想い雲―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-3 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 5385
感想 : 608
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758434645

作品紹介・あらすじ

土用の入りが近づき、澪は暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませていた。そんなある日、戯作者・清右衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる家」を訪れる。澪の料理に感心した食道楽の坂村堂は、自らが雇い入れている上方料理人に是非この味を覚えさせたいと請う。翌日、さっそく現れた坂村堂の料理人はなんと、行方知れずとなっている、天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と共に働いていた富三だったのだ。澪と芳は佐兵衛の行方を富三に聞くが、彼の口から語られたのは耳を疑うような話だった-。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第三弾。

感想・レビュー・書評

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  • 春樹暮雲(しゅんじゅぼうん)

    《杜甫「春日憶李白」に「渭北春天の樹、江東日暮の雲」とあり、長安(渭北)に住まう杜甫が、はるか遠く揚子江付近(江東)を旅する友人李白を思ったところから》遠く離れている友を思う心の切実なことを表す語

    互いに互いを思う幼なじみ澪と野江の一瞬の再会に涙する『みをつくし料理帖』の三
    くぅ〜ってなるよね
    くぅ〜ってならない奴ぁたたっ斬る!
    クズ料理人の富三と末松もたたっ斬る!

    それにしても小松ばーらよ(澪が想いを寄せる武家人)もっと澪に優しくしたってや
    いやでもそんなことしないのが小松ばーらの良さなんだけども
    くぅ〜歯がゆいw

    それにしても澪と野江の再会シーンの描写がすんばらしかったです!
    一読の価値あり!いや一読の価値ありでありんす!(言い直した意味!)

    • 土瓶さん
      あれ?
      意外に悪くないな。
      実はラッパーだったんですね。

      ラッパー…………。
      ダメだ。何も思いつかない
      ┏⁠(⁠^⁠0⁠^⁠)⁠┛♪♬
      あれ?
      意外に悪くないな。
      実はラッパーだったんですね。

      ラッパー…………。
      ダメだ。何も思いつかない
      ┏⁠(⁠^⁠0⁠^⁠)⁠┛♪♬
      2022/11/24
    • ひまわりめろんさん
      俳人でありラッパー
      さすがカリスマレビュアーとか言ってもいいんやで
      俳人でありラッパー
      さすがカリスマレビュアーとか言ってもいいんやで
      2022/11/24
    • 1Q84O1さん
      ひまわり支障(師匠)脱帽です  ヮ(゚д゚)ォ!
      ひまわり支障(師匠)脱帽です  ヮ(゚д゚)ォ!
      2022/11/24
  • 激しいジェットコースター並みに事件が起こる巻だった。
    だから読むの止まりません。

    背景は江戸時代だけど、起こっていることは現在にも置き換えてあり得そう。違いと言えば、ここにはまだいい意味での「義理人情」がしっかりあるところかな。次巻も楽しみだ!

  • やっとやっと会えたでありんす(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
    お澪坊と野江ちゃんが‼︎

    吉原で、ちょっとだけ、狐で…
    うわぁ〜泣ける(/ _ ; )

    又次がちょっと気になってます…
    小松原に恋するお澪坊が可愛くて切ない…
    富三!末松!腹立つわ‼︎


    腹が立つやら心配してオロオロするやら
    第三弾もホント色々とありましたよ!
    てんこ盛りでお腹いっぱい♪
    めちゃくちゃ面白いだす(〃ω〃)


    • hibuさん
      初めてコメントさせていただきます。

      もう僕の気持ちを代弁してるかのような感想にすぐさまフォローさせていただきました。

      第1巻から3巻まで...
      初めてコメントさせていただきます。

      もう僕の気持ちを代弁してるかのような感想にすぐさまフォローさせていただきました。

      第1巻から3巻まで、わかる〜わかる〜って共感しながら読ませていただきました。

      きっと数日後には私が読んだ分はあっという間に抜かれると思いますが、みんみんさんのレビューで楽しませていただきます♪

      今後ともよろしくお願いします^_^
      2023/01/03
    • みんみんさん
      hibuさん!ありがとうございます(〃ω〃)
      こんな勢いにまかせたレビューに笑
      わたくしこう言う作品大好きです♪
      これからもよろしくお願いし...
      hibuさん!ありがとうございます(〃ω〃)
      こんな勢いにまかせたレビューに笑
      わたくしこう言う作品大好きです♪
      これからもよろしくお願いしますぅ(^.^)
      2023/01/03
  • みをつくし料理帖の第3弾。

    毎回、主人公の元には困難がつきまとうが、周りの人達の助言も受け入れながら、しなやかに成長していく様が心地よい。

    また生き別れになった親友とのほんのちょっとだけの再会も胸に迫るものがありました。

    やっぱりいい作品!オススメです!

  • 展開が面白く、読むのをやめれないようになってきました。
    とても良い人たちにかこまれて一生懸命働く澪さんが輝いています。
    ふきちゃんの弟 健坊の話は泣ける話でした。
    料理の中では「ふっくら鱧の葛叩き」がおいしそう。
    鱧の季節になったらぜひ試してみたいと思います。
    これからもどんどん話がすすんできそう。
    次の巻が楽しみです。

  • ウナギは高価でなかなか口にできない食材の一つだが、江戸時代もそうであったようである。ウナギの開き方が江戸と上方(関西、大阪)では、背開きと腹開きで異なるという食文化の違いも語られる。武家社会で「腹を切る」ことを嫌う武家の考え方が、江戸の文化の中にまで浸透していることがわかる。そして、江戸ではウナギを焼いて(白焼き)、蒸して、その後タレをつけて再び焼くう工程が手間がかかるゆえ、ウナギはさらに高価なものとなる、という説明も説得力がある。

    上方では夏には、ウナギではなくハモを好んで食したとある。するどい歯を持つハモは、当時の料理人でも扱いは要注意だったそうである。そして、ウナギやアナゴといった長物にも共通するが、その血には毒性があり、生食は危ないという知識も語られる。江戸ではハモは獲れず、だから江戸にはハモを捌く料理人がいなかった。そこで、かつて上方で料理修行したつる家の料理人、澪の出番となるのだが、澪が「女」であるがゆえに蔑まれることとなる。名だたる料理人たちが、ハモに噛まれ、その毒に指を腫れ上がらせて痛みに苦悶している横で、涼しい顔でハモを捌いてみせてもなお、澪の料理人としての腕に懐疑的な視線は注がれる。当時の女性の立場が、よくわかる場面である。

    物語はウナギやハモを通して、かつて澪が奉公していた上方の名料理店のいわば江戸の支店でもある「天満一兆庵」の失踪してしまった主人で、澪を我が娘のように世話している芳の息子である佐兵衛の謎(の一端)が明かされる。その過程で、公設の遊郭でもあった「吉原」の特異性もまた描かれることとなる。当然、そこには廓に生きる女性たちの逞しさと悲哀が、巧みに織り込まれていることは言うまでもない。

    人と人のつながりは、別のつながりを通して、時に悪人も呼び寄せる。何とか人を騙し、欺いて生きていこうとする人も、『みをつくし料理帖』の中では勧善懲悪の原則に忠実に退治される。こうした人間模様もまた人情噺の一環なのだと知らされた。

    澪の活躍はまだまだ続く。そして、幼馴染の野江、こと吉原遊郭の伝説の「あさひ太夫」との再びの邂逅はどうなるのか? さらには澪がひそかに抱く小松原への淡い恋心の行方はいかに? 行間から立ち上る料理の匂いや色彩もさることながら、『みをつくし料理帖』シリーズはいくつもの読みどころを持って続く。いつしか読み始めたら、止まらないシリーズとなってしまった。

  • 「天災を除いて世の中で一番恐ろしのは、妖怪でも化け物でもなく、生きているひとだと思う。だが、恐ろしいのもひとだけれど、同時にこの上なく優しく、温かいのもひとなのだ」胸に残る言葉です。

  • シリーズ第3弾。
    順調に営業を続けるつる家にある一人の上方料理人が、常連さんの口利きでやって来る。その人物は澪がかつて仕えていた天満一兆庵の若旦那・佐兵衛を一緒に働いていた人物だった。佐兵衛の行方を知っていると思われる人物に、佐兵衛との再会の望みを託す澪と芳だったが…
    上京し、いろいろな人と出会い、その出会いの中には、いいことばかりではないことも、きちんと描いているのが、この作品の魅力だろう。裏切られても、また前を見て、進んでいく澪の姿に心が打たれる。
    自分も道に悩んでいる時に読むと、さらに澪の姿に頑張ろう!と思わせてくれる。
    そして、つる家を支える面々。
    決して、血のつながりがある訳ではないのに、お互いに支えあい、優しい言葉だけでなく、時には厳しいことも言い合える。今の世の中で忘れられている、何気ない人間関係を思い出させてくれるような気がする。

  • あっという間に三巻目読了です。
    お気に入りは表題の「想い雲」…。
    澪の逞しさと一途さも胸をうつお話なのですが、花魁たちが被る白狐面の集団の中での出来事が幻想的で、切なくて胸がいっぱいになりました。何度も繰り返し読み返してしまう場面です。

    毎度のことながら、事件の起こし方が上手いです。料理もののまったりなイメージとは異なり、店としての存続の危機や、引き裂かれた友人との切ないやり取り、行方不明の人物の行方や、登場人物の謎が明かされていく出来事、などなど、先を読みたくなる要素が満載です。
    また、事件が起こったあとのおさめ方もうまい。感情的になってしまう人もいれば、冷静に物事を分析し、いさめることもある。ストーリーも見事ですが、厳しい判断もできる人物の投げ込み方が見事なので、万事解決ではなくても、さっぱりと終えられる。肝が据わった芳さんや、りうさんの言葉に何度背筋をただしたことか。

    今回もおいしそうな料理が満載。そのうちレシピを頼りに作ってみようかと思います。

  • 料理人といってもピンからキリまでいろいろだ。
    富三のように恩を仇で返す者もいれば、元登龍楼の板前・末松のように労せずに益を得ようとする者もいる。
    彼らにとっては、料理は生きていくための手段でしかない。
    だから料理に対して深い思い入れもなければ、料理人としての誇りもない。
    まして精進する気持ちなどあるわけもない。

    高い代金を払わなくても心から笑顔になれるような、ほっと心まであたたかくなれるような料理を作りたい。
    澪の思いは一途で純粋だ。
    心の在り様は、そのまま料理の味にあらわれていく。
    最高の調味料は愛情。
    そんなキャッチコピーのような表現がある。
    気持ちの問題であって、味には関係ないだろう。
    そんなふうに思っていた。
    けれど、みをつくし料理帖を読むようになって、もしかしたら本当にそうなのかもしれない・・・と思うようになった。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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