彼女の命日 (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.10
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本棚登録 : 165
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758433754

感想・レビュー・書評

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  • 家族を守るしっかり者の女性。自分が殺されてしまい犯人は捕まらず、婚約者や家族のその後が気になる思いで、他人の身体を使って命日にだけこの世に戻ることができる。
    家族や友人、恋人の本音やその後に傷ついたり悩みながらも生きている人間へのエールに変わっていく心情の描写に注目。

    お話の設定はなかなか面白くて良かったのだけど、それぞれのストーリーが浅いままになっちゃったのが惜しい感じがした。

  • 通り魔によって殺害された楠木葉子が、毎年命日に生きている人の身体を一日借りて、自分の死後の世界を確認するっていうサスペンスちっくなストーリー。

    設定が面白くて、読みやすかったけど、ちょっと期待とは違った展開。

    私達が生きている1日の大切さを直接的に語りかけるのではなく、自分がいないとダメだと思っていた世界が、いなければいないでなんとかなる、っていう切ない感じ。
    でも、だからこそ自分がどう生きた いかを改めて考えさせられる。
    終わりかたが、モヤっとしたけど、これはこれでいいのかもしれない。

  •  サスペンスを普段読まないため、話に入っていけるか不安でしたが、読みやすい文体でかつ主人公のみの視点での文章だったので、とてもサクサク読めました。
     とても文章は丁寧できちんとしており、物語の根幹にかかわる蘇りという大きな謎に対して直ぐに自分も不思議感を味わうことが出来ました。
     最初は殺された主人公が蘇りによって謎解きをするのかという期待があったので、サスペンスという物語の流れとはこうなのかなという気持ちで読んでいたのですが、殺された主人公は残された周りの人々が今どうしているのか、ということが気になるようで、自分のいなくなった世界の話を、主人公の視点を通して話が進んでいきます。
     個人的にそういった視点は面白かったのですが、(ここから物語の展開のネタバレになります)、主人公が蘇りに慣れていくにつれ、蘇りの憑依先の人(蘇りは憑依という形で成されます)の立場や人間関係が気になるようになり、それも確かにとても人間的な感覚であり納得できる考えなのですが、行動がどんどん本筋(だと思っていた主人公の殺人)からずれ、さらに主人公の周りの残された人々の話からもずれてしまっていくのがもどかしく思えました。
     その後主人公の取った蘇りの際の行動に無関係に(全く無関係とまでは言えないのですが)、犯人が捕まったので話は終わりを迎えます。
     話の広げ方はとても速かったため、主人公の人柄を理解させる心理描写だったり、時代を知らせる風景描写だったり、物語の前提条件をうまく知らしめられるような、それらの文章の展開のうまさに感心しました。ただ、話の進行や話の畳み方もまた同様で、あっという間に(うまく納得できないまま)終わってしまったので、余韻を味えるようなところがもっと欲しかったなと思いました。
     

  • 発想は面白い。 借りた人自身では出来ないことをやりつつ、自分の事件も解決!ならもっと良かったのに。後半に向かうほど役にはたっているようだが 最初の妊婦さんだけ何かモヤっと。 事件の方は家族の本心が覗けただけで、たいした成果無し。で、逮捕されました。よかったね。って、

  • 通り魔に殺された主人公が自分の命日に他人の身体を借りて1日だけ戻ってくる話。
    最初は自分が死んだ後、家族や婚約者がどうしているかを確認する。しかし、借りていた身体が妊婦でさらに不正出血してしまったことで翌年蘇った時に無事出産できたか気になってしまう。母子ともに無事だったものの、空白の1日に悩まされ躁鬱になってしまったことがわかり、生きている1日がどんなに重いか、を実感する。
    ということが主題らしい。
    あんまり感じることもなく、ただ物語として普通に読めるという感じ。

  • 死者も成長する。
    なんだか葉子も夏美も私に似てるところがあった気がする。
    精一杯生きることを楽しまないといけないなと思いました。

  • 通り魔殺人により殺された主人公が、
    命日に限り他人の身体を借りて蘇る。
    借りた身体の持ち主たちは、
    年齢もバラバラで何の接点もない。
    それぞれ訳ありな事情を持っているが、
    どれも私の気持ちには響かなかった。
    犯人を探すわけでもなく、
    残された家族の様子見のための蘇り?

  • 通り魔に殺された主人公・楠木葉子。命日のたびに1日だけ、誰かの身体に憑依して現世に帰って来る。彼女が身体を借りるのは、妊娠中の女性や霊感の強い少女など、決まってちょっとわけありで、精神状態が不安定な女性。無断で行動する上に宿主の記憶は1日飛んでしまうため、1年後(と言っても、死んだ彼女にとってはすぐという感覚)に別の人に憑依した時は、前回憑依時の人物の安否確認から始まる。
    憑依の条件や、その間の行動、自分なきあとの家族の様子を見ての感情の揺れ動きが妙にリアルで面白い。葉子の妹・夏美が実に嫌な女で、葉子の無念さに思わず共感してしまう。ラスト、山手線の内回りに乗ってまどろむ夏美は2人目を妊娠していて、憑依の条件と合っている。含みのある終わらせ方が怖い。

  • 彼女の命日に誰かの体によみがえってくる、ファンタジックな世界。でも、もしかしてこういうことって実際あったりして!?山手線で寝るのはやめようと思った。

  • 通り魔に殺害された主人公が、命日になると年に1日だけ知らない人の体を借りて生き返えることができるという話

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著者プロフィール

長野県生まれ。青山学院大学卒。1988年作家デビュー。以来、女性心理を追及したサスペンスなどに定評がある。『二重証言』『女友達』『トライアングル』『ふたたびの加奈子』など多くの作品が映像化されている。近著は『夫以外』『神様からの手紙喫茶ポスト』など。

「2017年 『二年半待て』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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