心星ひとつ みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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レビュー : 541
  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758435840

感想・レビュー・書評

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  • 生麩田楽、んもう・・・大好きです!!生麩まんじゅうもいいですが、やっぱりあのもっちもちに香ばしいお味噌の風味がたまりません。

    ついでに言うと、すき焼きに入っている丸焼き麩も好きです。

    『青葉闇―しくじり生麩』
    『天つ瑞風―賄い三方よし』
    『時ならぬ花―お手軽割籠』
    『心星ひとつ―あたり苧環』


    野菜のいいものが出回らず、なにか良い策はないかと悩む澪。
    ふと記憶をよぎったのは懐かしい生麩の味だった・・・
    江戸は当時、焼き麩が主流だったんですね。

    大根を干すことで旨みが凝縮された大根の油焼きも、とろとろ茶碗蒸しにおうどんが沈められた苧環も美味しそう。

    泥鰌似の坂村堂さんの意外な出自が明かされ、またそれを明かしたすけべなお爺は芳に付きまとい・・・芳と澪、親子のように助け合って生きてきたふたりは互いの「女としての人生」を意識するようになる・・・。

    料理人として究める道、女として想い人と添える道、天満一兆庵の再建、野江の救出、つる屋への想い・・・
    いくつも選択肢があるのに、それによってかえってがんじがらめになっていく澪は読んでいていたたまれません。

    叶わぬものと諦めた恋の、その先に道ができたのに、それを選べば料理人としての道は閉ざされてしまう。
    思い遣り合う心が、辛い展開を招いてしまいそうで・・・次巻に進むのが待ち遠しくも怖いな・・・

  • (2014年8月23日 再読)

    心星ひとつは、みをつくしの中でもとても印象深いシーン。

    最終話を読んでのはじめからの一気の読み返しは、沢山の伏線に今からラストを思い描いて涙が滲む、ということの繰り返しです。


    初めの牡蠣や、こないだのところてんや鱧や、今回の生麩も、食文化の違いに関しては、澪の感覚に寄り添えるのがとてもうれしい。
    鱧も生麩もおいしいよねー。

  • 最初からわかっていた。澪の心星がなんなのか。

    澪の周りのあたたかい人たちは、澪の幸せを言葉にして願い、澪の背中を押す。
    想い人もまた、「共に生きるなら、下がり眉がよい」と願う。

    残酷だと思う。誰もが気づいていないのかもしれない。願うとは人を「縛る」ことになるのだということに。

    澪は料理人として生きる。生きて生きて生き抜いてこそ、見える天がある。いつか野江と二人で見ると決めた蒼天が。あの天神橋の真ん中で。

    それでこその雲外蒼天、旭日昇天。

    澪は誰のためにでもない、自分の生き方を貫くだろう。

    愚かに見えるかもしれない。だがきっと、あれやこれやに惑わされず、ただひとつのことに精進することで、澪は晴れやかな人生の先にたどり着けるのだと信じたい。

    言霊は人を力づけ、またがんじがらめにもしてしまう。「祝う」も「呪う」も、言葉で祈り、まじなうという、行いとしては同じこと。

    澪の心星。ただひとつ。まだ泣かずに…見届けたい。

    そう思えば思うほど、野江ほどに澪を澪らしく生かそうとしている人はいないと、あらためて野江という人の気高い魂に頭が下がる。

    とうとう歩き始めた。澪は澪として。

  • 澪に重大な決断が迫られる怒涛の展開でした。

    これまでの1話完結型から、尾を引くような辛い選択を迫られることも増えてきた。
    澪の想い人との身分差、野江ちゃんの身請け、天満一兆庵の再建、そしてつる屋の今後と、澪の料理の才能と、人を思う気持ちが、澪自身を苦しめていきます。

    どれも手放したくないものである故に、読んでいても惨い選択をさせるなぁと、胸がギュッと苦しくなる展開でした。
    小松原さま関連の選択肢が、料理人としての道を定めた選択のあとだから余計に辛かった。

    が、やはり小松原さまとの一連のやりとりには感激しましたし、澪を思いやる周りの人々も共に泣いたり笑ったりしてくれていて、胸が温かくなります。

    澪の料理人としての器が、苦悩を生んでいますが、真摯に1歩1歩、道を決めていく澪の姿に励まされます。

    澪にはやはり料理人として頑張ってほしい、でも小松原さまとも報われてほしい。
    これまでも悩みながら、紆余曲折しながらも、納得のいく答えを見せてくれた澪の物語です。期待をして続きを読みたいと思います。

  • シリーズの中で一番の盛り上がりの第6巻。

    究極の選択を何度も迫られる澪と一緒に、澪の周りも読者もとことん悩まされる。

    最初の選択は納得の展開だけれども、最後に澪の選んだ心星は、想像していたとはいえ辛かった。

    前巻の最後の章で、思いがけず小松原さまの胸のうちを知ってしまったからこそ、小松原さま目線で読んでしまい、ダメージが大きかった…。

    小松原さまからのプロポーズがとても素敵で、何度も読み返した。ここで時が止まればいいのに、事態は無情にも澪たちを翻弄していく。

    次巻を読むのが怖い…でも読まずにはいられない。

  • 小松原様と人生を共にする、、、
    ではない選択を次の巻で、、、のような感じの終わり方で、
    とても、心がキュンとなるお話でした。
    選択することが多いお話でした。
    次巻が気になります。
    登場するお料理はいつもながら、食べたいものばかり。

  • このシリーズの転換点を迎えようとしています。
    澪の決断は...何となくわかるのですが...。

  • 今回の話しはすべて最終話の伏線だと考えると、作者の悪意に近い何かを感じざるおえない。そこまで主人公をイジメるというのか試練を与えなくてもいいだろうと思う。思い人の小野寺が御膳奉行だと判明した時から、二人の結婚は成立しないことはわかっていた。澪は料理人である。料理がすべてなのである。そんな彼女が奥方様になんかなれるわけがない。彼女から料理を奪うのは死ねというのと同じである。愛する人か料理かの二者選択は、彼女への死刑宣告と似ている。こんな酷い試練はないだろう。澪が哀れで仕方がない。ロミオとジュリエットか!。

  • 2018/8/14~8/15

    酷暑を過ぎた葉月のある午後、翁屋の楼主伝右衛門がつる屋を訪れた。伝右衛門の口から語られたのは、手を貸すので吉原にて天満一兆庵を再建しないか、との話だった。一方、登龍楼の采女宗馬からも、神田須田町の登龍楼を、居抜きで売るのでつる屋として移って来ないか、との話が届いていた。登龍楼で奉公をしている、ふきの弟健坊もその店に移して構わないとの事に、それぞれが思い揺れていた。つる屋の料理人として岐路に立たされた澪は、決断を迫られる事に―。野江との再会、小松原との恋の行方は!?「みをつくし料理帖」シリーズ史上もっとも大きな転機となる、待望の第六弾!!

  • みをつくし料理帖のシリーズ第六弾。
    図書館には人気のためか他のシリーズが貸し出し中のため
    中途半端だと思いつつ読み始める。

    出てくる料理のおいしそうなことおいしそうなこと
    仕事、結婚、転機がたくさん
    時代は違えど
    共感できる部分もたくさんある。

  • みをつくしシリーズ第6弾。
    もう物語も折り返し地点を過ぎてしまいましたね~あっという間です。
    そしてこの巻では大きな転機が盛りだくさん。
    優柔不断というか、どこまでもやさしい澪にもどかしくなったりもしましたが、ここで改めて彼女の芯の強さがしっかりと感じられました。
    そして一番はやはり小松原との恋の行方ですよ!!
    早帆の登場でぐんと急展開をみせ、澪と小松原2人きりで話をするシーンではもうキュンキュンがとまりませんでした。
    普段飄々としている小松原のあのストレートな気持ちの伝え方ときたら、もう読者はメロメロですよ。
    澪の、手を伸ばしてその皺に触れたい、と思う気持ちを封じ――の描写が本当に良かった。
    結ばれて良かったね~でもどうなっちゃうの?!と思いながらのラスト。
    女としての幸せか、親友との約束か、それとも料理人としての決意か。
    揺れ惑いながらも、澪の心星が夜空にはっきりとみつけられるようでした。

    料理も秋の良さがぎゅっとつめこまれたようなお品書きで素晴らしかったです。
    茶わん蒸し食べたいよー。

  • 前巻とは違って、澪を巡る大きな流れになった一冊。

    選択する、ということは片方を取り、片方を失うことだ。
    吉原に天満一兆庵を再建するか、神田でつる家を大きくするか、それとも。澪が目指す一つの道に対する岐路。

    そして、小松原様と添い遂げるか否か。
    ここには澪だけの想いではない、複雑で大きなうねりがある。

    心星はひとつ。

    選択したからには、後戻り出来ない。
    それが正しいか正しくないか、良いか悪いかは、誰も決めることなんて出来ない。

    ただ、ひたすら彼女が彼女の思う心星への道に進み続けることが出来るよう、願っている。

  • 澪がこれまでになく大きな決断を迫られる巻だったように思います。
    女の人が、しかも江戸時代に自分の夢を追いかけるのはとても大変なことなんでしょうね。
    でも、迷い苦しみながらも自分の道を歩もうとする澪の姿は、現代にも通じるものがあって、きっといろんな人の励みになるんじゃないかと思いました。
    作中でも出てきますが、ほんとに何もかもうまく行く人生があればいいのに…と思わずにはいられない、切ない一冊でした。

    そして、巻末の瓦版がとっても嬉しい一冊でもありました♪

  • みをつくし料理帖シリーズ第6弾。
    シリーズ作品でこんなにハマった本は未だかつてありません。
    シリーズと言えば第1弾が一番面白いというのが私の勝手な定説でしたが…
    みをつくし料理帖シリーズは私の定説を覆してくれました!
    どんどん面白くなってくるのです。
    時代小説じたい、それほど好きではなかったのに・・・
    今は続きが気になって気になって・・・
    第7弾は既刊です。早く読みたい~!!

  • シリーズ第6巻。
    つる屋の営業は順調だけど澪の人生は岐路に立たされてるねぇ。
    何が幸せかは人それぞれだけど、澪はもっと欲張りになってもいいんじゃないかな。
    これからどうなるのか先が気になるんで、さっさと7巻を読むとしよう。
    この作品はおもしろいけどお腹空くのが玉に瑕だー
    おーい!こっちにも苧環ひとつおくれーっ!!

  • 先に読んでいた友人に聞いていたけど、ついに来たか!という感じ。
    プロポーズの場面にはかなりグッと来ましたが、澪の心情とリンクするのか、それ以上にお客の一言や些細なことにすごく心を揺さぶられ、寂しかったです。
    結果を知っているからそんな呑気な事を言っていられるのかもしれませんが(^_^)
    知らなかったらすっかり騙されていた。
    しかしそんな先行きを小松原さまは読んでいたからこそのあの一言で、そんな澪だからこそ、彼も惹かれたというのがあるんだろうな。
    野にあらねば枯れる花だと知っている、ということ。

    しかし源斉先生の動揺ぶりに、前巻から思っていたけど、やっぱり源斉先生ってばー!とテンションが上がりました。
    これで源斉×澪の目がやおら浮上してきた!……と私は思うのですが、どうでしょう。
    しかし里津さんのことを思うと胸が痛い。
    そして早帆さんは大好きなので、美緒ちゃんとの間のように、また友情が復活してくれると嬉しいけど…無理かなぁ。

  • 今回は、これまでののんびりとしたテンポが少し早まったように、ドラマチックな展開があれこれと起こります。
    お店のこと、そして恋のことで、人生の大きな決断を迫られる澪。
    作品に流れる粋な江戸の人情やあたたかい情緒はこれまでと変わりませんが、彼女を取り巻く流れがうねるように押し寄せてきたため、読んでいる側も息苦しさを感じました。

    一心に料理を作り続けていければ、それだけで幸せな彼女。
    なまじ腕が良いだけに、彼女の才能を愛する、またはそねむ周りの影響を避けることはできません。
    料理は一生修行の道とも言えますが、そんな彼女の秘めた恋も、思わぬ形で急進します。

    誰もが人の幸せを願いながらも、それが実際にその人の幸せになるとは限らないのが、人の世の難しいところ。
    さまざまな申し出に澪は翻弄され、悩み尽くします。
    愛する人々全ての幸せと、自分の幸せは両立しえないものなのか。
    料理人の道を究めることと、好いた人と添い遂げることは、両立しえないものなのか。

    難しい問題が彼女の前に横たわっています。
    小松原が小野寺とばれたことが、思ったよりも大ごとにならなかったのが意外でした。
    またその当時、町人も手筈を踏めば、武家に輿入れできるということは知りませんでした。
    ただ、武士の妻となった以上は台所には立たなくなるもの。
    それは澪の命を止めるようなものではないでしょうか。
    かといって、偲ぶ思いが通じた喜び、恋慕う気持ちを止めることはできるのでしょうか。

    唯一無二の幼馴染の野絵ちゃんから貝の片方を返されたのも、双方の気持ちが痛いほどわかるだけに、やるせなくなります。

    多くの問題を抱えたまま話の決着は先送りとなったため、いつになく、もやもやと考えさせられる読後感となりました。
    源斉先生のことも気になります。このシリーズ、まだまだ続きそうな予感です。

    この巻では、巻末に特別付録として「みをつくし瓦版」が掲載されていました。
    作者の声がインタビュー形式にまとめられています。
    作者は、内容、構成、料理を考えるのに一、二カ月、執筆に二カ月、遂行や取材に二カ月かかり、どうしても本を一冊仕上げるまでに半年くらいは必要とのことでした。

    また、毎号数点紹介される作中の料理は、すべて著者本人が考案して作っているということには驚きました。
    天才料理人、澪になりきって、本文とはまた別のレシピの生みの苦しみを体験していたとは。
    続巻を読むのが待ち遠しいです。

  • みをつくし料理帖シリーズ6作目。
    あ~良かったわぁ。今までは事件が起きても澪自身の問題ではなかったのだが、今回は澪自身が答えを出さないといけない自体が次々と持ち上がる。それなのに澪は自分のことは二の次で、友達のこと、お店のこと、ご寮さんのことなどを、気遣い悩んで悩んで悩んで。
    どうするの?どうするの澪?とはらはらさせられる事。

    結局そうするのね。あなたの幸せはそれなのね。
    最後大いに落胆させられたが、そこはこのシリーズが続くか終わるかということだから・・・ね。

    「人は与えられた器より大きくなることは難しい」
    結局は、器に中にいる人の心がけ次第なんだけど、心に残った言葉だった。
    今回も、しみじみ、じ~ん、ほろり。

  • みをつくし料理帖シリーズの第6弾。

    前5作をはっきりと覚えてないなぁ、と思いながら読み始めたが、心配は無用、すぐに馴染みの物語の中に入っていけた。著者の巧いところだ。

    本書には、読者の興味を集める、大きな山場が用意されている。
    澪は何度となく決断を迫られる。
    澪の選んだ道は? はたして今後はどうなるのか?

    澪に限らず、現代においても人は同じような悩みを抱える。
    複数の選択肢の中から一つを選ばなければならない立場に置かれた時、人はどう考えるだろう? 何に重点を置く?

    身近にあって一筋縄ではいかないテーマが恋愛ではないか。好きな人との結婚だ。
    現代女性は、好きだから結婚したい、とストレートに考える人は少なくなっている。たとえ相思相愛であってもだ。いわゆる「条件」というものがある。

    いうなれば、澪も現代女性と同じような立場に置かれた女性。もし、専業主婦を選べば、夢も希望も叶えるのが困難を極める。否、不可能になる。
    澪が現代女性と異なる点は、相手に条件を求めることが不可能なところだ。

    さあ、どうする?
    シリーズは読者の興味をまだまだ煽り続ける。

    著者の高田さんは、なんだかんだ言っても、読者の希望を叶えてくれそうな作家。ハッピーエンドになると思うが、それまでにはどんな試練を用意されるのか? すべてを丸くおさめるのも難しいだろう。

    • カレンさん
      いよいよ局面を迎えるのですね?
      澪の一大事と言ったら・・・う~ん気になります。
      大事にとっておきましたが、そろそろ読もうかな?
      いよいよ局面を迎えるのですね?
      澪の一大事と言ったら・・・う~ん気になります。
      大事にとっておきましたが、そろそろ読もうかな?
      2011/11/29
    • trade-windさん
      T-カレンさん、こんにちは。
      そうなんです、局面を迎えるんですが……。いくつかの局面に選択を余儀なくされるのですが、「一番の」「とっておき...
      T-カレンさん、こんにちは。
      そうなんです、局面を迎えるんですが……。いくつかの局面に選択を余儀なくされるのですが、「一番の」「とっておきの」「読者の最大関心事の」の局面に対して、澪は……。はたして、どうするのでしょう?

      もうしばらく、大事に取っておくのもいいかもしれません。すぐ、読み終わってしまいますから。
      次が待ち遠しいです。もう一冊新刊が出てから読めば良かったかなあ、と読後すぐに思ったんですよ。
      2011/11/30
  • 惜しみながら読み終わってしまった…
    次まで半年?待ちどおしい!

    どっちを選んでも後悔するような苦渋の選択が次々と。
    もうちょっとタンマ!いったん勘弁してあげて~と息苦しい気分に。
    だけど、自分の心星は何かを考えて選ぶしかない。
    りうさんの存在が救いでした。

    しかし…平静を装いながらも、雨降ってるのに傘を忘れる源斉先生…。イイ。
    次作ではうろたえる源斉先生の出番多めを願います!!

    今ちょうど日差しも強く、干し野菜にはまっているので
    大根の油焼きは絶対作るよ!

    ハルキ文庫はあとがきナシなのかな?
    巻末の瓦版もよかったです。

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