花水木: 東京湾臨海署安積班 (ハルキ文庫 こ 3-26)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758434027

感想・レビュー・書評

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  • 5篇の短編を集めた「東京湾臨海署安積班」シリーズ。
    『薔薇の色』や『聖夜』など、少し趣の変わった作品で構成されている。
    後者での、安積と彼の家族が邂逅する場面には、微笑ましくホッとする。
    目に付くのは、お台場という土地に対する安積の思いとか、部下に対する人物評価など、同じフレーズの繰り返し。
    初めて読む人はともかく、シリーズを続けて読んでいる読者にとっては、些か辟易気味になるのではないか。

  • ふたたび短編集。本作は5つのストーリーが掲載されています。後半3つは安積班シリーズとしてはちょっと異色といいますか、若干ファンタジーっぽい仕上がりになっていると思います。

    「薔薇の色」は『神南署安積班』に収録されていた「刑事部屋の容疑者たち」にちょっと似た雰囲気のお話しでしたね。「月齢」はオオカミ男が登場しますし、「聖夜」も傷害事件の被害者があたかもキリストかのような展開になって…、とこれまでのシリーズでは見られなかった物語に仕立てられています。

    「聖夜」のラストでは速水の粋な計らいで安積が家族のもとに駆けつける、ほのぼのとしたシーンで本作を締めくくり、事件が解決してスッキリという読後感ではなく、安積一家に幸あれ、と声をかけたくなりました。

  • 安積班シリーズ
    安定の面白さ。
    いつもの強行犯係のメンバーが、いくつかの犯罪を解決していく短編集。
    相変わらず個性的なメンバーがそれぞれ活躍する。
    今回は、満月やクリスマスなどの日に、それに関連する事件が発生するのが面白い。

  • 今回も短編集でした。
    須田さん大活躍です。
    花水木→殺人を隠すための狂言が余計に怪しい話になってしまう 須田さんお花にも詳しいンですね
    入梅→コンビニ強盗の話 お台場は住んでいる人が少なく 聞き込みにはむいていない街 村雨さん試験には興味無かった…というよりは、今の職場が気に入っているんですね。
    薔薇の色→これは!スピンオフですね。とてもおしゃれな話でした。
    月齢→何だかみんなイライラしたり 様子が変でした。いつもの皆さんではなかった。そこへ狼男!?満月はいけません。
    聖夜→これも キリストが現れたー!って話ですよ。クリスマスも何が起こるかわかりませんね。

  • 安積警部補シリーズ 第12弾
    ベイエリア分署復活編 第5弾

    5つの短編作。
    ・花水木
    ・入梅
    ・薔薇の色
    ・月齢
    ・聖夜

    事件より、人間模様を描いているような感じ。
    いつものようにサクッと読めます。

    安積の村雨に対するイメージが変わっていくし、村雨のことをうるさがっていた桜井も村雨を認めるようになってきています。

    それにしても人工的な街・お台場を糞味噌にいう今野さんは、赤坂サカスなんかも嫌いなんでしょうね。

  • 月刊 J-novel 2006年 07月号、月刊ランティエ、サントリークォータリー2007年8月Number83、角川春樹ホームページに掲載の4つの連作短編に書下ろし1編を加えて、2007年9月角川春樹事務所から刊行。東京湾臨海署安積班シリーズ5作目。安定の面白さ。

  • 短編集。シリーズもここまでくると多少あきてきた感も否めない。安積班の面々の説明が面倒くさくなっている。初読の人たちのためには必要なのだから仕方ないけど。『薔薇の色』が、ちょっと違っていて面白かった。

  •  さすがにこうも続くとマンネリ感は否めない。連載物とはいえ、初読者のためにいろいろな説明をそのつど繰り返さなければならないのでなおさらだ。いいかげん村雨を理解してあげなよとか思ってしまう(笑)。収載作品も、満月とかクリスマスとかテーマとの結びつきがちょっと無理っぽいところも減点。季節感なんかも飽きられないような一要素なんだろうけれど。その中では異色の純粋安楽椅子物の「薔薇の色」が秀逸。こういう日常推理物はいろんな人が書いているが、速水、安積、須田、村雨の4人だけの一幕物としてよくできている。解説を読んで初出が洋酒メーカーのPR誌だと知って納得。著者にとってはほんの軽い手すさびなわけだ。

  • 「薔薇の色」が好き♡♡

  • ちょっとした人情味のある話がいいね

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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