危険なケータイ (ハルキ文庫 よ 1-13)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 67
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758434232

感想・レビュー・書評

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  • とても怖い。
    周りでいつでも起こりうる恐怖。
    暗くて重い気持ちで読み進んだが、最後は少し心が軽くなった。
    女性の素敵な上司・友人に恵まれているさくらにほっとした。
    ーーー
    入社三年目の会社員・入江孝は恋人・浅川さくらのヌード写真を、ケータイカメラで撮ってはパソコンに保存して「お宝」としていた。だが、そのパソコンがウイルスに感染。禁断の画像と会社の極秘ファイルがネット上に大量流出。裸と痴態を日本中にさらしたうえに会社を危機的状況に陥れ、恥辱と非難の渦に巻き込まれた。とくに女性のさくらは自殺以外に手段はないところまで追い込まれる。絶望のどん底から、彼女は立ち直れるか? 『ケータイ紛失!』につづく《決して他人事とは思えぬ恐怖体験シリーズ》第二弾!

  • 主人公カップルがバカすぎて笑える
    でも自分の身に降りかかったら怖い

  • これは怖い。
    現代のホラーとも言うべき、個人情報の漏洩がどんなに危険なことなのかを、改めて知らされる1冊。
    デジタル社会における個人情報の漏洩が、バーチャルな生活の中に否応なく入ってくる。
    ずっと社会問題になっているのに、いまだに絶えないWinnyからの情報漏えい。
    誰もが自分だけは大丈夫なんて思っているが、落とし穴はどこにでも潜んでいる。
    そんな罠に、プライベートな写真や私信であるmail、そして社外秘の情報がまとめて流れてしまうとどんなことになるのか?
    そして漏洩を面白がって騒ぎ立てる、悪意がないと自分たちでは言っているネット住人の祭り騒ぎ。
    そんな中に巻き込まれてしまったら、どうやって自分を回復すればいいのだろうか?
    曲がりなりにもIT関連の仕事を長年やってきてはいるが、やっぱり自分も、自分だけは大丈夫と思っているこの現実にゾッとした。

  •  会社員の入江孝は、恋人の浅川さくらに自分の思うままのポーズを要求して写真を撮ったり、時には自分たちの営みをそのまま動画で録ったりしては自分のパソコンに保存していた。そして入江はさらに、そのセキュリティの危険さから今どき誰も使わないようなソフト・ウィニーで卑猥なファイルをダウンロードした結果、自分のパソコンをウイルスに感染させ、数々のデータを流出させてしまう。ネットを通じてあちこちにバラまかれてしまった自分達の痴態が、2人の人生を大きく狂わせる。

     なんだか全体的にチープな感じで、怖いとか可哀想とか反面教師にしようとか、そういう感想が出てこない。確かに登場人物達は大変な目にあっているのだけれど、なんか軽い。入江に同情の余地は無いうえ、社会的に抹殺されてからの思考回路の狂いっぷりが気持ち悪すぎる・・・。浅川の方は被害者といえば被害者だが、それをとりまく家族や会社の人間にあまり恵まれていないなぁと思ったくらい。ネットへのプライバシー流出・・・もっと心理的に怖い、追いつめられる感じを期待(というのも変だけど)していたんだけどなぁ。

  • 彼女のヌード写真や動画を撮り、パソコンに保存していた男。PCがウイルスに感染し、ネット上に大流出。それだけではなく、企業秘密や家族に対する悪口なんかを綴ったメールなんかも流出し、ネットで大きな祭りになる。
    瞬く間に家族や友人、会社関係の人も知る事になり、二人は別々の場所で、死を決意する..
    あまりにもありえる話で、実際こんなことになったらもう死ぬしかないわなぁと、事の成り行きをハラハラしながら読んだ。
    ラストは一応ハッピーエンドで、ホッとした。
    こわいこわいウイルス怖いPC怖い携帯怖い。

  • デジタル社会は恐ろしい
    2009.8.2

  • こんな写真が世間に流れたらいやだなぁ。。。男女の違いってあるけど、本当に男性は本能で生きる人が多いよね。って思ってしまう作品。読みやすくて、ありえそうな状況で、ハラハラするけど、最後は救われる気分になりました。

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著者プロフィール

東京生まれ。一橋大学卒業後、ニッポン放送ディレクター、編成プロデューサー、 扶桑社書籍編集長を経て1990年より専業作家。
1986年扶桑社在籍中に執筆した『Kの悲劇』でデビュー。2009年10月発売の『蛍坂』が200冊目の著作。
2011年9月ライフワークの『魔界百物語』がスタート。100本の書き下ろしミステリーに挑む。

「2012年 『幻影城の奇術師』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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