墜落 (ハルキ文庫 あ 10-10)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 172
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (573ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758434065

感想・レビュー・書評

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  • 私立探偵畝原シリーズ。
    今回も社会悪と人間悪の渦がたっぷりと。
    悪を悪と認識できない者達が跋扈する。

    女子高生の素行調査からホストクラブに出入りし、その金を稼ぐ為、炭鉱夫の老人に体を売ることを知る。
    猫の首が切断され、死体が庭に投げ込まれる。
    依頼主の駐車場で、二人の老人が殺害される。

    本作は後からじわりじわりとくる苦み走った一冊でした。

  • 最後に畝原家族の明るい未来が見えて泣いてしまった
    今回は娘の仕事への協力もボイントで、家族の絆が描かれていてよかった

  • 明美女史と結婚したのね。おめでとう。
    そして前作「熾火」の幼女を養女にする。
    家族が増えたことを、
    娘たちも喜んでる感じがよく伝わった。


    今回は畝原氏の娘たちが危険な目に合わなかったので
    よかったぁ。


    でも、少年少女は激しく絡む事件は
    やっぱり気持ちを下げさせる。
    彼らの中には最低な奴もいるけれど、
    誰もが、最初から最低というわけではないと思うから。
    最低になる前に出会う大人が最低だったのだ、いろんな意味で。


    鶯宮厳岳の話はちょっと驚いたけれど、
    これが、最初の場面とつながるわけね。


    畝原氏を読んでいると、
    子どもを育てる親の気持ちがの動きが
    畝原氏を通して
    とても上手く現わされるてると思う。
    子どもが小さくても、大学生になっても
    心配は変わらないのだ。
    共感いたします。

  • まぁ面白いな。
    もうちょいで畝原シリーズも完読になる。

  • 畝原探偵シリーズ5作目。

    畝原がとうとう姉川と結婚し、前作で保護された少女を養女に加え、3人の子供と家族を営んでいる。毎回毎回、社会に潜む悪をとことんまで曝け出す重い内容だが、この家族風景があることで随分救われるような気がする。
    ただ、今作は結局何を描きたかったのか、いまいち理解しにくかったかな。若者や老人のキレっぷりをこれでもかとばかりに描いているものの、逆にリアルを失っているような気もする。著者の方、よっぽど今時の若者やらが嫌いなのかしらね。ここまでくると、個人的な恨みつらみを作品上でぶつけられているような気さえしてきた(苦笑)

  •  再読。
     畝原シリーズ。ススキノ探偵シリーズよりは安心して読めるのが畝原シリーズだが、この数作品はどんよりと暗い印象だ。今回も、人間の酷悪な部分が描かれている。前作もそうだったが、若者たちの荒廃ぶりがなんともやりきれない感じで描かれる。作者の視点としてちょっと突き放した感じがするのだが、それが畝原の視点として語られるのが少し違和感がある。
     対照的なのが畝原の家族に関する描写の部分。特に新たに娘になった幸恵との触れ合いの部分は、泣かせる。ただ、事件の話を日常会話として話してしまう部分はちょっと首を傾げる。そんなことを娘に話すかなぁ、と思うのだ。
     

  • 彼は何をしたかったのか・・・
    毎回、東さんの本に登場する若者たちに不快な気分にされるが、今回もそんな若者たちが登場。きっと、今様の若者を筆者は非常に嫌ってるのでしょうね。わからないでもないけど、あんなのばかりじゃないと思うが。

    結局、あのおじいちゃんは何がやりたかったんでしょうね。
    自分が飛び降り自殺するところを見せようなんて、かなり悪趣味。最後の告白本はかなり唐突で、ちょっとひいた。

    少女ももうちょっと何とかしてあげてほしかったなぁ。主人公の娘たち以外の扱いがひどすぎる気がするのは気のせいだろうか。他の若者があまりにもひどすぎるので、主人公の家族との交流がほのぼのとしてよいな~。

    援助交際とか暴力とかえげつない話がつづいているので、このシリーズはまだ未読があるけどちょっと休憩~。疲れちゃった。

  • 畝原シリーズ第5弾 前作を読み飛ばしているため、何かしら時間経過が
    しっくり味わえない。
    相変わらず、ややヘビー感が残りすぎる。
    「熾火」は読もうか、どうしよう。

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著者プロフィール

一九五六年札幌生まれ。本郷幼稚園中退、本郷小学校卒、東白石中学校卒、札幌東高等学校卒、小樽商科大学中退、北海道大学文学部哲学科中退。
現場作業員、ポスター貼り、調査員、ガードマン、トラック助手、編集者、広告営業、コピーライター、受刑者など諸職を転々。
一九九二年『探偵はバーにいる』(早川書房)で小説家としてデビュー。同作は、一九九三年『怪の会』激賞新人賞受賞。
二〇〇一年『残光』(角川春樹事務所)で日本推理作家協会賞受賞。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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