警察庁から来た男 (ハルキ文庫 さ 9-3)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 2141
感想 : 201
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758433396

作品紹介・あらすじ

北海道警察本部に警察庁から特別監察が入った。監察官は警察庁のキャリアである藤川警視正。藤川は、半年前、道警の裏金問題の為に百条委員会でうたった(証言した)津久井刑事に監察の協力を要請した。一方、札幌大通署の佐伯刑事は、ホテルでの部屋荒らしの捜査を進めていた。被害者は、すすき野の風俗営業店で死んだ男の父親だった。大通署に再捜査の依頼の為、そのホテルに泊まっていたのだという。佐伯は、部下の新宮と事故現場に向かうのだが…。『笑う警官』に続く道警シリーズ第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • 道警シリーズ第二弾期待以上に面白かった。
    今回も佐伯警部補、津久井巡査部長の活躍がめざましかった。第三弾にも期待。

  • 後半に向かって話が絡み合っていくところと終盤のアクション群像劇は一作目同様で巧い 後半は読み出したら止まらなくなるおもしろさでした

  • 道警シリーズ第二弾!
    前作「笑う警官」同様に面白かった!

    ストーリーとしては
    警察庁から北海道警察本部に特別監察が入ります。
    監察官は警察庁のキャリアの藤川
    保護を求めてきたタイ人少女を暴力団に引渡す、ぼったくりバーで客が殺されたと思われる案件を事故として処理、など道警の中の不祥事から不正を暴こうとします。
    相棒になったのは、前作で道警に追われた津久井

    一方、前作の佐伯は、ホテルでの部屋あらしの捜査を進めます。
    被害者はぼったくりバーで死んだ父親
    佐伯は部下の新宮と捜査を進めていきます。
    そんな中、ぼったくりバーの殺人の目撃者が殺されてしまいます..

    藤川・津久井チームと佐伯・新谷チームがそれぞれに捜査を進めていくと最終的には、暴力団と警察官の癒着にたどり着きます。..
    もちろん、小島百合も出てきます。
    クールビューティーのイメージで、いいです。

    さらに、前作で語られたおとり捜査の失敗の背景も明らかになります。前作を読んでないと何のことがわからないでしょう(笑)
    そして、ラストのスピード感。
    最後の1行
    「監察官、グッジョブ!」
    とてもスッキリ(笑)

    これ、前作を読まないと、きっと理解できないと思います。
    必ず「笑う警官」から読みましょう。

    お勧め

  • 佐々木譲の北海道警シリーズ第二弾。またしても北海道警で不祥事が。それをあばくのは、警察庁のキャリア監察官、前作でうたった津久井巡査部長、佐伯警部補、新宮巡査、小島巡査。佐伯・新宮コンビが活躍しすぎな感じはあるが、スピード感、ハラハラドキドキ感で楽しめた。ニ作続けて不祥事話で、北海道警からクレームは無かったのかな?

  • 北海道警察の不祥事第2弾。タイ人女性を保護せず暴力団に引渡す、ぼったくりバーでの殺人を事故として扱うという不祥事。こんな警官がいたら、ぶっ飛ばしもの。警察庁のキャリアが東京から事実確認のために動く。そのサポート役として、チーム佐伯(津久井、新宮、小島百合)。内部の現役警察官と暴力団との癒着、即ち、闇資金作り。チーム佐伯が全容解明し、最後はスカッとしました。前回も佐伯と百合の関係発展すればいいな?と思うのだがパッとせず。百合のパーソナリティはさっぱり系で大好き。続きがあるか分かりませんが次も楽しみ。

  • 道警シリーズ第二弾。
    一弾の「笑う警官」が面白かった。
    今回も前回活躍した、津久井や佐伯といった警察官が登場する。
    佐伯は刑事課だが、津久井は前回のことで警察学校の総務に回されていた。
    しかし、道警に警察庁からの監察官がやって来て、津久井に協力を求めたことから、今回の活躍が始まる。
    今回も読み応えある内容だった。

    2023.5.27

  • まぁいっかと思って第二弾から読んだけど、前回の事件とか結構絡めてきてたし、順番守ればよかったかな。
    それでも問題なく面白かった。
    最後の一言、私はあまり好みじゃない。内容と合ってないて。。

  • 道警シリーズ第二弾!
    今回は道警人警察庁に査察が入ったという展開。
    前回の事案を踏襲しながら、新たな不正をあぶり出していく。だんだん面白くなってきた!

  • 道警シリーズ2作目。道警の汚職の実態を解明するために、警察庁から送られてきた藤川警視正。監査協力の白羽の矢が当たった津久井巡査部長。同時進行で、転落事件に関わった佐伯・新宮コンビ。 監察側と捜査側がテンポ良く真相に迫っていきます。警察シリーズを読むたびに思いますが、警察官といえども人間。いろんな人がいますね。

  • 終わり方が最高だった。すごいドキドキ感がたまらない。

  • ●素晴らしい。疾走感のある一冊。ギュッと詰まっていて大変濃厚
    ●描写が過不足なく、まるでススキノの街が浮かんでくるようだ。動き回る警官がよくイメージできる。
    ●実際はどうかは知らないが、いかにも本物っぽい捜査の描写は凄い。相当取材をしているのだろう。
    ●短い時間でどんどん事件が起こり、またまた警察庁と道警の関係など、内部模様も面白い!

  • 笑う警官の続編/ 道警シリーズ二作目/ 面白い/ というか、この構成は有りだ/ 稲葉事件(郡司事件)という大きな事件を象徴にして、その下流で翻弄される警察官を軸に事件が起きる/ 三作目からもそうなっているかはまだ読んでいないので知らない/ それにしても作中の「山口組誠勇会」は現実的には山口組誠友会であろうし、漢字一文字変えても読みは一緒だし、かなり思い切ったなという気がする/ 得体の知れない不正の匂いをあぶり出す後半はかなりワクワクした/ 津久井が監察付きに任命されるところはグッときた/ しかし、PCが使えるだけ(に見えてしまう)受付の女を監察チームに加えるのは疑問/ PCが得意なキャラで行くならもっとその描写をすべきと思う/ 検索が得意、なんてのはPCスキルではない/ 

  • 一作目より面白くなってる。それにしても、実際の解決にほとんど日数を要していない、ものすごく優秀な人達ですな。とはいってもそれほど御都合主義さは感じないけれど贔屓目だろうか。まあ、贔屓してるわけだが。

  • 「笑う警官」で登場した津久井・佐伯・小島などが再び物語を動かしていく。
    かつて津久井たちが失敗した囮捜査。
    失敗したのは誰かが情報を流したのでは?という疑問を、違う捜査を進めていく中で佐伯たちは持ち始める。
    警察内部の不正を暴いた津久井は警察官として正しくない行いをしたのか?
    内部告発とは組織に対する裏切りなのか?
    組織を思えばこその行動も、保身に汲々としている人たちにとっては、脅威であり迷惑な行為でしかないのだろう。
    警察官も、警察官僚も、そして一般市民も、みな同じ人間のはずだ。
    不正は良くないことだと誰もが知っている。
    それでも、組織の中で不正がまかり通るのは、それを必要とする人たちがいるからだ。
    倫理観の薄い者が上層部を占めるようになれば、きっと組織は内部から腐っていく。
    津久井のような警察官が大多数だと信じたい。
    そして、やはり正義は強いのだと思いたい。
    気持ちのいい終わり方に好感が持てた。

  • 道警シリーズ第2弾。「笑う警官」で随分もやもやしたが、道警裏金事件は実話だったのか。フィクションでカッコよく書きたくても最低限のしばりがあって、前巻でのキャリアの自殺は外せなかったのだ。この巻での、出頭を命じた山岸に逃亡され、更に暴力団に殺害されてしまうというミス(またか!)もまた外せなかったのだと納得。すっきりはしないが、仕方がない。現実とはこういうものだ。と理解すると、俄然面白くなってきた。次巻も楽しみだ。

  • 「笑う警官」に続く道警シリーズ第二弾。前作で活躍した佐伯、津久井が、新たな警察内部の不正に挑む。

    薄野で起こった2つの事件。些細な事件と思われていたのに、警察庁からエリートキャリアの監察官が特別監査に訪れる。うたったことで干されていた津久井がまたもや呼び出される。そして、佐伯は別のルートから同じ謎に行きあたる。謎を探っていくうちに、過去に佐伯、津久井が担当した事件にもつながりがあることが分かっていく……。

    前作と同様に時間的な緊迫感もあり、少しずつ分かっていく謎に引っ張られるように、読み始めたらあっという間に読了。


    佐伯、津久井、新宮、小島、それぞれのキャラクタにも魅力があるし、監察官としてやって来たキャリア藤川も魅力的。それぞれのキャラクタを掘り下げたら、もっとたくさんのストーリーが作れそう。この小説の中ではあまり踏み込んで書かれていないのが微妙に不満でもあり、スピード感を持って読ませるにはこのぐらいのほうがよいのかも…とも思ったり。もっとたくさんの物語が読みたいという気持ちで読み終わりました。彼らが出てくる小説はすでに書かれているのかな。調べてみよう。

  • 道警シリーズ第二弾。『笑う警官』の続編だ。左遷された津久井はどうなるのか、佐伯とのコンビも復活か、と興味を持って読み始めた。

    道警の生安に警察庁の緊急特別監察が入る。果たして、道警にどんな悪が潜んでるのか。巨大な悪に立ち向かう正義。巨悪の正体は、数年前の失態の謎は。たまらんな。

    読後は、スカッと爽やか、前作にも増してテンポが良く、マンネリ感も無い。このシリーズもなかなかだな。面白い。非常に面白い。

  • 笑う警官の続編。
    相変わらずの有能すぎるスーパー警察官・佐伯警部補。
    前作では主に司令塔としての役割を果たしていたが、今回は動きまくる。
    というよりも、ようやく普通の刑事らしいことをしてくれる。

    ハナシの盛り上がり方は前作と似たものを感じるが、それでも面白いことに間違いは無い。

  • 笑う警官の続編。郡司事件解決後、道警生活安全部の対応に未だ残る腐敗の臭いを嗅ぎ付けた警察庁から送られたキャリア検察官と津久井達で不正を暴くストーリー。話がシンプルで分かりやすく、シリーズ中一番の面白さ。エピローグでちらっとでも転落死した方の父親に触れてあげて〜

  • 道警シリーズの2。前作に比べて地味という評を見かけるけれど、薄皮を剥ぐように地味に地味に深層に近づいていくのこそ氏の特性ではないかと思ってる。

    ので個人的な感想としては前作よりも好きであった。まぁ筆致に慣れてきて読み進めやすくなったというのもあるけれど。

    さて、続けて次作も進めていこう。

  • 北海道警察シリーズの第ニ弾。
    前作より面白かったです。
    前作ではあまり描かれていなかった津久井刑事が今作では活躍しています。
    バラバラだと思っていた事件が実は関連があったとは。
    読んでいてハラハラし、一気に読んでしまいました。
    シリーズ第三弾も読んでみたいです。

  • 流石 期待を裏切らない   読み終わった後にチョットだけ物足りなさを残すあたりも書きすぎなくてイイ

  • 相変わらず面白かった。主だった面々、どこかカッコよくない所がいい。佐伯と小島、次回あたりにどうかなるかな?

  • 面白かった

  • これは北海道警察シリーズ第二弾。
    いやぁ、面白かったです。
    津久井刑事が大活躍。
    また続編を読むべく借りてきています。
    楽しみ!

  •  『道警大通署』シリーズ2作目。再読。

          * * * * *

     前作同様、通常の刑事ものとは異なる視点で書かれ、魅力満載の内容でした。

     道警にはびこる不正システム。
     前作では幹部の私腹を肥やすためのものだったのに対し、本作はノンキャリ警官のためのものですが、不正蓄財の手段が暴力団との癒着ならもはやそこには同情の余地などありません。

     ただ今作で特筆すべきは、警察庁キャリア官僚を登場させることで、(懲罰人事で)閑職に追いやられて捜査権を持たない津久井や強行犯事件に関われない佐伯たちに活躍の場を与えたことだと思います。おまけに佐伯・津久井のおとり捜査失敗の原因まで解明してくれました。

     この作りの重厚さには全く感心するばかりです。また前作とは違う緊迫感を描ききったところも改めて見事だと思いました。

  • 北海道警察第二弾。
    警察庁から監察官が来て。
    深い闇が。

  • 前作「笑う警官」の続編。
    佐伯・津久井のコンビが再び活躍。

    特に小島百合の再登場が嬉しい。
    彼女は、OA関係のエキスパートであるが、かなり推理もできる。
    おまけに、剣道の有段者。
    できる女 小島百合。

    前作ほどのスピード感や仕掛けはないものの
    官僚と協力して身内の腐敗を暴く過程が面白い。

  • 北海道警察本部に警察庁から特別監察が入った。監察官は警察庁のキャリアである藤川警視正。藤川は、半年前、道警の裏金問題の為に百条委員会でうたった(証言した)津久井刑事に監察の協力を要請した。一方、札幌大通署の佐伯刑事は、ホテルでの部屋荒らしの捜査を進めていた。被害者は、すすき野の風俗営業店で死んだ男の父親だった。大通署に再捜査の依頼の為、そのホテルに泊まっていたのだという。佐伯は、部下の新宮と事故現場に向かうのだが…。

  • 警察官僚も、ふつうの官僚とあまり変わらないんだなぁ。
    警察の中でも刑事はやはり別格か。公務員ではないな。笑

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著者プロフィール

1950年北海道生まれ。79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。90年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を、2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞、10年『廃墟に乞う』で直木賞、16年に日本ミステリー文学大賞を受賞。他に『抵抗都市』『帝国の弔砲』など著書多数。

「2022年 『闇の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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