、歴史背景等を知ると、それを纏う人の心が覗かれ、お洒落の極意に触れる気がします。
やっぱり江戸の文化の奥行と幅は素晴らしいなと、作品と時代双方に触れられるとても素敵なシリーズ。3巻も再読します!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミステリーとしては深みはないが、粋でいなせな雰囲気が良い。
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拍子郎さまとおあさちゃんはどうなるのー。
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芝居小屋の風景が分かりやすく描かれているのが楽しくて。
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一巻・二巻と続けて読めて楽しかった。(*^_^*)拍子郎を始めとして、師匠夫婦や兄夫婦、恋の相手のおあさ・その父親、など主要な脇の人物たちに加えて、芝居小屋で働く者たち、長屋の面々、一回きりの登場であろう“タネ”の元となる人たち、皆、しっかりと人間が描かれていて、またそれぞれ好ましい面を見せてくれるのが嬉しい。
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短編のため、結末が早すぎてのめりこむ前に終わってしまう。
ともかく表紙がいただけない(笑) -
シリーズ物なのに あんまり昔なので いろいろ忘れてしまって。。
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4/14 ひさしぶりの今朝子さん。前作(シリーズの)に比べて話が進むにつれ、明るい、おもしろいところだけじゃなくてキャラクターの深いところにまで触れていて楽しいだけではない哀愁があった。目に浮かぶような江戸時代の描写、演劇を知り尽くした上での謎解き。飽きないなあ。
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大人な男女が書かれているなという感じがよかった。
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2008/2 読了