- Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758435680
感想・レビュー・書評
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義理と人情と男の生き様を描く
山本一力の傑作時代小説。
義賊として名を馳せた鼠小僧次郎吉。
磔獄門にて彼の亡き後、
その妻と息子を守ると誓う相棒・祥吉。
その祥吉はとんでもない大商いのため
紀州・新宮へ向かう…。
普段の自分の行いの戒めるとともに
生き様までも考えさせられる一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本作は、鼠小僧の忘れ形見の女房と息子を中心に、鼠小僧亡き後に親子の面倒をみる材木問屋商の祥吉が大量の吉野杉を仕入れるために鼠小僧の息子とお目付け役の川並の健次とともに新宮まで買い付けに出向く道中や新宮での義理人情ストーリーにほっこりさせられると同時に、自分のテリトリーでのことが全て正しいのではなく、相手のテリトリーでは、相手の道理を尊重するという姿勢が感服しました!
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消化不良
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江戸に生きる材木商たちの話だが、ちょっと中途半端感が否めない。
彼らの描写は具体的で生き生きとしているが、話としては一体何が言いたかったのだろうか、という感じ。
磔になった鼠小僧の妻と子どもという特別極まりない設定をもう少し別のことで活かせなかったのか… -
先日 、赤川次郎の軽い「鼠小僧」の小説を読んだばかりであった。
この本は、鼠小僧次郎吉が、磔で、処刑された後のことが書かれている。
残された妻子の事を、次郎吉が、生前、材木屋「新宮屋」の主の祥吉に、面倒を見る事を依頼されており、祥吉も、その意思を継いで、息子の大次郎を可愛がる。
大商いの熊野杉の買い付けも、大次郎を連れて行く。
大次郎が、幼くても、父親の言った慣習の様なねこままの仕方など、江戸者へ、さりげなく、禁止の事を告げたり、十五夜、十三夜の月見で、酔っ払いに絡まれても、泣かない強い子であった。
材木の買い付けも、やり方次第、商いをする方法として、600本ものを舟で運ぶのを、3回に分けて運ぶ名案。
碇泊料の負担が少なくて済むいう利点等、、、ちょっとした発想の事で、両方うまく行く方法を考えたものだと思う。
最後の方で、大次郎が、自分の父親の事を話すのだが、祥吉も一命を賭して買い付けする武家に、友としての次郎吉の話を打ち明ける。
全てがうまく収まる方向で、物語は終わるが、題名の満月が、江戸と、新宮を結び付ける良い話だった。
どの場所に居ても、同じ月が見れると思えば、嬉しくなり、フルムーンの時は、遠くに居る人へ同じ月がみれるよ!と、連絡する私である。
この本も「満月」と、題名をしないで、「いかだ満月」としたのは、次郎吉の思いを、誇りと、知恵、そして、その意思を継ぎながら、遠くに居る人と、同じ月を眺める人がいる事を思いながら、月見をするのだと、、、、 -
2016/01/19
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山本一力の作品では、真ん中くらいの好み。
まず設定が面白く、読み始めから引き込まれた。
展開も含めて面白いのだが、エンディングはどうなんでしょう?もう少し厚みがあってもいいのではと思った。 -
主役は誰で、何者なんだぁ???と思いつつ読んだら、
今回は材木関係の達人たちのお話でした。
相変わらず面白い、江戸時代の「お仕事小説」。
流通の仕組みなんかも、よくわかります。
しかし、鼠小僧にまつわるエピソードは、かならずしも必要ないのでは?
などと思ってしまいました。 -
山本さんらしく、しっかりとした文で書かれています。残念なのはストーリーに起伏がいまひとつ不足しているように思えます。しっとりとした話といえばそうなんですが。びっくりするようなどんでん返しもなく、淡々と話が進んでしまっています。
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今回の作品は、江戸の大泥棒 鼠小僧次郎吉の息子と奥様がでてくる。
まったく知らない登場人物がでてくるのは、よほど登場人物に魅力ないと、その物語になかなかひきこまれないが、今回は最初の10ページくらいで、どんどんひきこまれました!
ストーリー自体には、鼠小僧次郎吉は関係ないのだけれど、奥様の奥ゆかしさ賢さ、次郎吉のパートナーだった祥吉のまっすぐな人間性にも惹かれた。
『いすゞ鳴る』とほぼ同工異曲な作品でしたが、 登場人物が少ない分、すんなりよめました。