- Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758434126
作品紹介・あらすじ
「みなさんは、この四〇〇〇坪の農地の相続人に指定されております」-土肥という、ごうつく爺さんが所有していた、都内の安アパートに住むワケありの四人。二九歳の広告マン、三九歳のヤクザ、三二歳のホステス、二九歳の大学生が、土肥爺さんの遺言により、初めての有機農業に挑むことに…。旬の山菜、キノコ、レモン、ミカンなどを愉しみながらも試行錯誤を繰り返す四人は、果たして相続人の資格を得ることができるのか?
感想・レビュー・書評
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人に面白いと薦められて読んでみた。これは確かに面白かった!少し前に自分が自然農法に関する本をいくつか読んでいたこともあってタイムリー。バブル期に大家のごうつく爺さんから都心の一等地の農地を相続した4人が遺言に従って悪戦苦闘しながら有機農法を行っていくが…というストーリー。農園の豊かな自然から採れるキノコ・山菜・果実といった食の醍醐味や素人が農業を行う大変さ、作物の路地売りビジネスの機微、ビオトープという都心の楽園の夢、バブルの終焉と不動産投機の末路など、様々な要素が散りばめられていて楽しめた。
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急逝した大家さんの遺言により、農地の相続人となった店子4人。ただし相続の条件は…。農業に関して全くど素人の4人が有機農法で色んな作物を育て、販売し、さらには地域活動にまで発展させていく過程はそれこそ植物の成長を見るようで楽しい。けどいくら小説とはいえ、順調にいきすぎではないかと。一応学生以外の3人は本職を抱えながらの兼業なので、できるだけ手間も時間も省ける方法をとってはいるんですけど、なんだかんだで固定資産税を払えるだけの売上をだしてるんですね。会話の不自然さはユーモア小説だからと流せるけど、農業がそんな簡単でいいのかという疑問がつきまといました。
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2009/12/24