想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)

著者 : 高田郁
  • 角川春樹事務所 (2010年3月1日発売)
4.24
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758434645

想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 料理人といってもピンからキリまでいろいろだ。
    富三のように恩を仇で返す者もいれば、元登龍楼の板前・末松のように労せずに益を得ようとする者もいる。
    彼らにとっては、料理は生きていくための手段でしかない。
    だから料理に対して深い思い入れもなければ、料理人としての誇りもない。
    まして精進する気持ちなどあるわけもない。

    高い代金を払わなくても心から笑顔になれるような、ほっと心まであたたかくなれるような料理を作りたい。
    澪の思いは一途で純粋だ。
    心の在り様は、そのまま料理の味にあらわれていく。
    最高の調味料は愛情。
    そんなキャッチコピーのような表現がある。
    気持ちの問題であって、味には関係ないだろう。
    そんなふうに思っていた。
    けれど、みをつくし料理帖を読むようになって、もしかしたら本当にそうなのかもしれない・・・と思うようになった。

  • みをつくし料理帖シリーズ3作目。ですが他2作読めてません。。。
    澪の料理人としての心意気、そんな澪のふるまう料理食べたさに通う馴染み客の顔ぶれ。
    高級料亭ではないけれど番付にも載った料理人としての自負。
    江戸には鱧が流通していなかったため、さばける料理人がおらず、ひと悶着の末、澪が腕をふるうことになり…鱧は貴船の川床でも出ますが、ここでは梅をつけて食べるのではなくとろみをつけた葛餡をからめていただきます。

    いやがらせにあって店の経営が危ぶまれたりもするのですが、それを通してさらに一回り成長する澪。
    ふきと健坊のところ…泣いてしまった。
    前作未読なため野江のくだりについてはこみあげてくるものがないのですが、俄行列の美しさがただただかなしい。
    「お狐さぁん」「こおん、こん」…

    「う尽くし」「鱧の葛叩き」「菊花雪」「あぶり柿」などお料理の描写も見事でお腹が…。
    あたたかい気持ちになれる本です。

  • シリーズの三作目。
    常にお客で賑わう『つる家』。様々な出来事が、小さな幸せの中にある澪たちの歯車を狂わせていきます。
    前作で感じた強さは澪になく、まだ残る彼女の幼さばかりが気になりました。

    料理は言わずもがな、『再会』が本作のテーマです。
    偶然の再会、念願の再会、腸が煮えくり返るような再会、安堵の再会。人だけでなくモノとの再会も。白狐に囲まれての再会の場面がとても幻想的で、澪が感じたその場の空気が私の肌にも伝わってきました。

    辛抱と精進。
    澪らに試練を与え、大切に育てていこうとする作者の愛を感じました。
    次、おかわり!

  • (2014年8月21日 再読)

    ドジョウ髭の坂村堂が登場して、元天満一兆庵の奉公人で佐兵衛の顛末を知る富三に騙されご寮さんは簪を奪われてしまいます。
    澪は翁屋で鱧料理を振る舞い、ついに野江と再会。
    女料理人やつる家を語る店のせいで、食あたりの濡れ衣をかけられお客が来なくなってしまい、澪は又次に助っ人を頼んでお酒を出す「三方よしの日」を始めます。
    そしてふきの弟、健坊の迷子騒動。

    こうして、もう一度みをつくしの歴史を辿ると懐かしく感慨深いよね。

  • 三作目。
    いつも読み始めるとあっという間に読んでしまう。
    りうさん、いい味出してる。歯がないお婆さんという設定もいい。
    澪があさひ太夫と会えるか会えないかの場面では心臓がドキドキした。ふたりを会わせようと、狐のお面で踊る遊女たちが澪を囲むところが、典雅で奇妙でとても好き。

  • みをつくしシリーズ3作目。人に裏切られたり、嫌な思いをしたりと、様々な波乱があるけれど、天を見上げながら、決して諦めない姿が、本当に印象的でした。そして、吉原のあさひ太夫とのシーンでは、胸が熱くなりました。
    どんなことがあっても、変わらぬおいしい料理を届けることこそが、真の料理人。澪がこれから、料理人として、どのように成長していくのかがとても楽しみです。そして、小松原への想い、美緒の源斎への想い。恋する姿がとてもいじらしく、二人の恋もどうなるのか気になります。

  • 不味い。

    第三段にして、こんなに感動させられるなんて。暫し手を止めるくらい、凄かった。

    表題作「想い雲」は、坂村堂に似た泥鰌から始まり、源斉先生の母が持ってきた鰻を巡り、美緒の拙い想いを感じる。
    でも、そんな所では終わらない。
    そこから、鱧を捌ける料理人として澪が吉原に向かうことになるのだ。

    野江と澪の再会を、涙なくして読めるわけがない。

    それも、化け物稲荷の微笑みにずっと祈りを馳せてきた澪が、神狐に粉した野江と、ほんの僅かな出逢いを果たすのだから。
    こんなにも素敵な情景を読んだことがない。

    高田郁の言葉の力、描きたい光景を丁寧に読み手に伝えようとする姿勢に、頭が下がる。

    続く「花一輪」では「つる家」に新たな名物が生まれ、最後の「初雁」ではその名物を元にして澪が自身の傲りを戒める。

    シリーズではあるが、一冊として非常に完成度が高かったなあ。
    この先の澪と野江がどうなるか、今の私に知る由もないが「再会」というもう巡ってこない一つのクライマックスを迎えたと思う。

  • みをつくし料理帖シリーズ第3弾。
    やっぱりいいですねぇ・・・
    ほのぼのとした優しさや、胸をぎゅっとつかまれるような切なさ。
    辛いことがあっても顔をあげてまっすぐ前を見て歩こうと思う強さを思い起こさせてくれる。
    続きが読みたい!

  • このシリーズを読むと、無性に料理が作りたくなる。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「無性に料理が作りたくなる。 」
      無性に和食を食べたくなる。
      2014/06/06
  • みをつくし料理帖シリーズ第3弾。
    毎回、ジーンとし涙が出てくる。。
    今回、電車の中で読んでたので大変でした(笑)
    小松原さんの存在が凄く気になります。。。

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