終の棲家 (ハルキ文庫 せ 2-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 189
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758432870

感想・レビュー・書評

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  • 前々から、医療をネタにした小説を発表されている、仙川さんの著作。
    最近徐々に広がり始めたのか、先日ドラマ化もされていました。

    私は『チーム・バチスタの栄光』の海堂さんと同じ時期にて、
    そちらとはまた違った面白さで、読み続けています。

    主人公は、MBA取得者ということで鳴り物入りで入社した、麻倉智子、
    なんですが、アラサーの今となってもイマイチ目が出ず、飼い殺し?状態。

    その理由は、頭でっかちすぎること、、現場を見ないこと、
    小手先の実感のない理論を振りかざしていること、etc、、イタタ。

    そんな彼女が、老人医療現場の現実を向き合う事で、
    一人の“記者”として成長していく物語、でしょうか。

    最近流行りの女性のお仕事物語として読んでも、面白い。

    また、仙川さんご自身が、医学部を卒業→新聞社とのキャリアで、
    実体験からくる?リアリティを感じられたりも。

    老人医療や老老介護、終末医療などについては、
    今年に入ってからアンテナが伸びている身としては、

    そちらの視点で読んでも、非常に興味深く読めました。

    人はいくつになっても成長できるし、
    いくつであっても成長の無い人は、、(略

    ん、“現場”を知らない理論は説得力がなく、
    “理論”の無い現場にも解決力がない、なんて感じた一冊です。

  • どんな職業でも、本人の気づきがあれば必ず成長すると実感させられる内容。
    成長のない社会人は「気づかない」?
    我が次男の仕事に対する姿勢を比較対象しながら、身を細めるようにして読み終えた。。。
    人は仕事を通じて変わることができると、次男に知ってほしい。仕事ってそういうものやと。
    何のために、この仕事をしているのか、なぜこの仕事を選んだのか。
    流れで、何となく、たいして考えてない…そんな答えが速攻返ってきそうな気もするけれど…

  • 「朝倉女史」から「朝倉さん」へ変わる瞬間、朝倉の一歩成長するさまが気持ちいい。人が大化けする瞬間、目の色が変わる瞬間はそうそう見られるものではないけれど、その時に周囲 (とくに上役) がうまく守り持ち上げられないと返って潰れてしまうんですよね...。的川の啖呵が熱い。

  • 本屋さんで、桐谷美玲の写真が入った帯に惹かれて手に取っただけ(^^;)

    NHKでドラマになってたんですね。

    で、内容は介護問題を取材する新聞記者の話。
    題材としてはありがち。。。
    そのへんは、天童荒太の作品群のほうが好き。
    新聞記者の話は、横山 秀夫や山崎豊子のほうが好き。

    海堂尊のバチスタ系が好きな方なら、これも好きかも。

    ただ、私はあまり填らなかった。

  • 仙川さんは以前何冊か読んだけど、いつも読み終わった後に爽快感や充足感のようなものを感じられる。
    今回は前半主人公に感情移入できなかったけど、本人が変わっていき周りも影響され結果的にはハッピーエンディングで安心した。
    美しい部分だけではなく、事実をしっかり書いたうえで納得感のある話だった。

  • 仙川環さんは好きな作家のひとり。今回の主人公は、今まで読んだタイプとは違い、初めのころはあまり好きになれない感じがしたが、ラストには成長も感じられ、良かった。5年後とかさらに成長した続編があってもいいと少しだけ思います。

  • タイトルに惹かれて読みました。
    いわゆる終の棲家はどうあるべきか?という内容を期待していたのですが、全然違って新聞記者の成長記みたいなものでした。
    この作者の作品は好きで何冊か読んでいるのでちょっと当てが外れた感じかな。

  • 前半は新聞記者の仕事についてや、社内権利争いなど少々退屈でなかなか読み進めず、、介護、独居老人医療問題が絡んできたあたりからやっとペースアップしてなんとか読了した。新聞記者として成長していく智子には憎めないところもあり応援したい。けれど好きじゃないと記者というハードな仕事は務まらないだろう、彼女のようにプライドがないと負けてしまうだろう。

  • 2019_04_11-040

  • MBAを持つ女性記者が、慣れない社会部で介護問題を通じて成長していくストーリー。

    老人介護を取材していくうちに、同じ往診医師が担当する患者が次々と心不全で亡くなっていく。その背景には以外な事実が隠されていた。

    昨今の介護問題を、執筆するに細かく取材したのか、あるいは作者がもともと主人公と同じ医療・介護問題を扱う記者であったからなのか、記者の描写は良く描写できていたと思う。

    しかし、もう少し人間の最後となる「終の棲家」の意味を掘り下げて欲しかった感じはする。

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著者プロフィール

せんかわ・たまき
1968年東京都生まれ。大阪大学大学院医学系研究科修士課程修了。大手新聞社在籍中の2002年に書いた小説『感染』が第1回小学館文庫小説賞を受賞し、作家デビュー。その後執筆活動に専念し、医療問題を中心に社会性と娯楽性を兼ね備えた作品を発表する。著書には『転生』『繁殖』『誤飲』『疑医』『鬼嵐』などがある。本作は『幸福の劇薬』に続く「医者探偵・宇賀神晃」シリーズ第二弾!

「2020年 『偽装診療 医者探偵・宇賀神晃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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