出世花 (ハルキ文庫 た 19-6 時代小説文庫)

著者 : 高田郁
  • 角川春樹事務所 (2011年4月15日発売)
4.12
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758435550

出世花 (ハルキ文庫 た 19-6 時代小説文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 髙田郁さんのデビュー作。
    妻敵討ちのため出奔した父とともに各地を放浪する艶。
    空腹のため口にした雑草で父は命を落とし、艶は青泉寺の住職に助けられる。
    艶を縁と改め、青泉寺の湯灌を手伝う。
    のち、正縁という名を住職からもらい、三昧聖として生きていくことを誓う。
    やっぱり髙田郁さんの本は好きだわぁ~♪

  • 父との放浪生活の末、行き倒れていたところを寺の僧侶に助けられた少女・お艶。
    寺に引き取られ、新たにお縁という名を与えられた彼女は、現世で苦しみを抱えたまま亡くなった父親が湯灌により穏やかな表情になっていくのを目の当りにし、自分も湯灌場で働くことを志願するようになる。
    人の死と隣り合わせであるがゆえの悲しくつらい出来事はもちろんあるが、お縁の手によって清められた故人とそれによって救われた遺族の気持ちに想いを馳せると、自身の経験と重なり涙が出る。

  • この作家さんの作品に出てくる、主人公たちは、本当に純粋でまっすぐでなんて心根が優しいんだろうと思わされます。人として、誠実で堅実で....こんな人に慣れたらと思います。

    死者の弔いを行い、浄土へ旅立つための準備を整える湯灌師の道を選んだお縁が苦難に立ち向かいながら、人として成長していく姿は、決して楽ではなくむしろ苦労ばかりの仕事ですが、読んでいて胸が温かくなり励まされます。正念との関係も気になります。お縁がどのように成長し続けるのか、早く続きが読みたいです。

  • 『みをつくし料理帖』シリーズを読む前に読んでしまった。
    邪道?

    ひとことで説明するなら『江戸版おくりびと』なんだけど。
    御遺体を清めるシーンがリアルで、故にちょっとグロく感じてしまって反省。
    納棺師でもあり、検視官みたいな仕事もするんだなーと
    読み進むにつれ興味深くなってきた。
    謎解き要素がふんだんに盛り込まれている隙間に
    本人が気づかないくらい淡い恋心が挟まれていたりで
    いろんな読み方ができる話だなーと思った。
    今のところこの1冊だけらしいけど今後シリーズ化されるようなので
    ちょっと楽しみになってきた。
    きっと神田の同心の進藤さんとかが絡んでくるんだろうなぁ。

    今すぐに、とは思わないけど
    ゆくゆくは『みをつくし料理帖』シリーズも読みたいと思う。

  • 面白かった。
    江戸時代で死者の湯灌(死者の身体を洗うこと)に従事した娘の物語。
    湯灌の風習は知っていたのですが、ここまで厳かに、そして真摯に行うものだとは思ってもみませんでした。
    ただ遺体を綺麗にして着替えさせてと。
    それくらいの意識しかなかったのが恥ずかしい。

    幼い頃行き倒れて死んだ父の湯灌を目の当たりにし、その後の父の火葬も見届けたうえで、父の辛かったこと、苦しかったこと、無念の思いもみんな湯灌を経たことで昇華したと感じたお艶が、その青泉寺で育ち、自らが生を生きた人に心から寄り添い、悲しみに打ちひしがれる遺族の想いが受け入れられるように、心を込めて湯灌をする場面が本当に好きです。
    艶と言う名をを縁と変え、三昧聖と呼ばれるようになって尚、普段の彼女はまだ年若い娘で。
    その傷付きやすいのに強い心で、生きていく姿も好きです。
    これが時代小説としてのデビュー作かぁと思うと、本当に力のある人だなと思います。
    みをつくしも大好きですが、これの続きも早く読めればいいなと思います。

    にしてもあとがきの中の話にビックリ。
    仕事をしたことのない出版社が、突然高田郁の描き下ろし絵本の予約受付って…どうするつもりだったのかが謎。まさかそんなことをする輩があろうとは、と驚きです。
    さぞかし大変だったんだろうな…。

  • みをつくしの高田郁さんの処女作。
    岩吉さんの救いの無さが、悲しかった。優しい気持ちを持っているのに、偏見を持たれがちな岩吉。そういうキャラクターこそ、幸せになって欲しかったなぁ。涙
    みをつくしが終わったので、続編が描かれることかと思います。高田さんが作家としての経験を積んだ後、どのように縁のその後が描かれるのかが楽しみです。

  • 以前読んだ「銀二貫」も良かったが、この作品も素晴らしい。江戸時代、死者の弔いを専門とする墓寺で亡骸を洗い清める「湯灌」を手伝うようになる主人公お縁の成長物語。「屍洗い」と蔑まれることもあるこの仕事に、真摯に向き合うお縁や正念に心を打たれた。
    少しミステリー仕立てなのも自分の好み。これがデビュー作というのも驚かされる。

  • 悲しい過去を持ちながらも、自分のいきる道を自分で決めていく縁の姿が美しかったです。行き倒れた寺の住職とそこに仕える人達の暖かさ、心正しさに胸が熱くなりました。死体を洗い、見送るという仕事は一つ間違えば己の心まで蝕まれそう…にも関わらず凛としていられるのは住職と自身の心のありようでしょうか。縁が出会う人たちは皆一生懸命で、不器用で美しい。置き屋の女将でさえある意味貫いていて潔く感じました。後書きを読めば紆余曲折の後、続編が出そうな気配。楽しみです。

  • 元は武家の娘であるお艶が、名を変え、青泉寺で死者の身体を洗い清める湯灌を手伝うことになる。

    三昧聖と呼ばれ、時に蔑まれながら気高く生きるお縁がひたすら愛おしい。
    『銀二貫』では、同じく武家から商人への転身が描かれているが、二人に共通する徹底した誠実さ。そして、他の登場人物や私たち読者の心にさっと光を当てる清らかさ。

    『出世花』では、死を扱うが故に、人と人とが生きていた頃には見えなかった繋がりをしっかりと描かれている。

    巻末のあとがきも、とても丁寧で好きだ。

  • 久々に読んだ高田さんの作品
    やっぱりこの人の作品はいいなぁ…と
    再認識出来ました。
    大好きなみをつくしシリーズとの共通項を見つけつつも、こちらは生き死にに関わる作品だけに、厳かな印象。
    最終章は涙なしでは読めませんでした。

    みをつくしシリーズが完結したら、こちらの続編も書かれるご予定だとか。
    みおに会えなくなるのは、寂しいけれど、こちらの続編も楽しみです。

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