挑発者 上 (ハルキ文庫 あ 10-12)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 146
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758434713

感想・レビュー・書評

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  • 再読。探偵畝原シリーズ。

    面白い、面白いけれど、話が長い。
    回りくどいというか・・・

    いろんな風呂敷広げて
    結局どれが本筋か見えにくくなるように感じた。

    世の中に起こる事件の数を思うとより
    リアルってことなのかもしれないけれど。

    でもさ、わけわかんない商法や
    わけわかんない集団のこと書くと上手いなぁ。
    絶妙な嫌感が絶妙に表現されている。

    畝原氏は真面目で好きな主人公。
    お父さん、ガンバレ!って思うんだよねぇ。

    時代を感じる丁寧なメールの文章が笑える。
    メールの返信の冒頭が「○○様メール拝受」って!
    今使う人いるのかなぁ。



  • 私立探偵畝シリーズ第六弾。
    エスパーを名乗る新興宗教というかマルチ商法の男から、被害者の目を覚まさせてくれ。
    そんな、依頼から始まる。
    上巻では、伏線が張り巡らされ、まだ物語進まず。
    下巻に期待。
    にしても、何で上下巻に分けたんだろ。
    いつも一冊で、十分分厚いのに。

  • シリーズものは1作が気に入ると、あとは安心して読めるものである。

    エスパーと自称する詐欺師、巽の学歴詐称を人前で暴いた畝原。

    しばらくして、男の惨殺死体が発見された。ロードローラーでひき殺されるという無残なものだった。

    どうやら、被害者は巽の悪事を証言した男性らしい。

    一方、畝原は夫の浮気調査をその妻から依頼されるが、妻の態度に不信を抱く。

    陰惨な殺人事件、座りの悪い出来事、気味の悪さや不穏な空気をはらんで物語は進行する。

  • 唐突に始まる話の中で唐突に一人称が私から俺に1回だけ代わる。
    大丈夫か?と疑問がよぎったが、なかなか読ませる。

    いくつかの話が同時に進む。
    そしてシリーズものらしいことに気づく。
    前編を知らないので読むのを辞めるか悩みながら次へ。

  • 本作とは別の「便利屋シリーズ」でも同じですが、東作品の根元にいつも怒りを感じます。そのせいか、「イヤ~なヒト」を描くのが非常にうまい。善良な人を煙に巻く詐欺師、腐敗政治家、勘違いした若者など、その「イヤさ」はある意味絶品です。
    私は好きな作家ですが、前述のようなところが女性や若い人にはダメかも知れませんね。
    まだ前篇なので、作品の評価は後編で。

  • 東直己は見つけるたびにゲットする作家のひとりです。
    もう大体読破してしまっておりますので、未読のヤツを見つけると嬉しいのですが、待ちきれなくなって単行本で買ってたのに、つい忘れて文庫でも買ってしまうというマヌケなコトもやってしまっております。

    この作品は畝原シリーズのなかの一作です。
    どうもススキノ探偵の『俺』シリーズとダブってしまうのですが、こちらは畝原シリーズです。
    シリーズを重ねることで、主人公の畝原のまわりも変わってきております。昔は子連れのバツイチ探偵だったのが、今では3人の子持ち探偵です。
    昔彼女だった教育カウンセラーさん(子連れのバツイチ)と結婚しております。
    娘は小学生だったのが、今は立派な大学生で、家族4人と弟子の貴くんとビール飲んだりもしております。
    お互いの連れ子と、とある事件で関わった子供を養子にしての5人家族です。

    畝原は北海道のキャバ嬢ナンバーワンを決めるコンテストのためのキャバ嬢の素行調査や、インチキ宗教の正体を暴く仕事や、旦那の浮気を疑う女性のための旦那の素行調査などの仕事をこなしながら、また重大事件に巻き込まれます。

    それぞれの調査が微妙に絡み合いながら、かなりハードボイルドな日々を描いております。
    北海道、大体札幌、主にススキノ周辺を舞台に、話が展開していきます。

    脇役に個性的な人物を配置して、事件はやがて大団円に…。

    今回も少し哀しいコトもありましたが、概ね上手く落ち着いたかな?というのは、畝原の成長の証かも?と思いました。

    これからもシリーズは続いていくとは思いますが、特に姉妹はどのように育っていくのか?いつ奥さんと養女の心の傷は癒えていくのか?が特に気になります。
    貴がこれからどう成長していくのかも気になりますね。
    こういうと、なんか畝原になったようなかんじがしてしまう、そんなシリーズです。

  • とても面白かった。東直己さんらしい、登場人物それぞれのキャラクターが際立った小説。真由が好き。

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著者プロフィール

一九五六年札幌生まれ。本郷幼稚園中退、本郷小学校卒、東白石中学校卒、札幌東高等学校卒、小樽商科大学中退、北海道大学文学部哲学科中退。
現場作業員、ポスター貼り、調査員、ガードマン、トラック助手、編集者、広告営業、コピーライター、受刑者など諸職を転々。
一九九二年『探偵はバーにいる』(早川書房)で小説家としてデビュー。同作は、一九九三年『怪の会』激賞新人賞受賞。
二〇〇一年『残光』(角川春樹事務所)で日本推理作家協会賞受賞。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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