悲しき玩具 (280円文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758435420

感想・レビュー・書評

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  • もっと評価されたかったし、
    もっと楽に暮らしたかったし、
    もっと生きたかった。

    でも、どうしてもそれが叶わぬまま、
    夭折してしまった啄木。

    どんだけ、かなしかったんだよ。
    やるせなくて、どうしようもなくて、
    どうすることもできなくて、

    泣いてしまう。

    「我を愛する歌」っていうのが、
    我を愛してくれる人なんて、
    自分しかいないとでもいうような、

    悲しいね。

  • 自虐と自己憐憫にみちあふれた短歌集
    同時にそれは、世界中の人々に向けた嘲りと憐れみでもあるのだろう
    これを読んでなんか自分でもひとつひねってみようと思い
    つくったものを以下に記す

    受けとめてやるから跳べと崖の下
    手招く父に
    涙そそぐなり

    爆笑をとってお代は
    見てのお帰り
    一円も入らなかった

    野良犬のこころで歩く大通り
    裏の道には
    蛇がいるなり

    あの女から電話ありしという女
    世界はひとつ
    こともなきかな

  • やるせない…

    梅の鉢を焙る描写、この本だったのね

  • 人生の悲しさと生きる可笑しさ。

  • 第一歌集『我を愛する歌』の冒頭に掲載され、〈は たらけど/はたらけどわが楽にならざり/ぢつと手 を見る〉のフレーズで知られる「我を愛する歌」、 〈眼閉づれど、/心 にうかぶ何もなし。/さびしく も、また、眼をあけるかな。〉など、切迫した生活 と病に冒された晩年の感情を吐露した歌を多く含む 第二歌集『悲しき玩具』全篇を収録。不遇にありな がらも、文学への憧れと情熱を抱き続けた啄木の まっすぐな心のありよ うが、時を越えてますます私 たちの心を揺さぶる作品集。

  • 280円に釣られて衝動買い。
    もう少し詳しい解説もあれば良いのに…と思いますが価格を思えばこれくらいでしょうか。

    貧困とか哀しみとか、あまり楽しくない生活の中の歌なので理解できるけれども…こちらまでその暗闇に引き摺り下ろされる感覚がちょっと怖かった。
    飾り気の無い真情の吐露がとてもリアル。

  • 280円という安さに、手にとってしまいました。
    石川啄木は、名前を知っているだけで、人となりやその作品については知らなかったし、「歌人」というイメージから、あまり興味を持っていませんでした。
    でも、店頭でパラパラ見ていたら、あれ?面白い・・・ということで興味を持って購入に至りました。

    雰囲気として、当時の現代詩みたいな感じでしょうか。
    とても面白くて、一気に読んでしまいました。

    石川啄木は若くして亡くなっていたんですね。
    この、「我を愛する歌」なんか、恐らく私と年齢が同じくらいのときに書かれたんじゃないでしょうか。
    かなり共感できました。
    共感、なんていうと、ちょっと薄っぺらいですかね。
    この気持ち、感じたことがある、とか、この気持ち、わかる。と実感として感じることができました。

    私が気に入った歌を3首ほどのせておきます・・・


    いつも逢ふ電車の中の小男の
    稜(かど)ある眼(まなこ)
    このごろ気になる

    ---------------

    やはらかに積れる雪に
    熱(ほ)てる頬(ほ)を埋むるごとき
    恋をしてみたし

    ---------------

    うぬ惚るる友に
    合槌うちてゐぬ
    施与(ほどこし)をするごとき心に

    ---------------


    いつの時代も、価値観は変わっても、人の心の動きはかわらないんだなあとしみじみと思い知らされます。
    石川啄木の導入としてはよかった本です。

  • 枡野浩一さんのお名前が帯にあったから購入。「石川くん」を読んでからだから「石川くん、あなたって…。」と思いつつ、今でも啄木の歌は変わらず人に届くんだなぁと思った。

  • やけにリアルでイラッとするなーと思ったら、『一握の砂』刊行時の啄木と今の己が同じくらいの年齢でした。
    あまりにも身に覚えのありすぎる感情や情景ばかりが詠まれていて、そこがむしろ私にとっては受け容れ難かったです。共感を覚えるとかいうレベルではない…
    何年か経ったらしみじみと懐かしめるようになるのかしら。
    「砂」と「水(海、涙、雨など)」のモチーフの組み合わせは好きなので、前半の「我を愛する歌」の方が好みです。

  • 〈眼閉づれど、/心にうかぶ何もなし。/さびしくも、また、眼をあけるかな。〉
    このフレーズどこかで聴いた覚えがないだろうか?そう実は・・・・・。
    ♪目を閉じて 何も見えず~『昴(すばる)』の元ネタの一首だったそうで、恥ずかしながら巻末のエッセイでこの事を知った。しかも石川啄木が関わった文芸雑誌のタイトルも「スバル」だったとはね。

    〈知らぬ家たたき起こして/遁げ来るがおもしろかりし/昔の恋しさ〉
    これなんて俺らが学校帰りに悪戯でやったピンポンダッシュそのものだね。石川啄木も結構楽しんでいたと想像すると、とても身近に感じてしまう(笑)(くれぐれも良い子は真似をしないように!)

    第一歌集「一握の砂」より「我を愛する歌」、第二歌集「悲しき玩具」を収めた作品集。上段に全集を底本としたものを、下段に現代かな遣いで読みがなが振ってあるので解りやすい。
    280円文庫シリーズ手頃なので思わず手にとってしまったのだった。

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