小夜しぐれ (みをつくし料理帖)

著者 :
  • 角川春樹事務所
4.20
  • (559)
  • (747)
  • (227)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 3407
レビュー : 442
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758435284

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 職場の先輩とは本の趣味が似ていて、貸し借りするのが楽しい。みをつくしシリーズは私がお勧めしたのをきっかけに先輩もファンになり、最近では新刊は読み終えた彼女から貸してもらって読んでいる。

    本好きにとって至上の喜びは、好みの合う者同士で好きな箇所を言いあったり、歯がゆい展開に共にじりじりしたりする瞬間にある。この巻にはたくさんそんな喜びをもらった。

    つる屋店主種市の過去と今も残る悔いが哀しい「迷い蟹ー浅蜊の御神酒蒸し」、

    澪が吉原廓で宴席料理を振る舞うことになる「夢宵桜ー菜の花尽くし」、

    伊勢屋の弁天さま 美緒の思いがけない縁談「小夜しぐれー寿ぎ飯」、

    そして澪ではなく、なんと小松原が拵える「嘉祥ーひとくち宝珠」。

    皆の口に出せない想いがせつなくて、それでも互いを思い遣る心があたたかくて……夢中で感想を言いあう秘書2人なのです。

    時代は戦国になるんだけど今放映している「信長のシェフ」という深夜ドラマも、(現代に生きるフレンチシェフが、その記憶を持ったまま戦国時代にタイムスリップというもの)

    手に入る材料や可能な技法が限られた中で作るお料理が楽しくて、毎週見てしまいます。

  • この物語は主人公である料理人・澪の成長の物語である。
    同時に、江戸時代の食生活を描いてもいる。
    けっして今のように贅沢な食生活を庶民は送っていたわけではない。
    どちらかというと日々の暮らしに追われ、それでも季節に木々に幸せを感じたり、ささやかな喜びを生きる楽しみにしていた者が多い。
    彼らにとって、手が届く代金でとびきり美味しい食事ができるつる家は、大切な場所となっていく。
    身分制度が厳しかった江戸時代。
    好きだからといってすぐに結婚できるわけではない。
    商人には商人の、武士には武士の、それぞれの立場で結婚によって得られるメリットは、無視できないものだった。
    未来を左右する重大事項でもあったのだ。

    大店の一人娘である美緒には、伊勢屋ののれんを守っていく義務と責任がある。
    小松原には先祖から引き継いだ家名を守る使命がある。
    好き勝手に縁組の相手を選べるはずもない。
    人には添うてみよ、という言葉がある。
    意に染まぬ相手と結婚しなければならなかった美緒も、相手への想いを押し殺そうとする澪にも幸せになってほしいと思う。

    巻末にある「澪の料理帖」は楽しみのひとつだ。
    次はどんな料理が登場するのか。
    澪の恋はどうなってしまうのか。
    期待と不安を胸に次巻を読み始める。

    • nejidonさん
      はじめまして(^^♪
      「ナゲキバト」にお気に入りをくださり、ありがとうございました!
      あまり小説を読まないので、喜んだり驚いたりしており...
      はじめまして(^^♪
      「ナゲキバト」にお気に入りをくださり、ありがとうございました!
      あまり小説を読まないので、喜んだり驚いたりしております。
      この本も未読ですが、まるで自分が読んだかのように読ませていただきました・笑
      なるほど、巻末に料理帖があるのですね。
      それは楽しみです。
      機会があれば手に取ってみたいです。
      フォローさせていただきます。どうぞよろしく。
      2017/05/18
  • みをつくし料理帖シリーズ第5弾。

    最後の方に、小松原さんのお話が。。
    お互いこの先どーなるのか・・・
    気になって仕方がないです。

  • みをつくし料理帖第5シリーズ。
    それぞれの恋の行方に変化有。
    澪さんのかなわぬ恋は報われるのかな。
    もう一人の美緒さんの決意も潔し!。
    鰊の昆布巻き、今度のおせちには欠かせないなぁ。

  • (2014年8月23日 再読)

    種市とおつるの過去や、小松原の御膳奉行のお話がある中、美緒ちゃんが嫁に行ってしまいます。
    切ないねぇ。

  • 今回は、種市とおつるの過去のお話がありました。
    恨みは人を救わない。けど、他人のことも、自分のことでも"許す"ということは、ほんとに難しい…。
    美緒の恋もひとつの結末を迎えて、いつもより切ない巻でした。みんなの幸せな姿がもっとみたいなぁ。。

    あと、今回は謎の男、小松原さま視点のお話があってとてもうれしかったです。小松原さまは家でも結構やんちゃなようですね。

  • 好きだなぁ、このシリーズ。
    この時代の食についても興味深いし、江戸と大坂の食の違いもおもしろい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      そのうち読みたいと思っている間にドンドン出て、今では7冊?お盆に一気読みしようかと思案中
      そのうち読みたいと思っている間にドンドン出て、今では7冊?お盆に一気読みしようかと思案中
      2012/04/11
    • doroppo4さん
      ぜひ・・・!読みやすいので、きっと一気にいけちゃいますよ。

      ぜひ・・・!読みやすいので、きっと一気にいけちゃいますよ。

      2012/04/16
  • ドラマでやってた内容もちらほらと。

    種市の娘おつるがどのようにして亡くなったのかがわかったが、悲しいなぁ。 

    菜の花尽くしで澪に持ち上がった話は結局ダメになりそうな感じしかしない。 

    美緒がこんなことになろうとは。まさかの結末だったわ。
    相模屋の白味醂が江戸で評判になっててうれしかった。

    一口宝珠くいてぇ。澪が勘違いに気付く日はいつなのかな。

    次の巻であの人がまた現れるのだろうか。

    殿様は冷めた飯を食っているわけでは無かった!

  • シリーズ五作目。全十巻の折り返し地点となる本巻は基本一話完結型の前巻までとは若干異なり、各編が徐々に繋がりを見せる新展開。美緒の恋路がまさかの急展開にて決着し、おつるの過去と種市の因縁にも一応の決着が付き、澪には翁屋絡みでの出店話が持ち上がり、物語は大きく動き出しそうな様相を呈する。こうなると、新生つる家編はそろそろ一区切りだろうか。四編目「嘉祥」はシリーズ初の小松原視点で紡がれるスピンオフ的一編。普段は飄々とした男の密やかな純情に思わず『分かる、分かるぞー!』と同意したくなるのが悲しき男の性である。

  • 「迷い蟹」
    店主種市の過去がわかる。
    元妻とその間男。
    若くして亡くなった娘。
    憎しみが穏やかな種市の心を黒く染めていくが……。
    「信じて寄り添ってくれる誰かが居れば、そいつのために幾らでも生き直せる。ひとってのは、そうしたもんだ」(85頁)
    亡くなった娘は、憎き男の子供達を、二親無くして路頭に迷わせたいとは思っていないはずだ。
    子供達を、苦界に沈めてやりたいとは思うまい。
    悲しみの中に、種市は娘の在りし日の姿を見た。
    娘への愛が種市を思いとどまらせた。
    憎しみの連鎖を止めた種市は、まさに「ひと」であった。

    恋など久しくしていないが、心のどこかにあの甘酸っぱく、ちくりと痛む思い出の棘が残っていたようだ。
    澪と美緒。
    想いを寄せる人の姿は違えど、叶わぬ想いは同じ。
    その一つ一つがいつかきっと彼女たちの人生に深みを与えるのだろう。
    「想うひととは違うけれど、ご縁で結ばれた相手と手を携えて生きていく。」(238頁)
    その覚悟があれば、きっとそこからの日々は幸せなものに違いない。
    今宵は私も、縁に結ばれた人の手をしっかりと握りしめたい。

全442件中 1 - 10件を表示

高田郁の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
有川 浩
冲方 丁
有効な右矢印 無効な右矢印

小夜しぐれ (みをつくし料理帖)に関連するまとめ

小夜しぐれ (みをつくし料理帖)を本棚に登録しているひと

ツイートする