ラ・パティスリー (ハルキ文庫 う 5-2)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 668
感想 : 109
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758434737

作品紹介・あらすじ

森沢夏織は、神戸にあるフランス菓子店"ロワゾ・ドール"の新米洋菓子職人。ある日の早朝、誰もいないはずの厨房で、飴細工作りに熱中している、背の高い見知らぬ男性を見つけた。男は市川恭也と名乗り、この店のシェフだと言い張ったが、記憶を失くしていた。夏織は店で働くことになった恭也に次第に惹かれていくが…。洋菓子店の裏舞台とそこに集う、恋人、夫婦、親子の切なくも愛しい人間模様を描く、パティシエ小説。大幅改稿して、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 関西に出店している洋菓子店のお話。舞台化されたので存在を知り、いつか読もうと積読してあったもの。
    最近続けてファンタジー的な本を読んでいたからか、最初の展開はパラレルワールドの話!?と思ったが、そうややこしく考える内容ではなかったようだ…。
    読み進めるにつれ美味しそうな洋菓子の数々に頭の中はいっぱいになり、思わず読むのを中断してケーキ(パウンドケーキだが)を焼きに行ったほど。美味しいケーキが食べたくなる!素敵なケーキ屋さんに入ってショーケースの中の可愛いケーキ達を見た時の幸せな気持ちを読んでいて味わえた。
    ただ、関西のお話だと文中に表記されていなかったら分からない。関西色はあまりなかったかな。関西を舞台にしている事を表すなら、一人くらい関西弁のパティシエが出てきても良かったかも。(吉野さんとか…)

  • 美味しいものが出てきて、なおかつ日常的なミステリー…が読みたくて、「ショコラティエの勲章」を探していたけど在庫がなかったので、ひとまず前作にあたる、こちらから読んでみることに。

    おっ!さっそく謎のパティシエ市川恭也が登場…この登場は面白い。対して、主人公夏織や洋菓子店の日常、現状などが綴られながら、さらに、舞台となる洋菓子店ロワゾ・ドールに訪れる「あの(時の)味」を求める客人たちの謎解きも挟み込まれて…。ついに恭也の謎も解り…。ちょこちょこ色々なストーリーが織り込まれていて、大きな謎解きは無いけど、面白くさくさく読めた。

    ケーキに例えるなら、地味だけど丁寧につくられた定番のショートケーキ。インパクトは強く無いけど万人受けする優しい味。
    で、ショートケーキ美味しかったから、今度は違うケーキも食べたいなぁ思わせられた作品。
    なので次は取り寄せた「ショコラティエの勲章」か、5年後の話の「菓子フェスの庭」も食します。

  • 主に出勤時に読んでたので洋菓子の洪水に朝からどっぷり浸かりました。面白かった。
    洋菓子食べたくなります。独立した店舗のある洋菓子店のケーキを。
    お話は全く甘くなく、記憶障害のパティシエによって伝統を守りつつ変化もしていく洋菓子店と新人菓子職人の奮闘記でした。悪人が一人もいなくて全員全力で気持ちが良い。
    読み友さんのおすすめをようやく。上田早夕里さんはSFでなくても面白くて好き。シリーズ読みます。

  • 上田早夕里さんを全く知らなかったし、いつも本を買うときはレビューを見てから買うんですが、それもほとんど見ずに、表紙買いをしてしまった小説です。
    古本屋さんでタイトルが良いなって思って手に取ってみたら、表紙のイラストが中村佑介さんで、なんかお菓子の話っぽい!かわいい!って思って買いました(笑)

    読み始めてみたら私好みの小説でした。
    何よりもまずお菓子がおいしそうです。
    おいしいコーヒーまたは紅茶とケーキを食べながら読みたくなってしまいました。
    お菓子屋さんの話だけあって、お菓子の描写が丁寧で、目に浮かぶし、食べたくなっちゃいました。見た目とか味を想像しながら読んでいくのが楽しかったです。

    ハラハラドキドキするような内容ではないし衝撃のストーリー展開っていう訳でもないんですが、どんどん読み進めちゃって、もう読み終わっちゃったって感じでした。
    ほっこりして心温まるようなお話でした。
    上田早夕里さんを検索してみたら他の小説も面白そうだったので、ぜひ読んでみたいですね。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      上田早夕里って、こんな作品も書くんだ。。。タイトルに惹かれて読もうと思っているのが「リリエンタールの末裔」と「魚舟・獣舟」。どちらもファンタ...
      上田早夕里って、こんな作品も書くんだ。。。タイトルに惹かれて読もうと思っているのが「リリエンタールの末裔」と「魚舟・獣舟」。どちらもファンタジックな話みたい(単なる想像ですが)。。。
      2013/02/13
  • 表紙もかわいくて。。
    読んでいて、お腹がすきそうです(〃゚σ¬゚)ジュルリン..

    いろんなスイーツやお菓子が出てきます♡
    なかでも。。
    ボンボンショコラやメイプル味のアイスもなかが!おいしそう!!
    食べてみたいです(〃ω〃)

    スイーツ好きにはおススメな小説です♪


    最後。。恋に発展しなくて、ちょっと切なかったです(´;ω;`)ウゥゥ
    続きが気になりますね♪

    いつか。。縁があってまた会えたらいいなと思います(〃ノωノ)

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「いろんなスイーツやお菓子が出てきます♡」
      スイーツは食べないのですが、デコレーションとかデザインに関心があります。
      まぁ、この話とは関係無...
      「いろんなスイーツやお菓子が出てきます♡」
      スイーツは食べないのですが、デコレーションとかデザインに関心があります。
      まぁ、この話とは関係無いか、、、この本は、中村佑介の表紙イラストにも惹かれています。
      中に彼が描いたイラストでレシピが載ってると良いのになぁ~(妄想モードに入ってます)

      上田早夕里は「リリエンタールの末裔」を読んでみたいと思ってる作家なんです(飛行機乗りが好き)。
      2012/07/24
    • なめこさん
      nyancomaruさん:私も甘いものは苦手で…あまり食べられません(´;ω;`)ウゥゥ
      (でも。。ショートケーキとかは食べられます(笑)...
      nyancomaruさん:私も甘いものは苦手で…あまり食べられません(´;ω;`)ウゥゥ
      (でも。。ショートケーキとかは食べられます(笑)
      デコレーションとかデザイン私も興味があります♪
      きれいですよね★★
      中村佑介さんのイラスト好きです(〃ノωノ)知っていますよ(^^)

      フォローしてくださってありがとうございました(#^.^#)

      2012/07/25
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「きれいですよね★★」
      狭いスペースに可愛く纏まったのを見ていると、作った人の嬉しそうな顔が思い浮かびます。
      「フォローしてくださって」
      こ...
      「きれいですよね★★」
      狭いスペースに可愛く纏まったのを見ていると、作った人の嬉しそうな顔が思い浮かびます。
      「フォローしてくださって」
      こちらこそ有難うございます!
      2012/07/26
  • 深夜に読むと最早、テロと評するしかない。関西を舞台とした洋菓子専門店の話。日常系ミステリーかと思いきや、少女の成長物語であったので、拍子抜けしたが、きちんとまとめ上げた物語だと思う。ただし、物足りなさが随所にあるのは否めないが、ケーキの描写は美味しそうなので、プラマイゼロな感じである。気になるのは、なぜ皆さん標準語なのだろうか…。

  • 中村佑介展での作品を会場で見て、直感で私好きかも、と思ってネットよりも本屋を巡って探しました。
    文章のスピードが詰まることなく、スラスラ入ってきてとても読み心地が良かったです。恭也の記憶障害はあるけれど、仕事に敬意もあって洋菓子に対する姿勢もこちらに伝わってきて、考え方も私の仕事に重ねる事ができるなと思ったりしました。夏織の心模様や、少しずつ成長過程もきちんとあって、この先の続きが気になります。やっぱり好きな直感は正解でした。読めて良かった。

  • 中村佑介展にて購入。
    カバーイラストが中村佑介さんで、グッズ売り場にいました。
    まさかイラストで選ぶ日が来るとは!
    上田早夕里さんはSFで有名なので、これもそうなのでは?と思う展開でした。
    謎解きがメインではないので、これくらいでちょうど良いです。
    夏織が恭也さんに惹かれるのも分かります。
    ちょっぴりミステリアスで天才肌。そしてイケメン。
    夏織のパティシエールとしての成長も楽しみなスイーツ小説。

  • 神戸にある菓子店に突然現れた一流の腕を持つ記憶障害の菓子職人。新人パテシエと謎解きと記憶探し。
    で、なんで彼はなんであの偽名?ただの雇われ職人が休日出勤の日に友達引き込んで合鍵まで渡してたなんて怖すぎ!
    ケーキ他美味しそうな描写で、甘いものが好きじゃない私も心惹かれました。

  • 主人公は新米スイーツ職人の夏織。
    ある朝彼女が出勤すると見知らぬ男性・市川恭也と出会います。一緒に働く事になった記憶喪失の市川は、誰もが認める実力者。最初は警戒していたけど、仕事を通して彼を知っていくうちに惹かれはじめます。
    よくある謎解きだけでなく、市川の過去と夏織の仕事を通しての成長と恋愛がパランス良く描かれています。
    「ショコラティエの勲章」の登場人物も得てきます。というか、先にこっちを読まないといけなかったんだ。

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。2003年『火星ダーク・バラード』で第4回小松左京賞を受賞し、デビュー。11年『華竜の宮』で第32回日本SF大賞を受賞。18年『破滅の王』で第159回直木賞の候補となる。SF以外のジャンルも執筆し、幅広い創作活動を行っている。『魚舟・獣舟』『リリエンタールの末裔』『深紅の碑文』『薫香のカナピウム』『夢みる葦笛』『ヘーゼルの密書』『播磨国妖綺譚』など著書多数。

「2022年 『リラと戦禍の風』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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