今朝の春―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-4 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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レビュー : 472
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758435024

感想・レビュー・書評

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  • きました、澪つくし4作目。

    【ははきぎ飯】
    美緒の大奥奉公に備え、澪が包丁捌きの先生役に。
    小松原が落としたほうき草の実、腎臓にいいとされるその実で何とか美味しい料理が作れないかと思案する澪・・・

    ほうき草の実、別名ははきぎ。源氏物語でも聞いたことのある名前ですがとんぶりだったのね。。。
    小松原のお母様が登場し、明らかにされる小松原の素性・・・身分違いはどうしようもなく、ただひたすらにせつない。。。

    【里の白雪】
    文句たれの戯作者清右衛門が泥鰌似の坂村堂さんと組んで本を出すことになる。が、なんと清右衛門が題材に選んだのはあさひ太夫だった。。。親友が好奇の目に晒されるのを防ぐため、澪は清右衛門に蕪料理で勝負を挑む。。。

    【ひょっとこ温寿司】
    おしどり夫婦で知られるおりょうと伊佐三に亀裂が。
    太一をめぐり、教育方針で揉める夫妻。そこにお牧という若い女が登場し、おりょうへ堂々挑戦状を叩きつける・・・!

    【寒鰆の昆布締め】
    何かとつる家に嫌がらせを仕掛けてくる登龍楼との料理対決。
    食材はよりにもよって澪が苦手とする寒鰆・・・勝ちたい一心で根つめる澪にりうが言った一言にはっとする。

    料理人として順調に成長しつつも、恋愛方面はとんと鈍かった澪が
    小松原への気持ちをはっきりと自覚する巻。

    気づいたときにはもう、あきらめなきゃいけない恋って悲しい。。。

  • ・・・どんな時にも乱れない包丁捌きと味付けで、美味しい料理を提供し続ける。
    天賦の才はなくとも、そうした努力を続ける料理人こそが、真の料理人。(本文引用)
    大切な人においしいものを食べさせたい。
    心にも身体にも良いものを・・・という願いは、料理人である澪の根幹ともいうべき思いだ。
    けれど澪だってひとりの人間であり女である。
    心が乱れることもあれば、切ない想いに悩むこともある。
    そんなときでも、澪は与えられた場所で真摯に料理と向き合おうとする。

    次々と新しい工夫を素材にほどこし、少しでも新しい味を、喜んでもらえるものをと考え続ける澪。
    料理を通して自分が出来ることを精いっぱいやりきるのだという強い思い。
    澪にとって、生きていくことは料理とは切り離せないことなのだろう。
    あさひ太夫のこと。
    小松原への想い。
    因縁浅からぬ登龍楼との料理対決。
    澪には心休まるときがなかなか訪れない。
    それでも、どんなときでも諦めずに前に進もうとする澪は、輝いてみえる。
    がんばれ!!と声をかけたくなるような、そんな物語だ。

  • 止まらない。明日も仕事があるのに...。止められない。



    澪の切ない想いだとか、某先生の粋な計らいだとか、もうツボは一杯あるけれど、おりょうさんの話が本当にもう、涙が出てきて仕方ないのです。


    このために秘蔵だった素晴らしく美味しいお酒を片手に、幸せな時間を過ごしましたが、安酒を燗して呑みながら読むのも絶対に素敵な時を過ごせるだろなー。
    そして、あてに、澪が作った料理を口にしたい...本当にそう思います。
    鰆はむずかしいけれど...出てきた料理を作って2周目かしら。

  • あぁもう本当にお腹が減る。
    鰆の昆布締め、最高に美味しそう。
    最後のページに載っている、つる家メニュー何個か作ってみました。
    みをつくし料理本も出ているみたいなので是非とも手に入れたい!

    小松原さまは格好いいなぁ。
    源斉先生と小松原さまで好みが別れそうだけれども
    私は断然、小松原さま。

    どうにか澪と上手くいってくれないかなぁ!

  • (2014年8月22日 再読)

    みんないろいろあったよね、と懐かしく感慨深い。

  • 四季をめで旬の食物を味わい、語呂合わせをして縁起をかつぐ。昔の人は食べることを心底楽しみながら、厳しい暑さ寒さを乗り越えていたんだなぁ。
    現代といえば、夏はエアコンで冷えきった室内で食べるコンビニのおでんが人気だったり、冬は汗ばむぐらいに暖房が効いた中でアイスクリームを食べる始末(これが実際おいしいんだけど…)。
    もしも澪が今の世の食生活を覗いたら、きっと眉を下げるだろうなぁ。

  • このシリーズは見逃せない!

  • シリーズ四作目。「花嫁御寮」に「友待つ雪」と、徐々に登場人物たちの出自や過去が明らかになり、物語に深みが生まれてくる。普段は憎まれ口ばかりの清右衛門もここぞとばかりに良い仕事をしてくれるし、太一ちゃんの健気さが沁み入る「寒紅」は夫婦のすれ違いが何とも切ない。四編中三編は現実のほろ苦さを残すエンディング。登龍楼との対決に挑む表題作を通して、またひとつ澪は頼もしく成長した。小松原の出自を知ってしまったが故の切ない恋心の行方も気になる。〆た魚は自分の好物なので、是非白米と共に寒鰆の昆布締めを頂きたいものだ。

  • 今回もおいしそうな料理が沢山。

    箒の実は食えるけどものすごく手間がかかるのな。

    美緒の大奥奉公の為の料理修行から始まり、謎の御婦人の来店がありぃの、清右衛門が漸く坂村堂から戯作を出す事になるもそのテーマが大問題だったり、小松原様のアレやアレが遂に澪の知る所となったものの、その小松原様がまさかの・・・だったり、伊佐三の浮気騒動ですったもんだしたかと思えば、料理番付の大関位を賭けた料理勝負と読み応え抜群。

    里の白雪と寒鰆の昆布締めを食ってみたい。

  • つい、忘れがちやけど、澪ちゃんも結構いい年齢のおじょうさんなんよね・・・。
    なんでか、12、3才かと思っちゃって、小松原さまとの淡い恋心を見るたび
    「エッ、大丈夫・・・?」
    って思っちゃう。(;^ω^)

    あー、もう、今回も面白かった・・・。

    野江ちゃんとの夢、おりょうさんと伊佐さん夫婦の絆。
    うっかり格好いい又次さんとか、「登龍楼」との寒鰆勝負・・・。

    あれもこれもいっぺんにいろんなことが起こるけれど、そのどれもは、どこかで綿々と繋がっているんよね・・・。
    人生ってそういうもんやもんね。
    すべてがどこかで繋がってる・・・。

    だから、どんな些細なことでも、がんばれ、がんばれって思いながら澪ちゃんを見てしまうんやなあ。
    小松原さまとも、野江ちゃんとも、すべて丸く片付くとは思えない。
    思えないけれど、どうにかして春を迎えられるんじゃないかと、著者に期待しております・・・。


    それにしても寒鰆勝負はすごかった・・・。
    りうさんの言葉も、いちいち深い。

    どれだけ努力したって負けたらそれまで、ちゅうのも、そうよね。
    「勝負には負けたけれど、これだけ努力したから、構わない」
    なんて慰めは、私もいいわけやと思ってきた。

    過程が大事というのは、結果ありきのことやと思うねん。
    結局勝てなければ、なんぼいうても「負け惜しみ」に、なってしまうのだと・・・。

    わかりやすいかもしれへんけど、でもそれって結構、悲しい。
    だって最終的に「勝つ」人は一人だけなんやもんね・・・。

    でも、そういう悲しさがふわっと救われたかも。
    「勝ちたい」と、だけ思って努力してきて負けたら、その努力は無駄なんだそうだ。
    でも、ただ自分を見つめて努力を重ねたなら、勝負に負けても自分の糧にはなる(日が来る)のかもしれない。

    そうかあ・・・。
    でも、「勝ちたい」以外のことで自分を追い込むのは、なかなか難しいよ・・・。(;^ω^)

    無心か。でも、そうかもな。
    「勝ちたい」と、いう気持ちは一周回ったら欲望が抜けるかも。集中できる瞬間があるかも・・・。


    それにしても、小松原さまと澪ちゃんよりも、野江ちゃんと又次の距離感のほうがよほどキュンとくる・・・(笑)。
    又次、かっこよすぎるやろ・・・。

    ほんで、旧暦を全然わかってへんけど、大晦日の数日前が立春になって節分になるの?


    しかし著者は宝塚出身なのに、なぜ江戸を舞台に・・・?
    いや、江戸やから、ええのか・・・。

    NHKでもドラマが始まったね!
    まだドラマ化してへんかったことに驚きやけど、これでまたこのシリーズがフューチャーされるのかな? (*´▽`*)
    さくさく読んでいこう!

    作中で使われる「卵白」っていうのは、泡立たせてるんやろうか、それともほんまに「卵白」なんやろうか・・・?
    (すごいどうでもいいけど、いっつも気になる)

    「ひょっとこ温寿司」のレシピで、「干し椎茸はできればどんこを使ってください」って書いてあるけど、どんこはかなり高級品ですやんね!? (*´з`)


    ■■■■


    ■勧進元

    1 勧進2のために種々の興行をする元締め。のちには、芸能・相撲など興行一般の興行主・主催者をいうようになった。

    2 事を発起して、その世話をする人。「会合の勧進元」


    ■打ち萎れる

    1 草木が生気なくしぼんだ状態になる。「炎天続きで庭の草花が―・れる」

    2 気力がくじける。しょげかえる。「伴侶を失い見る影もなく―・れる」

    3 衣服がぬれて、くたくたになる。


    ■糾える あざなえる

    紐などが寄り合わさった様子。主に「禍福はあざなえる縄のごとし」などの成句で用いられる。

    (2017.05.23)

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