室生犀星詩集 (ハルキ文庫 む 3-1)

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  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758433150

感想・レビュー・書評

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  • 「ふるさとは遠きにありて思ふもの」というフレーズが有名である
    室生犀星は、北村透谷や島崎藤村らの自然主義というか
    恋愛至上主義を受け継いだ詩人・小説家で
    若い頃は東京と、郷里の金沢をいったりきたりして暮らしていた
    初期作品では身の置きどころのない悲しさや
    女と縁薄い悲しさを書いていたが
    萩原朔太郎との出会いから東京の文壇とかかわるようになって
    そのうち大御所のひとりになった
    ところが日本の敗戦を経て、長い沈黙期に入る
    作品を読む限りではどうも、戦後の女性解放に絶望したらしい
    というのはやはり
    北村透谷以来の恋愛を聖化する思想が
    自由主義によって否定されてしまったと感じたからではないだろうか
    昭和30年代から執筆活動を再開した犀星は
    金魚ちゃんに恋したり、伊勢海老になってしまったりするのだが
    それはおそらく、川端康成のいう「魔界」にも通じた境地であろう

  • 金沢の犀星記念館でこの詩集をかいました。彼の寂しさは、生まれ落ちた時から既に始まっていたのです。
    今日ほれて明日わかれあさってまたほれて別れる、人生は茫々たりと彼は表現する。とても深いと感じますね。

  • p.21 「
    砂山に埋め去るものは君が名か
    かひなく過ぐる夏のおもひか
    いそ草むらはうれひの巣
    かもめのたまご孵らずして
    あかるき中にくさりけり」

    p. 23「われはやさしくありぬれど
    わがこしかたのくらさより
    さいはひどもの遁がれゆく
    のがるるものをおふなかれ
    ひたひを割られ
    血みどろにをののけど
    たふとや、われの生けること
    なみだしんしん涌くごとし」

  • 故郷は遠きにありて歌うもの。
    そして悲しく歌うもの。

  • 以前室生犀星記念館に行った時に、
    展示されていた詩をずっと探していて
    最近たまたま見つける事が出来ました。

    お恥ずかしながら室生犀星の小説を読んだことが
    ないのですが詩はみずみずしく心がきりりとする様でした。

    しかし萩原朔太郎とのエピソードは凄いなと思いました。

  • 「サウンド文学館・パルナス 室生犀星詩集」 朗読:柄本明
    根暗だなぁ。

  • 数行の詩に一分でも二分でも、何ならコーヒー一杯分かけてみる

  • 経験しておいて損はない。

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著者プロフィール

詩:詩人・小説家。本名、照道。金沢生まれ。北原白秋・萩原朔太郎らと交わり、抒情詩人として知られた。のち小説に転じ、野性的な人間追及と感覚的描写で一家を成す。「愛の詩集」「幼年時代」「あにいもうと」「杏つ子」など。


「2013年 『児童合唱とピアノのための 生きもののうた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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