智恵子抄 (280円文庫)

著者 : 高村光太郎
  • 角川春樹事務所 (2011年4月15日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758435468

智恵子抄 (280円文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 詩人、高村光太郎は中学時代の教科書に載っていた『道程』で馴染み深かった人。高校になってから更に学校で深くその人物像まで学び『智恵子抄』を読んだとき、文体の美しさに心惹かれたのは確か。しかし、当時はその骨頂である夫婦の愛というものまでは感じ取ることはできなかった。そして、結婚生活二十年の今、この本を読んでみると、光太郎の智恵子に対する愛がなんと深く強いものであったのかが理解でき、その心情をくみ取るほどに彼と智恵子の夫婦像に敬意を抱き、また切なさで涙が出てしまう。彼にとっては智恵子が創作の泉だった。そんな妻、智恵子が正気を失っていく過程を童子に戻ると表現し、愛おしさが増していき、たくさんの喜ぶことを寄り添ってしてあげる夫、光太郎。すごいな…有名な「檸檬哀歌」は、味覚嗅覚視覚すべてを目覚めさせるほどにインパクト或る作品。彼女の死による永遠の不在を、こんなにもみずみずしく昇華させられるなんて感動です。これからも読み続けていきたい一冊です。

  • 『智恵子抄』詩集に、高村先生の随筆『智恵子の半生』『九十九里浜の初夏』『智恵子の切抜絵』、語註、略年譜を収録。
    出版、編集サイドの皆様の「広く語り継がれてほしい」とのお気持ちが伝わる価格と、充実の内容だと捉えました。
    透き通りながらも、もの悲しい詩集ですが…。最も胸打たれたのは、高村先生から奥様への、こちらの想い。
    「私はあなたの愛に値しないと思ふけれど あなたの愛は一切を無視して私をつつむ」。
    愛する奥様を救おうとなさって、救いきれなかった無念さも、抱え込んでいらっしゃったのか…。
    残された高村先生を、優しく包む永遠のものが寄り添い続けていたことに、感銘を受けました。

  • 祖父母の家が智恵子と同じ安達郡にあって小さい頃からよく遊びに行っていました。
    福島の田園と安達太良山は私も大好きな風景だったので、「安達太良山」という単語が出てくるたびに、今の福島の現状を思い、涙が出ました。

    素人意見かもしれませんが、芸術家には感情が豊かすぎて、精神に異常をきたす人が多いように思います。
    私は芸術家に憧れ、その精神異常でさえ、美しいと思ってしまいます。

    特に智恵子は美しい。

    そして、この「智恵子抄」は智恵子を愛した光太郎が書いた詩なので、より美しく目に浮かびます。

    つい何回も繰り返し読んでしまう1冊。おすすめです!

  • 有名な「レモン哀歌」よりもそのあとの「荒涼たる帰宅」が好きでした。ぽーんとひとりで家に放り出された感覚がなんとももの悲しい……

  • 骨太で重たい言葉。こんなにも智恵子は愛されていたのか。光太郎の心は幸せだったのか?

  • 2015/04

  • この本を買った理由は中学生の頃、現代文の時間で『檸檬哀歌』を初めて読んだ時の気持ちを思い出したかったからです。そして私が人生で初めて買った詩集です。
    授業で先生がまず朗読してくれたんですが、先生が読み終わりに近づくにつれて涙声になり、最後には目元を拭っていました。クラスにはからかって笑う男子もいましたが、私もつられて目が熱くなりました。
    今でも時々思い返しては読んでいる思い入れの深い本です。
    愛する人を思って書かれた詩が当時まだ人を好きになる感情も分かっていない幼稚な私に良い影響を与えてくれました。

  • 私はあなたの愛に値しないと思ふけれど
    あなたの愛は一切を無視して私をつつむ

  • 重たいくらいの愛でいっぱいの詩集なのに、すごく違和感を感じる。
    光太郎は智恵子のことをどのくらいしっかり見ていたんだろう。
    智恵子の愛が大きいなら尚更、智恵子は愛を感じられたんだろうか。
    愛しているというわりに本質を見ていない気がする。
    私が智恵子ならば、愛していると言われるたびに寂しく感じるんじゃないだろうか。

  • 光太郎の愛のエネルギーが強すぎて吹き飛ばされそうになる。こんな高温で重たい感情を受けとめた智恵子も、光太郎の熱烈な支持者だった。二人の人間が、お互いにここまで唯一無二の存在になれるものなのか。

    「樹下の二人」「あなたはだんだんきれいになる」の智恵子のような、誰かの女神であるような存在になることに憧れを感じないでもないけれど。憧れを表明するだけでも怒られそう。

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