菓子フェスの庭 (角川春樹事務所 ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758435987

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ最終巻は1作目の〈ロワゾ・ドール〉なので再び洋菓子の洪水でした。ブラン・マンジェの口になる。
    森沢さんと市川さんに決着がついて良かったです。バイヤー武藤さんの入り込む隙は無かった…でも甘いもの嫌いな彼に変化が起きたので、きっと必要な出会いでした。
    ミュロワーズってどんな果物なのか気になります。あるのかな?(検索したらスイーツ画像の洪水なので出勤時には目の毒でした……)

    しかしミュロワーズよりも、田山さんのチョコレートハウスのほうが気になって気になって仕方がありません。なんてこった……

  • 続編なので楽しみにしていたが、
    まだいろいろ収まってないので続くの?
    武藤さんにはあまり共感出来ず、
    そのせいか幸福感が得られなかったー。

  • 西富百貨店でさまざまな催事の企画を担当する武藤は、コース料理のデザートすら受け付けないほどの甘味嫌い。
    しかし、「菓子フェスティバル」の企画担当を任され、スウィーツに詳しい同僚とともに、嫌々ながら菓子店を回ることに。

    ある日、目玉となる新作菓子の打ち合わせのため、神戸のフランス菓子店〈ロワゾ・ドール〉を訪れた武藤は、パティシエールの夏織の用意した優しい味わいの菓子に、何故だか心惹かれる。
    やがて、新作菓子作りに真摯に取り組む夏織の姿に、武藤は魅力を感じ始めるのだが…


    前作があるとは知らずに読んでしまったが、大きな支障はナシ。
    ふたりのお仕事小説でもあり、夏織の憧れの先輩の登場で、武藤にとっては叶わなかった淡い恋の物語でもあり。
    面白くなくはないけれど、どうも上田早夕里さんの、この手のグルメなシリーズは、小説としては薄味だなぁ。

  • 上田早夕里のパティシエシリーズの3作目
    SF作家としてデビューした人だけれど。
    このシリーズも結構はまる。
    関西のケーキ屋さんを舞台にしており、今回の主戦場は西宮ガーデンズ。
    恋愛小説風だけれど、最後は…
    読んでみてください。

  • ラ・パティスリーの続編!相変わらず美味しいスイーツ表現。夏織のスイーツ食べてみたいなぁ。

  • ラパティスリーの5年後。
    夏織も中堅所の職人に成長しました。
    お菓子の事ばかり考えて、ちょっぴり鈍感だけど、まっすぐで努力家。
    応援したくなります。
    飄々とした恭也は夏織をどう思っているのか 分かりかねますが、師弟を超えた関係になるのかな。
    夏織は尊敬する職人としてはもちろん、それ以上の感情がありそうだけど、まだ本人が気づいてなさそうです。
    まだ続編が読みたいけれど、シリーズとしては完結っぽい。残念。
    武藤さんの思慕はなかなか分かりづらい!
    えっ?
    けなげな姿に胸打たれたのかな。
    麗子さんと良い雰囲気になりそうな、ならなさそうな。

  • パティシエシリーズ第三弾。『ラ・パティスリー』の5年後の森沢夏織が登場。しかし主人公は百貨店企画部の武藤隆史で、彼はお菓子が嫌い。主人公と夏織の仲はどうなるか?美味しそうなスイーツが出てくるが、話はちょっとビター。

  • 前作同様、お菓子の描写がとっても素敵。

  • 甘いもの大好きなアタシとしては武藤さんの気持ちはひとっつも解らないし、夏織ちゃんを落とす方法もなんか回りくどくて残念男子だなぁ、と。
    やっぱり恭也さんの方が素敵かな。
    一途な夏織ちゃんが良い。
    ブランマンジェがすごい食べたくなった。

  • 後味は甘酸っぱい

  • 神戸にあるフランス菓子店『ロワゾ・ドール』に
    西富百貨店の武藤という男性が訪れた。
    中堅パティシエの夏織はその新作づくりに抜擢。
    そんな折、密かに想いをよせていた先輩パティシエの
    恭也が東京からひょっこり帰ってきて…。
    「ラ・パティスリー」の5年後を描いた
    とびっきり美味しくて幸福なパティシエ小説。

  • 「ラ・パティスリー」の五年後を描いた続編。
    百貨店の依頼により、洋菓子の企画フェスティバルに参加することになった洋菓子店のロワゾ・ドール。
    中堅パティシエとなった夏織はフェスに出す新作づくりに奮闘する日々。
    そんな折、先輩パティシエの恭也が東京からひょっこり帰ってきて……。

    前作以上に、プロとして身をたてていく奮闘を描いた一人の女性の成長小説という感じでしたし、同時に、不器用な男の切ない片思い小説でもありました。

    菓子フェスの担当者の武藤は、大の甘いもの嫌い。
    この武藤という男、とにかく無骨で不器用な奴なのです。
    恋に落ちたことを自覚せず、新しい大きな仕事に誘うことによって片思い相手に関わろうとしたり。
    仕事はそつなくこなすけど、ちょっと独りよがりなやり方で彼女の成長を勝手に思いやったり。
    (結局は彼女の意思を尊重して身を引くわけですが・・・)

    夏織の成長を描くとともに、彼の甘いもの嫌いの克服と恋のひっそりとした終わりが描かれ、武藤がかわいそうになっちゃいました。

    男性よりも女性の方が恋愛と仕事の相克に悩むこともなく夢に向かってバリバリ頑張っていくのが今風です。
    甘い菓子の話でしたが、甘さよりもほろ苦さが残る、切なくビターなお話でした。

  • 楽しめました。色々食べてみたくなります。

  • 「ラ・パティスリー」の5年後の話だけど、武藤という新しい登場人物の視点で書かれているので、続編という感じは薄く単品でも読めると思う。

    甘いものが大好きな私には、甘いものが大の苦手だという武藤の気持ちはわからないけど“苦手な人でも大丈夫”って言われるのが嫌なのは共感できる。

    恭也は恭也として暮らしているの?
    相変わらず恭也の気持ちが見えてこない。だったら、恭也を出さずに夏織の葛藤を書いても良かったんじゃないかな?

  • 毎度のことだけど、ページをめくる手が止まらず寝不足確定。今回は甘いもの嫌いな主人公って設定もおもしろい。ラストもいいね。

  •  ラ・パティスリーの五年後。こちらは前作とは違い、主に武藤視点と夏織のお菓子が中心。イベントでの新作開発が主な話で、パティシエの個性、店のコンセプト、客の好み等色々考える部分有り。
     甘い物が苦手だから企画抜擢に難を示す私情はまだわかる。が、その後の公私混同えこひいきっぷりは社会人の仕事としては落第モノ。畑違いからは意見を言うなとは言わないが、職人にしかわからない専門分野や仕事や人生にまで深入り干渉しようとしすぎ。
     ま、夏織と恭也のカップリングで見るから尚更なんですけどね(笑) 恭也も恭也でハッキリしない態度。でも前作では手を握らなかった事を考えれば進展、って捉えていいのかな(笑)

  • 武藤にイラッとすることがあったけどサクサク読めました。

  • 『ショコラティエの勲章』から5年後の世界。スイーツはおいしそうなんだけどこのシリーズは全体的に物語展開に魅力を感じないのはなんでだろう。夏織がパティシエとして成長していたり、恭也がお店を出すことになったりと展開はあるけども…。多分、無理に恋愛要素を絡ませてくるのが好かないのだろう。中村佑介さんの装画は相変わらず素敵。2012/271

  • ラ・パティスリーの続編。
    短いながらもおいしさがぎゅっと詰まってる感じ♪

  • ダークバラードの時にも感じたけど、ご都合主義はいやなのだろうけど、なんだろう・・あまり幸福感を感じられなかった。モヤモヤーとしたまま終了。お菓子の描写は凄く惹かれるものがあるのに、人間関係が・・市川さんの訳知り風もいらいらするし・・・天才なのはわかるけどなんで夏織に対して期待させるような行動をとりながら突き放すんだろうなあ・・Sなのか。 武藤氏のしつこさというか長年恋愛してこなかった人ののめり込み具合は良く表現されていたけど、しつこかったかも?あとこのシリーズはミステリー調だった気がするけど、ミステリーな部分は感じられなかった。人生思うようにはいかないのだと作者は言いたいのだろうか。

  • このシリーズは3冊共、出てくる食べ物が美味しそうなのが好き。
    主人公程ではないが、甘いものをそれほど好きではない私でも
    ふと「ケーキでも食べようか」などと思わさせられてしまう。

    今回はお菓子と恋愛の話に終始してしまっているのが意外だった。
    この分量で2視点の作品だったからか、両パートとも展開重視で
    感情などがさほど描かれず、少しずつ物足りなさを感じた。
    ここまでの2作ではミステリ要素があった分、その薄味さ加減が
    好ましかったけれど、今作ではそういった味付けもないので
    全体として薄い印象。

    お菓子作りで試行錯誤する部分をメインに据えて、そのあたりの
    描写を増やしていたら「パティスリーのお仕事小説」的に成立して
    他の部分はエッセンスとして味わえたのだと思うんだけど、
    わざわざ2視点にしている割に「夏織が色々頑張った」シーンは
    それほど掘り下げず、入り口だけ切り貼りしてさらっと時間経過を
    させてしまうので、武藤目線で見た場合の印象と大して変わらないし。
    じゃあ恋愛部分の方で読み足りる内容かと言えば、そっちも微妙。

    「ラ・パティスリー」でも思ったけれど、上田さんは感情を
    描くのがあまり得意ではないのかな。
    他の作品などで描かれたような、衝動的な感情の揺れや
    執着にも近い激情型の愛情についての描写はまだそれなりに
    納得がいく時があるんだけれど。
    なんというかいわゆる「フツー」の恋愛感情について・・・
    身の内で育てていく過程というのがまるっと飛ばされて、
    唐突に恋愛感情になってしまっている印象。
    (「ラ・パティスリー」での夏織と恭也に関しても)

    そこ(過程の描写)が殆どないから、武藤なんてなんだか
    思い込みの強いただのストーカー気質な人に見えちゃうし。
    せめて自分の気持ちに気付いた時に動揺などする描写の
    一つでもあれば、印象は違ったと思うんだけどなぁ。

    夏織と恭也に関しても同様で、夏織が抱く恋愛感情が
    もっと淡いものとして描かれていれば良いのだけれど
    「好きだからそばにいたい」みたいなヌルい感情論を
    理屈で補強しているだけにしか見えなくて困る。

    どちらも恋愛感情抜きでも成立する物語なだけに(武藤は
    恋ぐらいならしても構わないけど)もったいないと感じた。

  • 「ラ・パティスリー」の五年後を描いた文庫オリジナル
    デパートマンの武藤は甘いものが大の苦手だが、スイーツフェスタの企画を任され中堅パティシエ香織を訪ねるが…

  • 前作ほぼ忘れていた。ケーキの想像するだけで楽しかった。武藤しつこい。

  • ラ・パティスリーの続編です。
    発売順的に言えばこの菓子フェスの庭よりショコラティエの勲章を先に読むべきだったのかもしれないけど、まあ大丈夫だろうと思ってショコラティエを読まないでこっちを先に読みました。
    ラ・パティスリーを読んでまだ数ヶ月しかたってないんですけど、結構忘れてちゃってました。人の名前とか。
    思い出しながら読みました。

    あらすじを読んで、私は中堅パティシエに成長した夏織がメインのストーリーかなって思ってたんですけど、どっちかっていうと西富の武藤さんが主人公っぽかったです。
    夏織と恭也がメインの話を期待してたんで、そこはちょっと残念でした。
    でも相変わらず出てくるお菓子が美味しそうでした。
    ブラン・マンジェっていうお菓子を私は初めて知ったんですけど、すごい美味しそうで食べたくなっちゃっいました。
    あと、絶賛されてたオペラ・フレッドも食べたいです。

    私は子供の時から甘いものがすごく好きで、特にチョコ系のお菓子とか大好きです。
    だから甘いもの嫌いの武藤さんにはあんまり共感できませんでした。
    でも誰にでも食べれる優しいお菓子っていうのは良いなって思いました。

    次は夏織がコンクールに向けて頑張る話が読みたいですね。

  • パティスリーの色とりどりのショウケースを見ている気分になるくらい、色んなお菓子が出てくる。
    それだけでお腹がすくし、わくわくする。

    小説の中に出てくる夏織のお菓子のように優しさに溢れたトーンなのも好き。

    もし、本が食べられるなら、私はこの本を食べたい。

    きっと甘酸っぱくて、可愛らしい、幸せなケーキの味がするだろう。

  • ラ•パティストリーの5年後が舞台の作品。
    前作では新米だった見習いパティシエだった夏織が中堅として活躍しています。
    そんな夏織の元に、お菓子フェスティバルの話が舞い込みます。

    やっぱりこのシリーズは、出てくる食べ物が何でも美味しそう!食べて〜
    !!
    神戸がメッカとのことで、思わず行きたくなってしまいますよね。

    あと、職人としてひたむきに仕事する登場人物たちに頭が下がります。
    チャランポランに生きてる自分が恥ずかしいです……

  • ラ・パティスリーからの続き。

    あんまりにも昔に読んだので、あんまり覚えてなかった(笑)

    単体で読むと夏織のかたくなさが目について、あんまり楽しめなかったかな。

    前作のショコラティエの方が私好みです(*^^*)

  • 神戸にあるフランス菓子店“ロワゾ・ドール”に、西富百貨店の武藤という男性が訪れた。西宮ガーデンズで行う「お菓子のフェスティバル」に参加して欲しいという。中堅パティシエの夏織は、その新作づくりに抜擢され日々奮闘していた。そんな折、密かに想いをよせていた先輩パティシエの恭也が、東京からひょっこり帰ってきて…。「ラ・パティスリー」の五年後を描いた、とびっきり美味しくて幸福なパティシエ小説、文庫オリジナルで登場(「BOOK」データベースより)

    『ラ・パティスリー』『ショコラティエの勲章』の続編。
    ちょっと成長した夏織が登場。
    自分の仕事に真摯に取り組む姿勢は、読んでて気持ちがよいですね。
    恭也との間はあんまり進展しそうにないけど、うーん、今後はどうなるんだろう。
    あ、前の2作には見受けられたミステリ部分は無くなってしまったんですね、それは少し残念。
    どちらかというと、お仕事小説っぽくなっていくのかな。
    今回は販売業種目線が加わっていたので、完全なお菓子業界の話ではなかったのですが、こういう異業種が交わる話も面白いな~。
    続編ありそうなので期待します♪
    近日開店予定(?)の「ミュロワール」も楽しみだわ~。

  • 武藤さん強引やのう。
    でも最後にタルト食べて泣きそうになってるのはちょっと可愛いかもしらん。

  • お菓子のイベントに関わるパティシエ夏織と主催側の武藤の視点から描かれる物語。
    出てくるお菓子がみんな美味しそう!楽しく軽く読めたけど、あまりにも波乱がなさすぎて少し物足りない。あと、武藤のキャラクターが微妙…。

著者プロフィール

兵庫県生まれ。2003年『火星ダーク・バラード』で第4回小松左京賞を受賞し、デビュー。11年『華竜の宮』で第32回日本SF大賞を受賞。18年『破滅の王』で第159回直木賞の候補となる。SF以外のジャンルも執筆し、幅広い創作活動を行っている。『魚舟・獣舟』『リリエンタールの末裔』『深紅の碑文』『薫香のカナピウム』『夢みる葦笛』『ヘーゼルの密書』『播磨国妖綺譚』など著書多数。

「2022年 『リラと戦禍の風』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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