- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758435277
感想・レビュー・書評
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表紙が可愛い。変則的なリズムのような独特な文体。
居場所探しに必死になるのに結局一所におれず、生活の場や一緒にいる人がこんなに変わるなんて。
彼女が過ごした場所を旅するのもいいかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【本の内容】
尾道から上京した若き日の林芙美子は、住まいと男を転々としながら、どうしても貧困から抜け出せずにいた。
何とかして金がほしい、お腹がすいた、何か面白い仕事が転がってやしないかな。
いい詩が書きたい、棄てた男が恋しい、母も恋しい、いっそ身売りしてしまおうか…。
明るく、凛とした強さで、逆境とまっすぐに向き合って生きた芙美子が、自身の思いの丈を軽妙に綴った、等身大の日記。
[ 目次 ]
放浪記以前―序にかえて
淫売婦と飯屋
裸になって
目標を消す
百面相
赤いスリッパ
粗忽者の涙
雷雨
秋が来たんだ
濁り酒
一人旅
古創(ふるきず)
女の吸殻
秋の唇
下谷の家
[ POP ]
行商をする養父と母に連れられ木賃宿を転々としながら育った少女は、やがて一人で上京し家政婦やカフェの女給や工員として働き、1920年代を生き抜いた。
後に人気作家となる若い女性のまっすぐな言葉が胸をうつ日記。
その日暮らしの貧乏に絶望し、住まいを変え、男と別れ、孤独に涙しても、「生まれつき野生の私」は顔をあげて歩いていく。
1930年の初版本が底本。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
実は青空文庫で読んだんだけど…
強がりと、時折のぞく弱音に共感する。
思い通りにならないことばかりでも
お腹をすかせて惨めな気分になっても
からっとたくましく生きていて清々しい。 -
本書の解説に江國香織が書いているとおり、「この書物自体が、一編の、いきのいい詩みたいである。」 明治以来、書き言葉としての日本語のスタイルはあれこれ変化してきたけれど、林芙美子の文体は独特だ。