八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 5955
レビュー : 1032
  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758434034

作品紹介・あらすじ

2020年秋、映画化!角川春樹さん最後の監督作!?

神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。大阪と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・・。
料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!

感想・レビュー・書評

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  • みをつくし料理帖第一作目。
    時は江戸時代、上方出身の澪が様々な苦難を乗り越えながら、
    料理人としての腕を磨いていく時代劇。
    ・狐のご祝儀・・・上方と江戸の味、店に通う人の違いに戸惑いながら
           味に工夫を重ねる澪の姿。主要登場人物の紹介な話。
    ・八朔の雪・・・吉原見物に重ねて、澪の生い立ちと料理人になる
          きっかけが描かれる。幼馴染の野江はいずこに?
    ・初星・・・「つる家」の店主種市が腰を痛め、店を任された澪。
         はてなの飯で評判を取るが他の料理は何か足りない。
    ・夜半の夢・・・とろとろ茶碗蒸しで評判を得たが、それが禍を
         引き込んでしまう。だが多くの手が差し伸べられ、
         澪は再起の道に足を踏み出す。
    ・巻末附録 澪の料理帖・・・物語の副題になっている料理のレシピ。
    蕎麦屋「つる家」で働く澪。
    生い立ちと、上方から来て江戸で働くことになった理由は過酷。
    味の違いや習慣でも戸惑う日々ですが、持ち前の探求心で、
    乗り越えていく姿はなんとも健気。
    そんな澪が慈しむ人々、澪を慈しむ人々。彼等との心の通い合い。
    彼らのほんのちょっとした言葉や行動が美味しい料理にも繋がる。
    その登場人物は皆、個性的。そして謎の部分も・・・。
    雲外蒼天の澪の今後の活躍が楽しみです。

  • 昨年より「天地明察」「のぼうの城」などで、
    自分の中にいわゆる「時代小説」ブームが到来していた中、
    ブクログでちょこちょこみかけ、気になっていたこのシリーズ。

    ちょっとしたご縁で今回ようやく手に取り読むことに。

    近年ソフト時代小説のおかげで、だいぶ読み進められるようにこそ
    なってきたが、「坂の上の雲」以来挫折感が強い時代小説。
    果たしてこれはどうだろう・・・しかもことごとく評価が高い。
    先入観から案外拍子抜けするかも・・・などとやかく考えていた自分に反省。

    なるほど。これには泣かされました。
    少なくともわたしはダメだ。泣いちゃった。泣けちゃった。
    時代小説を、息継ぎなしで一気に読めたのもこれがはじめて。

    実はこのシリーズに出会うとき、最近ようやくゆっくり読書できるようになった母と、共通でなにか同じものを読みたいと探していたこともあって、これなら共有できる作品だと確信。

    食べ物を題材にした小説や映画は、今までたくさん読んだり観たりしてきたけど、これはまた全然違った味わいです。
    料理ももちろんだけど、登場人物が絶妙。
    エピソードも、ひとつひとつが胸に刺さって、決して軽いものではないだけに、あとからその人物を作り上げていく中で深みとなるように設定されているし。

    丁寧に描かれていて、いまさらですが続きを楽しみに読んでいきたいシリーズになりました。

  • お腹が空いて、胸がいっぱいになる
    そんな一冊です。

    とうとう手を付けてしまいました!!
    長年積んでいた本なのですが、読み惜しんで寝かせていても意味がないので…。

    ダーダー泣きました。
    電車の中で、家の中で、そりゃあ泣きました。

    雲外蒼天。
    勘弁してやってよ!とつい声が出そうになるほど
    澪に心入れしてしまった。
    頑張れ頑張れ。


    昔、私が体調を崩すと母が
    『食べたら元気になるお粥』
    を良く作ってくれていました。
    食べると風邪がすぐに治ると言うお粥。
    本当に食べた後は少し体がラクになった気がするんです。
    多分母の魔法入りのお粥だったんでしょう。

    今は私が魔法入りのお粥を娘に作っています。

    気持ちが入っている料理は、物凄く温かくて元気になるんです。

    茶碗蒸し、何度作ってもあまり上手くいかないのですが、無性に食べたくなりました。
    作ろうかなぁー。

  • (2014年8月16日再読)

    澪ちゃんがちゃんと幼い。
    そして思ってたより、気が強い。

    もうどうしても源斉先生目線で読んでしまって、
    もうどうしても全てが最終話のあの場面に行きついてしまう。

    でも改めて読み直しても、なお一層面白く、心に染みわたります。

    読んでなくて読みたい本が山積みでそっちを優先しがちだけど、やっぱり大好きな本をゆっくり読み返すっていいなぁ...としみじみ思いました。

  • 久々にほんわかした本を読んだ。これを読むと丁寧に料理がしたくなる。上方と江戸の食文化の違いが興味深く面白かった。そして野江ちゃん、なんとなくわかっていたけれども泣いてしまった・・人と人とのつながり、ひたむきに頑張る姿、読んでいて心が温かくなれる本でした。

  • 美味しそうなお料理と江戸の様子が身近に感じとれるような臨場感が溢れすぎる(笑)
    食事制限中の私にはかなり酷な話だけど、読み進まずにはいられない。
    明日書店に行って『花散らしの雨』を手にしたいです。
    お澪ちゃん、負けるな!
    どのお料理も食べてみたいが、『とろとろ茶碗蒸し』が一番ヤラレました。
    巻末の付録に話のレシピが載っているのもこの本ならではで良い。
    絶対オススメです。

  • Twitterでフォロワーさんが絶讃していたので、既刊を全巻大人買い。つる家を任された澪が、天性の味覚を武器に新たな料理を生み出していく。

    単なる料理人話でも、人情話ではなく、澪と澪を取り巻く人々の成長の物語でもある。あさひ太夫からの手紙の四文字が明らかになった時、背筋が震えるくらい感動してしまった。

    登竜楼との闘いの行方は…面白い。

  • みをつくし料理帖第一作目。
    心に負担のない感動というか、自然に涙が出てくるような温かさがあってとてもいい。
    辛い過去を持つ人物が多いけどだれもが歪むことなく、それでいてただ綺麗なだけでなく、静かな強さで溢れている。
    ただ料理が美味しそうだというだけでなく、心から美味しいものを食べる人達の顔が浮かんでくる。
    また好きな本に出会ってしまった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「心に負担のない感動」
      通りで人気がある訳だ。此処で薦められて2冊購入済み。今読んでいる本が終われば読む予定。。。
      「心に負担のない感動」
      通りで人気がある訳だ。此処で薦められて2冊購入済み。今読んでいる本が終われば読む予定。。。
      2012/07/02
  • ドラマ総集編みて、原作読んでみたくなって。
    澪が健気で強くて、憧れる。
    周りの人の優しさと強さも羨ましい。
    料理も美味しそうで、
    歴史描写も気持ち良くて、
    いろんな意味で楽しめました。さて、続編を。

  • 澪が8つの時、長雨で淀川が決壊。
    塗師だった父・伊助、そして母わかを亡くした。
    『天満一兆庵』の板場で修業していたが、天満一兆庵が火事にあい
    江戸店の主を任された佐兵衛を頼り旦那様とご寮さんと江戸へ…。
    佐兵衛は行方不明…。旦那様の嘉兵衛は天満一兆庵の再建を願い
    ながら、失意の内に亡くなった。
    化け物稲荷で、蕎麦屋『つる家』の種市と出会い働く事に…。


    大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも、
    天性の味覚と負けん気で日々努力を重ねる澪。
    貧乏だし、様々な苦労をしながらも
    つる屋のご主人・種市や周りの温かい人達に
    支えられ、一歩ずつしっかりと成長していく過程が、
    丁寧に描かれています。

    澪が、初めてご寮さんに会ったシーンや
    種市が澪に好き放題試みをやらせている訳や
    様々なシーンで涙が溢れました。
    一流料理店『登龍楼』には、腹が立った。
    これからも、嫌がらせは続くのかな…。

    澪が作った《ぴりから鰹田麩》・《心太》・《鰹飯》・《とろとろ茶碗蒸し》
    《ほっこり酒粕汁》とっても料理が美味しそう。
    食べたくなりました。

    『雲外蒼天』の澪が今後どうなっていくのかとても楽しみです。
    『旭日昇天』の野江ちゃんと会えるのか?
    小松原様…気になります。

    時代小説に苦手意識があったのですが、
    読み易かったです。

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