メシアの処方箋 (ハルキ文庫)

著者 : 機本伸司
  • 角川春樹事務所 (2007年5月15日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (481ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758432856

作品紹介・あらすじ

ヒマラヤで氷河湖が決壊した。永年閉ざされていた下流のダム湖に浮かび上がったのは古代の「方舟」だった。こんな高地になぜ文明の跡が?いぶかる調査隊をさらに驚愕させたのは内部から発見された大量の木簡だった。それらにはみな、不思議な蓮華模様が刻まれており、文字とも絵とも判然としなかったが、なんらかのメッセージを伝えているのは確かだった-。一体、何者が、何を伝えようというのか?第3回小松左京賞受賞作『神様のパズル』に続く、傑作長編SF、待望の文庫化。

メシアの処方箋 (ハルキ文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  太古の箱舟がヒマラヤの氷河湖決壊により突然出現、箱舟からは蓮華模様が刻まれた木簡が発見される。そこに刻まれた謎の模様を解読するに至り、弱小マッドサイエンティストらがあれやこれやの大騒ぎ・・・ラストの尻つぼみ感は否めないが、これだけの小難しい内容をまとめる力量って凄いと感心させられた。

  • 【僕は何故産まれたのか。それが知りたくて自殺しないで生きてる。】

    僕にはまだ石を投げることしかできない。だけど、機本さんは石を作り、それを投げる大地を作り投げる人を作れる。答えは仮説でさえでないけれど、生まれた意味をみな求めている。人が一番最後にたどり着く答えは与えられるものでなくて、与えるものなのではないかとの布石。

    ならば、僕らは救世主になり、僕らよりも高度な生き物を捻り出して何のために産まれてきたのか明確に定義し、自らは滅びるしかないのかもしれない。

  • 氷山から見つかった古文書を解読して、メシアを作る話。いつもと同じ大風呂敷・・・

  • 前作にあたる『神様のパズル』と個人的運命の出会いを果たした私は当然に機本伸司先生の大ファンとなり、本作もハードカバーで誕生した2004年当時に購読しておりますが持ち運びも便利となったハルキ文庫版が発売されれば手が伸びないはずはありません。

    登場人物たちがこの世界や自分たちの存在について思い悩む描写は前作から一貫して受け継がれているスタイルであり、本作では"救世主"を創ってそれらの謎について答えを教えてもらおうとする物語となっています。

    物語中盤では生物学的な単語や解説も多々飛び出してきますが、ニュートンや日経サイエンスをはじめとする科学に関する書籍を読まれている方なら特に苦なくストーリーを楽しむことができるかと思います。

    余談ではありますが表紙の3人のうち女性は当然カビリアとして、男性2人がイマイチ誰だか分かりませんね。順当に行けば銃を構えているのはロータスで、茶髪のイケメンは主人公でありますが…

    ロータスのキャラクターデザインに関しては「よく日焼けした小柄な日本人」と語られているので銃を構えているのは悪役のエバンス教授でしょうか?それと主人公に関しても己の境遇に対して嘆いてばかりで作中では一番頼りないイメージが付きまとうものですが表紙のキャラクターデザインは明らかに別次元でイケ過ぎているので…誰!?

  • 超近未来のSF?
    冒頭、いきなり氷河から舟が出土する。
    未知の物体の登場で掴みはばっちり。
    その舟には謎の木簡が収められていたがそれはなんと遺伝子情報だった。
    主人公たちは専門家を集め非公式にその遺伝子情報から新たな生命を作り出す。
    人間でないものを人間の手で作り出していいのかという生命倫理の問題とその存在に対する様々な立場の人間の思いが交錯して物語はクライマックスへ。

    主人公がヘタレで少し盛り上がりにかけたので☆4。
    登場人物が個性的だけど、主要キャラが少しイッちゃってたのがテーマを考えたらちょうど良かったと思う。

    あと今思ったけど表紙が誰だかわからない

  • 人間の生きる意味という宗教的なテーマに挑んだSF小説。

    ヒマラヤで氷河湖決壊対策工事にあたっている主人公は、突然の水流に巻き込まれてしまう。辛くも命を取りとめた彼が目にしたのは、古代の「方舟」だった。さっそく調査が開始され、「方舟」は5千年前のものと分かる。方舟の中から出てきた木簡に記された蓮華模様は、何かのメッセージのようだが、調査チームはなかなか解読できない。そんなある日、主人公のホームページに「ロータス」と名乗る男からのメールが届く。男はあっという間に主人公のもとにやってきて、独自の調査を開始する。彼は詳細を伏せて、蓮華模様の謎をインターネットでクイズとして出題すると、北川という男が、遺伝子情報を意味しているのではないかという回答を寄せてきた。ロータスは北側を誘い込み、さらにエンジニアをしている上杉という旧知の男や、生殖医療の専門家の真田などをチームに加えて、研究を進める。

    やがてロータスたちは、コンピュータでのシミュレーションによって、蓮華模様の遺伝子から、肉髷や天眼を持つ三目八臂の不空羂索観音のような姿をした胎児が生まれてくることを突き止める。これは“デザイナー”からの人類に向けたメッセージだと考えたロータスたちは、爽快堂製薬の会長に接触してゲノム・コンポーザーの使用許可を獲得し、さらに代理出産の闇サイトを装って子宮を提供する女性を募集し、ついにカビリアという女性に胎児を出産させることに成功する。

    だが、「不空」と名づけられた胎児をめぐって、さまざまな人びとの思惑が入り乱れる中で、やがて不空に訪れる「メタモルフォーゼ」によって“デザイナー”のメッセージを知ることができると信じるロータスは、冷徹な作戦を次々に実行に移してゆく。

    不空の誕生まではたいへんおもしろく、一気に読んだが、そこから不空を連れて主人公たちが右往左往する展開は、いささか中だるみの感がある。結末は、ストーリーに語らせるより理屈が勝ってしまっているという印象は否めないが、きれいにまとめられていると思う。

  • 『メシアの処方箋』と言うタイトルですが、
    具体的にメシアがどうだとか、
    あるいは、処方箋がどうだかとかの話にはなりません。
    古代の遺物の残したものについての、
    人類の一方的解釈の話です。

    前作『神様のパズル(http://booklog.jp/item/1/4758432333)』もそうでしたが、
    作者が元々理系であるということもあり、
    技術についての解説は、結構細かいところまで描写されています。
    私はその道の専門家ではないので、その正確性についてはわかりませんが、
    細かい技術の描写が、物語の緊張感、
    リアリティにプラスになっているとは思いました。

    これは、OOPARTS話なんですかねぇ。
    遺伝子操作とか、多国籍企業コングロマリットとか、
    近未来には問題になっていそうなテーマも、
    この物語の基本設定になっています。

  • 「神様のパズル」と同じSF大風呂敷小説。
    魅力的な謎、それに尽きる。だからこそこの結末には納得できない。
    ヒューマンドラマ的な部分でカバーできればいいのだが、「世界の謎に挑む傲慢な天才と、それに振り回されながら成長するちょっとダメな男」という構図が「神様のパズル」から変わっていないので厳しい。天才が傲慢すぎて感情移入できず、無個性な主人公の一人称とすることでどうにか読者の視点を維持する。「神様のパズル」はBOY MEETS GIRLになっていたのでまだよかったが、今回は…

  • SFにしては盛り上がりに欠ける。科学技術の表現はリアルだが、技術的な問題はあっさりとクリアされる。救世主のオチもあまりスッキリしない。

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