警官の紋章 (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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レビュー : 109
  • Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758434751

作品紹介・あらすじ

北海道警察は、洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控えていた。そのさなか、勤務中の警官が拳銃を所持したまま失踪。津久井卓は、その警官の追跡を命じられた。一方、過去の覚醒剤密輸入おとり捜査に疑惑を抱き、一人捜査を続ける佐伯宏一。そして結団式に出席する大臣の担当SPとなった小島百合。それぞれがお互いの任務のために、式典会場に向かうのだが…。『笑う警官』『警察庁から来た男』に続く、北海道警察シリーズ第三弾、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  •  笑う警官(「歌う警官」改題)に始まる道警シリーズも三作目となる。常に道警内部の黒い霧に立ち向かう正義派の警察官たちが、まるで不良職員のように片隅の部署に追いやられながらも、それぞれが信念で動き、真相を明るみに出しつつ、結果的に警察機構の浄化機能を果たしてしまう。そんな快作の背景を作り出しているものは、佐々木譲が常々描いてきた『黒頭巾血風録』、『駿女』などに代表される、巨大な権力構造としての悪に対し、戦いを挑んでゆく小さな正義の個たちの姿である。彼らの素顔、そして必ずしもすんなりとは勧善懲悪の解決法を見ない非情なリアリズムが見えるからこそ、佐々木譲の小説は現代的かつ、風土に根ざしたものがあるのだろう。

     北海道北見署の一人の警察官が、過去の事件の真相を聞いたことから、復讐の一途な思いで札幌に向かうことから、本書のダイナミックな疾走感はスタートする。一方で、サミット開催に向けて日本中の警察組織が道内に集結しつつある。2008年の世界的イベントを題材に、これまでの二作を引き継いだ道警の奥の暗闘に決着をつける展開が本書の読みどころである。

     二作目を超えたスケール感、緊迫感が漂うのは、洞爺湖サミットという日本中(北海道中?)を沸かせた独特の同期性ゆえだろう。少なくとも当時、洞爺湖近辺に車を走らせることの多かったぼくは、藪の中に潜んでいる沢山の制服警官の姿や、無線機から発される擦過音のようなノイズを車窓越しに見聞きしたこともあり、普段なら平穏極まりない北海道の大自然の只中に日本中から都道府県警が集合していることの異様な気配に神経がぴりぴりしたものだ。

     逃げた警官を追う者と、過去の二冊の犯罪の裏に潜む巨悪を追う者が、札幌でクロスする。さらに逃げた警官は、過去の事件の真相がトリガーとなった信念を持つ若者として好感が持てる。逃げた警官は銃器を持ち、標的に迫る。阻止しようとするシリーズレギュラー陣たち。映像的でスリリングな展開の冒険小説が久々目の前にあるという感覚が、何よりも嬉しくなる一冊であった。

  • 面白かった

  • ちょっぴり不完全燃焼かなぁ。

    もっと、いつもの面子が事件を中心に絡んで欲しかったな。

    郡司事件は、まだまだ続くの~~? 小島百合が……ガッツリ恋愛系だと知った。

    んで、最後の佐伯との会話は?で、出来てるん? 『笑う……』みたいな佐伯中心に皆が動く!方がワクワクするんだけどなぁ。

  • 北海道警察シリーズの3つめです。(F)

  • 道警シリーズ第3弾/ 確かに面白いが、テンポが遅いというか、まどろっこしく感じる/ 読者が先に情報開示を受けて、登場人物がそれを知らないままずっと話が進むのが原因だと思う/ さっさと気付けやコラァ、となる/ これは倒叙とは呼べないと思う/  まあ、一冊完結というより続刊があって、ぶつ切りしたようなものだからしようがないか/ あといくら気のおけない仲間だからとはいえ、大臣の警備情報をペラペラ喋る女はいかがなものか/ それにぽっと出の東京のSPにころっと惚れて速攻振られて主人公に戻ってくるのもイライラする/

  • 第三弾。いろんな話が絡み合い、そして最後はまとまる。
    相変わらず面白かった。
    北海道警察シリーズはたくさんの主役がいる。
    今回は情報官襲撃を阻止するが、実はその情報官を公判に持ち込もうとしている。続きはどうなる?

  • 北海道警察シリーズ第3段。終わり方がなんか地味。中盤からの盛り上がりは何だったの?

  • 北海道警察は、洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控えていた。そのさなか、勤務中の警官が拳銃を所持したまま失踪。津久井卓は、その警官の追跡を命じられた。一方、過去の覚醒剤密輸入おとり捜査に疑惑を抱き、一人捜査を続ける佐伯宏一。そして結団式に出席する大臣の担当SPとなった小島百合。それぞれがお互いの任務のために、式典会場に向かうのだが…。

  • 北海道警察シリーズ第3弾

  • どんどん面白くなって、しかもまだまだ話を広げることができそうだ。警察の不祥事から始まった本シリーズだが、北海道の話や、そういえばまだ出ていない音楽の話も出てくるのかな

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著者プロフィール

一九五〇年三月、北海道生まれ。七九年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。九〇年『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。二〇〇二年『武揚伝』で新田次郎文学賞を、一〇年『廃墟に乞う』で直木賞を受賞する。他に『ベルリン飛行指令』『疾駆する夢』『昭南島に蘭ありや』『警官の血』『代官山コールドケース』『獅子の城塞』『犬の掟』など著書多数。

「2017年 『武揚伝 決定版(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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