安積班読本 (ハルキ文庫 こ 3-28)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.25
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本棚登録 : 238
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758434195

感想・レビュー・書評

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  • 短編が1本と作者のインタビューと作品解説という
    この手の本としては定番の構成だと思う。

    まず驚いたのが今野敏氏のキャリアの長さと多作さである。
    この本が出たのが2009年7月だということだが、
    読んだ覚えのある本が10冊以上著作リストに入っていなかった。
    更にこの本が出版された時点で
    安積班シリーズは20年以上続いていたことにも驚いた。

    ブックガイドでありながら、温度としてはファンブックに近い感じ。
    登場人物紹介や全作品解説の文章から
    それぞれに対する愛情が透けて見えた。
    思い入れのある人物が書いた文章、という気がする。
    そういうところもシリーズに歴史あり、ということか。

    間に挟み込まれているコラムもそれぞれに興味深く読めた。
    『87分署シリーズ』が日本の刑事ドラマに与えた影響や
    刑事コロンボの原作だった、という事実など
    翻訳モノの警察小説は読んだことがなかったけど
    読んでみようという気にさせる情報が満載。
    警察組織図の解説は、他の警察小説を読む際にも参考になると思う。
    東京湾岸警察署案内は、そのままお台場の歴史に通じるところが面白い。
    1986年にまだ更地だった青海での野外イベントに行ったなぁ、などと
    懐かしい気持ちになった(何のイベントかは判る人には判る筈/笑)。
    東京ベイエリア、という名称が使われたのはそのイベントが最初だと
    個人的には思ってるので、そういう意味では感慨深い。
    というかそう思っていたことすら忘れていたので、思い出せたことが嬉しかった。

    『安積班読本』なので安積班シリーズに特化するのは当然のことだが
    ちらっと出てくるSTの青山くんのことなどももう少し詳しく見てみたい。
    更に欲をいえば、巻末の著作リストは出版順ではなく
    シリーズ毎、時系列順に記載してもらえるとありがたかった。
    多作ゆえシリーズが多すぎて混乱してしまうので。

  • 安積班シリーズの入門書といった趣の本。短編1作を収録。
    書き下ろしで無いのが残念ですが、未読だったので楽しんでしまいました。安積と速水のやりとりに思わずニヤリ。
    今までプレハブの急ごしらえだった「東京湾臨海署」が、次作からはついに新庁舎に。
    しかし中身は決して変わることがないであろう安積班の活躍がこれからも楽しみです。

  • ベイエリア分署シリーズをはじめとする安積班シリーズの解説本。シリーズの振り返りに好適。くわえて冒頭には短編ですが新作も掲載。

    ここまでに刊行されたシリーズ全作に関する解説もありますので、どの巻がどの話しだっけ、といった記憶を整理する役目も。安積班シリーズをこれから読む、という人のガイド本としてもよいかもしれません。

    とはいえストーリーとしてのオモシロさはありませんので、星は標準の3つとしました。

  • 安積班シリーズの解説本。

    文庫特別短編「境界線」収録。

    登場人物紹介や安積シリーズ全作品紹介など。


    「境界線」はまあ普通でした。

    作品紹介では、「ああ、こんな話があったよなぁ」と思い出しながら読了。

  • 安積班シリーズをこれからも楽しむ為に読んでみた。

  • この物語を知らずに借りて読んだので。。。今度読んでみたい。

  • 1988年から現在まで書き続けられている人気警察小説・安積班シリーズ。著者・今野敏氏のインタビューから迫る安積班のルーツや、登場人物紹介、全作品解説、安積班マップなど、シリーズの魅力を余すところなく網羅。さらに文庫初の特別短編『境界線』を収録。 (「BOOK」データベースより)

    安積班シリーズのファンのための読本。
    ファンにはたまらない内容です。
    収録されていた短編「境界線」がとてもよかった。
    短編ながら「安積班シリーズ」の魅力溢れる、温かいストーリー。

    全作品解説を見ると、ほぼすべて既読でした。
    このあと出版されたものもあり、現在16冊となっていますが、未読は3冊。
    全部読み終わっちゃったらつまらないなあ。
    でも早く読みたいとも思います。

  • これに収録されている短篇や「蓬莱」のように、警察外部の
    第三者目線で見るとやたらと格好良い安積。
    このシリーズは、彼を「割とダメなオトナ」として眺めながら読むのが楽しい。

    この本に掲載されているインタビューを読んで、キャラクター目線での
    村雨評(印象)が執拗に酷である理由が腑に落ちた。

    村雨の一挙手一投足を気にしまくる安積に村雨の想いが伝わる日を
    心底願っているのだが、改善はされても解消は無理そうだ。哀しい。

  • ガイドブックと言ってもいいような本

     登場人物や背景が記される。ま、こんなもんかな。少し古いけどね。

  • 短編が1本以外はインタビューや解説など

    短編はハンチョウらしくていい

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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