銀河鉄道の夜 (280円文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 664
レビュー : 61
  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758435482

感想・レビュー・書評

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  • 映画もかなり素晴らしいけれど、原作ももちろん素晴らしい。まず発想が素敵だし、景色の描写もいちいち良い。たまらないのは、活版所での活字拾いと、銀貨をもらってパン屋さんでパンの塊と角砂糖を買う場面。プリオシン海岸もアルビレオの観測所もりんごも。静かで厳粛な感じのする文章も好き。前半の、ジョバンニの家に牛乳が届かなくて牛乳屋さんに行くところですでに涙腺が刺激される。すべてが良い。1924年に書かれたとは思えないくらい、いつ読んでも新鮮で、色褪せることがない物語だと思う。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「景色の描写もいちいち良い。」
      絵にしたくなりますよね。。。
      「景色の描写もいちいち良い。」
      絵にしたくなりますよね。。。
      2014/04/25
  • 誕生日ということ、
    まもなく七夕にも、
    そんな今晩、そんな気分で、
    久し振りに手を伸ばしてしまった。

    読むたび、過去に忘れている文章の流れ。
    天の河の流れがなぜか頭の中に瞬く想い。
    読む時の気分で読後心も変わってる感じ。

    南十字星。
    一度は砂浜に寝ころび、見続けてみたい。


    ~~なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから~~
    by 燈台守

  • 狂おしいほど好き。
    『銀河鉄道』って言葉の響きで狂える。 

  • 車窓からの眺めが物語の進展とともに移ろいでいき、その描写が美しい。透き通った空気の中に、色とりどりの宝石が散りばめられたよう。無機的な美しさを感じさせられる。
    一方で主人公の感情の移ろいは有機的で人間的。しかし、嫌味のある感情ではなく、誰もがいつかどこかで味わったことがあるもの。自分の子供時代を思い起こさせてくれるような、懐かしいようでいて、色褪せない物語。

  • 空想的、神秘的なメルヘンであり、叙事詩である。この童話的世界は何を意味するんだろう。先に読んだ本に、妹とし子を喪い、北海道から北方島への旅で彼女への挽歌を歌い、その旅から『銀河鉄道の夜』が生まれたと書いてあった。銀河の輝きが、死後の荘厳さを連想させ、美しい浄土の世界へと導かれる気がする。友人カンパネルラは妹のとし子なのか。死の世界は恐いところではなく、輝く澄んだ美しい世界で、やさしいとし子にふさわしいところ。キリスト的な表現が多いのは、とし子のためだろう。▼『雨ニモマケズ』の賢治の清廉はとてもすがすがしい。▼巻末の長野まゆみ氏のエッセイに、「ここで、誤解してならないのは、書いてあるから見えるのではない。賢治さんが、余分なことを何も描いていないから見えるのだ」と書いてあった。なるほど!詩人賢治だ。

  • ハルキ文庫だと、長野まゆみさんのエッセイが載って
    いるので、1冊で2度愉しめる本です。

  • とにかく大好き。この先何度も何度も繰り返し読むことでしょう。

  • なんだかんだで初めてよんだ。
    文句なしの☆5。

    文字だけなのにその情景やら,雰囲気やらが伝わってくる。
    「言葉」の表現幅は無限大なのかもしれない。

  • もう一度読みかえすとカムパネルラは自分が死んでしまっていることを認識して鉄道に乗っているんですね。
    情景や言葉の美しさはとても素晴らしく、図書館で借りてきた本だったので1冊手元に置こうと思う本でした。別の出版社のものをかってみようかな。

    ただ最後のカムパネルラの死を、ジョバンニもカムパネルラの父も悲しみをおもてに出さず終わったところが後味が悪くて…まぁそこを愉しむお話はないのかな?

    雪渡りはほっこりする素敵な話でした。こっちのほうが好みでした。

  • 満天の星空から、ジョバンニのもとへとやってきた銀河鉄道。

    友人たちにからかわれるジョバンニのことを気にかけながらも、皆の前では動けずにいるカムパネルラ。
    銀河鉄道の中で、二人は不変の友情を確かめあいます。

    雁のお菓子や香しい苹果、そして贖罪のために身体を燃やす紅い蠍座……
    賢治がひとたび言葉にするだけで、いつまでも忘れられないモチーフに変じるのは流石です。

    通り過ぎる窓の外の美しい星々から一変、結末は銀河に口を開ける石炭袋のように、ジョバンニを包みこみます。

    煌びやかな中にもどこか一貫して不穏な空気な漂うのは、やはり夜の物語だからでしょう。

    長野まゆみせんせいの素晴らしい解説もついています。
    手許に一冊おいておくのにぴったりではないでしょうか。

著者プロフィール

宮沢賢治(みやざわ けんじ)
1896年岩手県花巻市に生まれる。中学生の頃から短歌制作を開始し、盛岡高等農林学校卒業後、童話を書き始める。1921年に稗貫学校(のち花巻農林学校)の教師となり、詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を刊行。26年農学校を退職して、みずから農民となり、33年に37歳で病死。主な作品に、童話「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」、詩「永訣の朝」「雨ニモマケズ」などがある。

「2019年 『セロひきのゴーシュ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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