心星ひとつ みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 時代小説文庫)
- 角川春樹事務所 (2011年8月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758435840
感想・レビュー・書評
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ついに小松原様とと思ったら。
冷やご飯に塩で茹でた熱々どうふ。かつおにネギに醤油。おいしいだろうなぁ。明日やってみよ!
2019.01詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
みをつくし6巻目。
迷い、ゆれうごきながら、澪の心が決まるまで、を描く。
この頃には、だいぶ型が出来上がっていて、予定調和な感じ。 -
上方から江戸にやってきた女料理人、澪の成長記。澪たんが大きな決断を迫られます。まさに、人生の一大事×二つ。それぞれに真摯に、しかし悩みつつ、向かい合い、決断を下していく澪が孤独で、でもしっかりと生きていってくれそうで頼もしいです。悩みながらも、料理はきちんとつくる澪たんがまた素晴らしい。おいしいものという面からも、女性に特にお勧めなシリーズです。
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毎回心和む料理のお話の繰り返しかと思いきや、ドラマチックな一巻だった。
翁屋からは、伝右衛門のバックアップで、吉原に店を出し、天満一兆庵を再興せよという申し出。
一方、宿敵登龍楼からは、登龍楼の店を居抜きで買わないかと持ち掛けられる。
澪のことを思う種市と芳。
なのに二人からのアドバイスは、正反対。
澪がどんな決断をするのか、はらはらしながら読んだ。
そして、もう一つの大きな山場が、澪と小松原の縁談。
小野寺家の女性たちの力で、縁談は成るかと思われたが、料理を作らない人生を歩むことに疑問を感じていく。
「迷った時には心星を探す」という源斉先生の言葉が味わい深い。 -
ああ…あああ…(※言葉にならない)
小松原さまの求婚…それに揺れる澪ちゃんを変わらず思う源斉さん…
それでも料理人としての道を選んだ澪ちゃん…あああ… -
物語が激しく動き出した。
坂村堂の親子の確執にそうとも知らず火に油を注ぐような事をしてしまったり、前回の吉原でお店を出さないかって話もちょっと面倒な事になりぶり返してきて、遂には小松原の妹までも乗り出してきちゃうなんて。
一度こうと決めた澪の心もそりゃ何度も揺さぶられちゃうわな。
しかもそれが落ち着いたと思ったら、違う方向から次から次へと難問がやってくるから心穏やかになる暇がない。
今回は大いにりうのばぁさんに救われたな。
源斉の心の動揺に種市が気付くとはねぇ。
しかし、舞台が動くかと思わせといて終盤の澪のあの感じでは・・・
賄いの豆腐丼と、弁当で大評判だった大根の油焼き食べたいなぁ -
シリーズ六作目。後半戦のスタートは正に疾風怒濤。全編通して【選択】がキーワードで、澪にとっては試練に等しい決断を迫られる展開が続き、ほのぼの路線はどこへやらの緊迫感に溢れている。「青葉闇」で揺さぶられ「天つ瑞風」で決断し「時ならぬ花」で再度揺さぶられ「心星ひとつ」で再度決断する。結果だけ見れば遠回りして元の鞘に戻っただけだが、人生には遠回りしないと得られない答えがあるのだ。苦渋の決断ながら【自分の人生を諦めない】道を選んだ澪に頭が下がる思いだ。思わず自分の【心星】は一体何だっただろうか?と考えさせられる。
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みをつくし料理帖シリーズ第6弾。
小松原さんとは・・・
休憩室で読んでたんですが
涙が溢れてきてしまい焦りました^^;
想いが通じあったんだと喜んだのですが
澪には、それよりも大切なものがと思うと
読んでいて胸が張り裂けそうになりました。
これから先、どーなっていくのか。。 -
衝撃が走るとはこのこと。
澪が愛する小松原。
いつもそっと導いてくれた人。
その人が自分の伴侶となるかも知れない。
愛し、愛される喜び、これ以上幸せなことがあるだろうか?
少女漫画ならこのまま突っ走って大団円のはず!
しかし.......。
物語はそんな予定調和を良しとしなかった。
身分違いの恋とはいえ、各史料にあるように、町人から武家になる方法など幾らでもあった。
無論それは簡単なことではないけれど、全く越えられない壁ではなかった。
それなのに、なぜ!
答えは、澪が料理の道を断たれることを心の奥では望んでいなかったから。
揺れに揺れる心。
けれども「私は何がしたいのか」という答えははじめから出ていたのだ。
「あちこち欠けて傷ついて、それでもひとは生きていかなならん」
「良いことも悪いことも、長くは続かない。色々あっても、せめても丸い幸せを、願い続けて生きるしか無ぇのかも知んねぇな」(102頁)
自分にとっての幸せ、大事にしているもの......。
周りはもったいないというかも知れないが、誰にも止められるものではないのだ。 -
心星。これだけは譲れない、自身の中にある揺るぎないもの。それはきっと、多くの葛藤を乗り越えた者のみが見つけられる星なのなも。自分にも漠然とある気もするが、形に示と言われれば少々悩む。なるほど、またまだ精進が足りないようだ。