心星ひとつ みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
4.27
  • (663)
  • (686)
  • (205)
  • (13)
  • (3)
本棚登録 : 3503
レビュー : 537
  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758435840

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 生麩田楽、んもう・・・大好きです!!生麩まんじゅうもいいですが、やっぱりあのもっちもちに香ばしいお味噌の風味がたまりません。

    ついでに言うと、すき焼きに入っている丸焼き麩も好きです。

    『青葉闇―しくじり生麩』
    『天つ瑞風―賄い三方よし』
    『時ならぬ花―お手軽割籠』
    『心星ひとつ―あたり苧環』


    野菜のいいものが出回らず、なにか良い策はないかと悩む澪。
    ふと記憶をよぎったのは懐かしい生麩の味だった・・・
    江戸は当時、焼き麩が主流だったんですね。

    大根を干すことで旨みが凝縮された大根の油焼きも、とろとろ茶碗蒸しにおうどんが沈められた苧環も美味しそう。

    泥鰌似の坂村堂さんの意外な出自が明かされ、またそれを明かしたすけべなお爺は芳に付きまとい・・・芳と澪、親子のように助け合って生きてきたふたりは互いの「女としての人生」を意識するようになる・・・。

    料理人として究める道、女として想い人と添える道、天満一兆庵の再建、野江の救出、つる屋への想い・・・
    いくつも選択肢があるのに、それによってかえってがんじがらめになっていく澪は読んでいていたたまれません。

    叶わぬものと諦めた恋の、その先に道ができたのに、それを選べば料理人としての道は閉ざされてしまう。
    思い遣り合う心が、辛い展開を招いてしまいそうで・・・次巻に進むのが待ち遠しくも怖いな・・・

  • (2014年8月23日 再読)

    心星ひとつは、みをつくしの中でもとても印象深いシーン。

    最終話を読んでのはじめからの一気の読み返しは、沢山の伏線に今からラストを思い描いて涙が滲む、ということの繰り返しです。


    初めの牡蠣や、こないだのところてんや鱧や、今回の生麩も、食文化の違いに関しては、澪の感覚に寄り添えるのがとてもうれしい。
    鱧も生麩もおいしいよねー。

  • 最初からわかっていた。澪の心星がなんなのか。

    澪の周りのあたたかい人たちは、澪の幸せを言葉にして願い、澪の背中を押す。
    想い人もまた、「共に生きるなら、下がり眉がよい」と願う。

    残酷だと思う。誰もが気づいていないのかもしれない。願うとは人を「縛る」ことになるのだということに。

    澪は料理人として生きる。生きて生きて生き抜いてこそ、見える天がある。いつか野江と二人で見ると決めた蒼天が。あの天神橋の真ん中で。

    それでこその雲外蒼天、旭日昇天。

    澪は誰のためにでもない、自分の生き方を貫くだろう。

    愚かに見えるかもしれない。だがきっと、あれやこれやに惑わされず、ただひとつのことに精進することで、澪は晴れやかな人生の先にたどり着けるのだと信じたい。

    言霊は人を力づけ、またがんじがらめにもしてしまう。「祝う」も「呪う」も、言葉で祈り、まじなうという、行いとしては同じこと。

    澪の心星。ただひとつ。まだ泣かずに…見届けたい。

    そう思えば思うほど、野江ほどに澪を澪らしく生かそうとしている人はいないと、あらためて野江という人の気高い魂に頭が下がる。

    とうとう歩き始めた。澪は澪として。

  • 澪に重大な決断が迫られる怒涛の展開でした。

    これまでの1話完結型から、尾を引くような辛い選択を迫られることも増えてきた。
    澪の想い人との身分差、野江ちゃんの身請け、天満一兆庵の再建、そしてつる屋の今後と、澪の料理の才能と、人を思う気持ちが、澪自身を苦しめていきます。

    どれも手放したくないものである故に、読んでいても惨い選択をさせるなぁと、胸がギュッと苦しくなる展開でした。
    小松原さま関連の選択肢が、料理人としての道を定めた選択のあとだから余計に辛かった。

    が、やはり小松原さまとの一連のやりとりには感激しましたし、澪を思いやる周りの人々も共に泣いたり笑ったりしてくれていて、胸が温かくなります。

    澪の料理人としての器が、苦悩を生んでいますが、真摯に1歩1歩、道を決めていく澪の姿に励まされます。

    澪にはやはり料理人として頑張ってほしい、でも小松原さまとも報われてほしい。
    これまでも悩みながら、紆余曲折しながらも、納得のいく答えを見せてくれた澪の物語です。期待をして続きを読みたいと思います。

  • シリーズの中で一番の盛り上がりの第6巻。

    究極の選択を何度も迫られる澪と一緒に、澪の周りも読者もとことん悩まされる。

    最初の選択は納得の展開だけれども、最後に澪の選んだ心星は、想像していたとはいえ辛かった。

    前巻の最後の章で、思いがけず小松原さまの胸のうちを知ってしまったからこそ、小松原さま目線で読んでしまい、ダメージが大きかった…。

    小松原さまからのプロポーズがとても素敵で、何度も読み返した。ここで時が止まればいいのに、事態は無情にも澪たちを翻弄していく。

    次巻を読むのが怖い…でも読まずにはいられない。

  • 小松原様と人生を共にする、、、
    ではない選択を次の巻で、、、のような感じの終わり方で、
    とても、心がキュンとなるお話でした。
    選択することが多いお話でした。
    次巻が気になります。
    登場するお料理はいつもながら、食べたいものばかり。

  • このシリーズの転換点を迎えようとしています。
    澪の決断は...何となくわかるのですが...。

  • 2018/8/14~8/15

    酷暑を過ぎた葉月のある午後、翁屋の楼主伝右衛門がつる屋を訪れた。伝右衛門の口から語られたのは、手を貸すので吉原にて天満一兆庵を再建しないか、との話だった。一方、登龍楼の采女宗馬からも、神田須田町の登龍楼を、居抜きで売るのでつる屋として移って来ないか、との話が届いていた。登龍楼で奉公をしている、ふきの弟健坊もその店に移して構わないとの事に、それぞれが思い揺れていた。つる屋の料理人として岐路に立たされた澪は、決断を迫られる事に―。野江との再会、小松原との恋の行方は!?「みをつくし料理帖」シリーズ史上もっとも大きな転機となる、待望の第六弾!!

  • みをつくし料理帖のシリーズ第六弾。
    図書館には人気のためか他のシリーズが貸し出し中のため
    中途半端だと思いつつ読み始める。

    出てくる料理のおいしそうなことおいしそうなこと
    仕事、結婚、転機がたくさん
    時代は違えど
    共感できる部分もたくさんある。

  • みをつくしシリーズ第6弾。
    もう物語も折り返し地点を過ぎてしまいましたね~あっという間です。
    そしてこの巻では大きな転機が盛りだくさん。
    優柔不断というか、どこまでもやさしい澪にもどかしくなったりもしましたが、ここで改めて彼女の芯の強さがしっかりと感じられました。
    そして一番はやはり小松原との恋の行方ですよ!!
    早帆の登場でぐんと急展開をみせ、澪と小松原2人きりで話をするシーンではもうキュンキュンがとまりませんでした。
    普段飄々としている小松原のあのストレートな気持ちの伝え方ときたら、もう読者はメロメロですよ。
    澪の、手を伸ばしてその皺に触れたい、と思う気持ちを封じ――の描写が本当に良かった。
    結ばれて良かったね~でもどうなっちゃうの?!と思いながらのラスト。
    女としての幸せか、親友との約束か、それとも料理人としての決意か。
    揺れ惑いながらも、澪の心星が夜空にはっきりとみつけられるようでした。

    料理も秋の良さがぎゅっとつめこまれたようなお品書きで素晴らしかったです。
    茶わん蒸し食べたいよー。

全537件中 1 - 10件を表示

高田郁の作品

心星ひとつ みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 時代小説文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする