みだれ髪 (280円文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 92
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758435499

感想・レビュー・書評

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  • 読了。

  •  読み進めることに断念、短歌の奥深さを知り、あらためて我が身の素養のなさを嘆く(泣

  • 意外と歌集が好きです。
    きっかけは白州正子の「私の百人一首」だった。
    「訳がないと和歌は意味が分からない」という思い込みをぶち壊してくれた、個人的なバイブルだ。

    …その流れでこの「みだれ髪」を読んでみた。
    全部を読んだわけではない。しかし与謝野晶子の短歌はドラマティックで印象に残るものがある。恋に一途な彼女の、心からにじみ出たみたいな歌。なんとなく和泉式部と似てるような気がする。恋に素直というか…。自分にないものだから、素直に表現できる与謝野晶子がまぶしい。

    この本には載ってないけど、

     御空(みそら)より半(なかば)はつづく明きみち半はくらき流星のみち

    という歌があって、(意味はそれぞれ汲み取っていただければ…)なんだか和泉式部の

     くらきよりくらき道にぞ入りぬべき遥かに照らせ山の端の月

    という歌となんか間違うんですよね…。
    だからかな、なんとなく作者のふたりのイメージもかぶるんです。
    共通点は「激しい恋の歌を詠む」というところだけですけど。

    そういえばこの本には有名な作品も収録されているのでなんだかお得です。
    たとえば最近CMでもおなじみの

     やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君

    も収録。反戦歌として教科書にも載っている「君死にたまふことなかれ」も収録されています。280円…安い。強いて言うなら、初句での索引がほしかったなー。「初句しか思い出せない…」という時、初めから探さないといけなくなるので。
    和歌とか、すっげー好きな人からすると私の鑑賞など眺めているだけにすぎないけれど、例えば季節の変わり目だとか、心が落ち着かないとき、人恋しいとき(笑)など、今の気持ちにぴったりな歌を探したくなります。ただ訳をよんで「ふーん。」じゃもったいない。訳をよまず、原文をなんども咀嚼すると、なんとなく歌の気持ちが分かるような気になります。白州正子先生のぱくりですけど(笑)それに慣れてしまうと横についてる訳が薄っぺらく感じてしまうのが難点ですが…。

  • すごい。ふるえるような瑞々しい気持ちが伝わってきます。
    やっぱり、清水へ祇園を渡る桜月夜 今宵会う人みな美しき が一番わかりやすくて、きれいだと思いました。

  • 女の一途な情念がぞわぞわと伝わる。歌集なのでリズムは小気味いいが、内容はなかなか力強い。

  • 『みだれ髪』と『夏より秋へ』の二歌集と『君死にたまふことなかれ』と『山の動く日』の二篇の詩を収録。
    値段が値段なので仕方が無いけれど『夏より秋へ』は全てが掲載されていないのがやや残念。
    『君死にたまふことなかれ』を久しぶりに読みたくなって購入したのですが歌集の方は情熱的で枯れた自分には激しすぎました…。

  • 与謝野晶子の「みだれ髪」「夏から秋へ」「君死にたまうことなかれ」を収録した手に取りやすいお値段の一冊。
    愛”を”生きた女性。繊細で情緒ある31文字に込められた思い。
    心に残ったのは「死ぬ夢と刺したる夢と逢ふ夢とこれことごとく君に関る」

  • 国語の教科書や便覧に少し載っていて、惹かれたのを思い出して買ったらとてもよかった。
    三十一文字に込められた感情は深い。それなのに言葉は綺麗で千歳で、激情を包んでいるようで。
    読後の満足感がすごい。私もこんな一途な恋をしてみたい。

  • 恋愛とはどのようなものであるかを知らしめてくれる三十一文字の数々です。心身ともに痺れました。
    「レンアイ? 何それおいしいの?」
    …という草食系男女(の自覚がある人々)は読んでみると良い。

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著者プロフィール

1878年大阪府堺市生まれ。大恋愛の末、与謝野鉄幹と結婚。処女歌集『みだれ髪』で一躍、情熱的な歌人として著名に。その後、小説、随筆、評論、童話、戯曲など多岐に渡り活躍。『源氏物語』は、幼少時代からの愛読書で、現代語訳も3度手掛けている。1942年没。

「2023年 『与謝野晶子訳 紫式部日記・和泉式部日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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