風立ちぬ (ハルキ文庫 ほ 4-1 280円文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 354
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (117ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758436557

感想・レビュー・書評

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  • ジブリの映画がよかったので。
    というか、ジブリの「風立ちぬ」は、堀越じろうの生涯と堀辰夫のこの作品を掛け合わせたものだった、というのに読んではじめて気づきました。よく合わせようと思ったなぁ…絶妙。
    話全体にただよう静謐な空気が、夏に読むのにぴったりです。

  • 青空文庫にて。

    繰り返される風景描写が、
    さもその場に立ち会っているかのような臨場感を
    主人公の恋人としての慎ましやかな希望と作家としての残酷なリアリティが、
    この作品に対するえも言われぬ距離感を生んでいる。

    風立ちぬ、いざ生きめやも

    この言葉がすべてを表す。

    愛した人への想いを置いてはいけない。
    けれども日常は流れて、人は否が応でも生きていかねばならないのだろう。

    もし、愛する人に先立たれてこの世に置き去りにされたとき、
    悲しみや不安に押しつぶされずに覚悟をもって生きていくことができたなら
    それは幸せとは言えずとも、不幸とまでは言えないのだろうか。
    甘っちょろい私には想像もできない。

  • 読んでいて香るような独特の空気を感じる。。
    匂いや雰囲気が読み手を包み込む。

    美しく聡明な文章。「死」を感じながら生きるというのは、こんなに儚くもどかしいものなのか。
    一刻一刻時が過ぎるのに、優代な時間がゆっくりと紡がれる。
    そして葛藤や苦しみも美しく心に残るのは、作者の感性が美しいのだと感じた。

  • この夏公開のジブリ映画「風立ちぬ」の原作を読んでみた。病に冒された恋人と、彼女に寄り添う主人公の物語。
    風景の描写が綺麗です。最初の草原のシーンでなんかもう泣きそうになる…。「死」に対して、表だって抵抗したり、嘆いたり、そういうシーンは一切登場しないのに、溢れそうな感情がずっと漂っているような作品。
    つき詰めると、幸せと悲しみは何だか似ているのかもしれない。なんて思いました。読んでいるあいだじゅう、頭の中で「亡き王女のためのパヴァーヌ」という曲がずっと流れていました。

  • か弱くて今にも消えてしまいそうな女性は確かに美しい。でもそんな美しさは、大切な人間に求めるものではない。

  • 堀辰雄の作品はいくつか読んだけれど
    風立ちぬはその中でもお気に入りの作品

    「死」というあらがうことできない
    ものを前にしても主人公と節子は
    とても幸福そうに見えた
    終わりがわかってて打ちひしがれるのではなく
    残された時間をふたりでゆっくりゆったり
    過ごす姿はとても印象的でした…( ; _ ; )


    また風景描写もとても良くて…!
    堀辰雄の作品は読むと毎回
    軽井沢に行きたくなります…(笑)

  • 静か

  • これはヤバイ。美しすぎる。今までで一番美しいと感じた。ってゆーか小説に美しいなんて概念が存在することに驚き。ただの文字の羅列なのに。映画よりも儚げで頼りなく、それは多分節子の命の灯火のせいなのだろう。また、主人公のブレながらも必ず自分のところへ戻ってくる自我というか魂というか、これがフラフラしてるくせに一本筋をしっかり進んでいるんだよなぁ。すごい方向感覚だと思う。小説の時間の経過の中でもちろん四季折々でてくるんだけど、サナトリウムっていう場所の性質上、雪のイメージが強い。映画は夏のイメージだったけど、間逆じゃん。氷の結晶のような作品。語ったら止まらないぞこれは。

  • 宮崎駿の「風立ぬ」を見てひどく感動を覚え、堀辰夫のこれを手に取った。映画との関連は冒頭部分であったり、肺結核という設定であったりするけれど、何より主人公の病気の妻に対する愛とそれをつづる言葉の持つ空気が小説と映画の接点であると感じた。日本語の持つ美しさを痛みの中からあらわした名作。少し「銀の匙」を思わせる雰囲気がある。愛する妻を思いながら、痛ましい中にも幸福を味わう主人公の心象に思いが重なった。

    14.9.5

  • #47 「風立ちぬ、いざ生きめやも。」
    こんなに幸福な人がいるのか… こんなに強くなれないけれど少し勇気をもらった。

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著者プロフィール

ほり・たつお
1904(明治37年)~1953(昭和28年)、日本の小説家。
代表作に
『風立ちぬ』『美しい村』『菜穂子』『大和路』など多数。

「2017年 『羽ばたき 堀辰雄 初期ファンタジー傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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